屋根があればいいのか 生存権を問う
東京も冷え込んできた。
雨露や風をしのげるところがあればいい。
屋根のあるところで寝られるだけいい。
住まいを提供しているのに、ぜいたく言うな。
そんな切実な声と攻撃的な声が交錯して、事態はよりよい方向に向かっているだろうか。
「公設派遣村」では、年明けまで個室型の代々木オリンピックセンターの宿泊施設が提供され、4日はカプセルホテル、5日からは大田区内の施設が寝床となった。
屋根さえあればいいというけれど、4年前にはこの大田区内の施設で天井が落下して3人が負傷する事故が起こっている。その後安全は確認されたのだろうけれど。
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山谷対策越冬施設での天井落下事故について
平成18年1月9日
東京都福祉保健局平成18年1月9日、山谷対策越年越冬対策の宿泊援護施設としてリース契約により開設している「なぎさ寮」において、一室の天井が落下する事故が発生しました。都では建物の安全性が確認できるまで利用者全員を他の施設に移しました。
1 施設名等
施設名 なぎさ寮
所在地 大田区城南島二丁目25番(地番)
構造 プレハブ2階建 全7棟24居室 (リース建物)
利用者 141名(事故当時)
設置期間 平成17年12月26日(月)~平成18年3月15日(水)2 事故の概要
平成18年1月9日(月)午前6時頃、一室の天井(約122平方メートル)が落下した。部屋には25名の利用者が入室しており、落下に気づき退避したが、3名が軽傷を負った。3 都の対応
本日、利用者の安全確保を図るため、建物の安全性が確認できるまで、利用者全員を他の施設に移しました。
なお、現在、事故原因について関係機関と連携して調査中であり、施設への立ち入りはできません。
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とは言っても、3食と寝床は確保されているんだからゼイタクだという声もあるだろう。
日雇い労働者を支援する団体のブログに、時期は違うがこの施設の内部の様子(写真)が掲載されている。
下記ブログ記事のリンク先の右上が、その大部屋。
いまはこの50畳から60畳に、約30人が寝泊りしているのだ。
盗難の危険性(実際に盗難も起きた)もあるなかで、荷物を布団近くにおけば、余分なスペースはなくなる。
ヒジも横に伸ばせず、歯ぎしりやイビキが響きわたるのではないか。
また、この施設には公衆電話1台しかないともいわれている。
今日のひとこと-担当者の日誌 (財)城北労働・福祉センター
なぎさ寮(2008/5/9)
http://johoku.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/post_1129.html
プライバシーもなく、1人あたりの面積も極めて狭い施設は、
健康で文化的な最低限度の生活をおくり、やり直しをはかる環境として、私は非常に不十分だと思う。
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