保育をめぐって政務官と大臣間で
子ども手当の額を抑制して、保育所の整備、基準、運営費には国が責任をもってやればいいということではダメなのか。
補正予算と来年度予算で保育所整備を大胆に行えるように組み込み、保育所の基準や運営費はこれまでどおりのものでやっていけばいい。
7月1日には面積や職員の配置などの国の基準を改善する方向を民主党として打ち出した。その後「地方分権」をどれだけ盛り込むか、それによって支持政党を明らかにするとした大阪府知事らの圧力でそれが7月20日前後に発表されたマニフェストから削除されていたという話。
7月1日の民主党の「保育サービスについての考え方」はネクストキャビネット(野党としての内閣)で決定されており、総務大臣(役)は原口総務大臣(現)であり、当時は国の基準改善を承認していたのだ。
また、都市部の待機児解消に限って面積基準の緩和(つめこみOK、いまの基準より狭い保育所の開設OK)を自治体の判断で認めること以外の運営基準(職員配置など)の攻防もいまだ省庁間・政務官同士で行われている。
下記折衝、今日の大臣間のやりとりは、基本的にかみ合っていないと思う。
◇義務付け・枠付けの見直しに関する大臣政務官折衝(厚生労働省)
(2009/11/12 津村啓介・内閣府大臣政務官、山井和則・厚生労働大臣政務官)
PDFファイル
http://www.cao.go.jp/chiiki-shuken/gimuwaku/091112gijiroku01.pdf
◇子ども手当財源 厚労相と総務相がさや当て、物別れ
asahi.com 2009年12月4日20時31分
「子ども手当」の財源問題をめぐり、長妻昭厚生労働相と原口一博総務相が4日、国会内で会談し、さや当てを繰り広げた。原口氏は「保育所運営を地方でやり、浮いた国費で子ども手当を」と提案。これには長妻氏が「子ども手当にこそ地方負担を」と言い返し、物別れに終わった。中学生までの子ども1人当たりに月額2万6千円(初年度は半額)を支給する子ども手当は、民主党マニフェスト(政権公約)の目玉で、全額国費を想定。財源の確保が難しく、地方負担を求める検討もされている。
原口氏が目をつけたのは、子ども手当創設で廃止される児童手当の地方負担分約5700億円。これを、私立保育所などへの運営補助金の国負担分と置き換える案だ。私立保育所への補助金は国と地方で約3400億円ずつを折半。この分を地方が全額賄えば、国費の一部が浮くというわけだ。
しかし、長妻氏は「国が責任を持って待機児童の解消を目指す中で、国の財源的関与がなくなるのは問題だ」と拒否。国の面積基準などを満たす認可施設だけ補助対象にしており、保育の質がばらつきかねない懸念からだ。
長妻氏は逆に「保育所補助の地方負担を認めるなら、その分を子ども手当の財源に」と提案した。長妻氏は全額国費と明言し続けているが、売り言葉に買い言葉なのか、初めて地方負担を求める可能性に言及。ただ、原口氏は「地方負担は求められない」と言下に退けた。
保育所の面積基準に対する国の関与を残すかどうかでも、両省の主張は平行線のまま。子ども施策をめぐる溝は、埋まりそうにない。
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