小中学校の国のクラス編成基準は改正し、少人数になる
小中学校のクラス編成の国の基準が30年ぶりに改正される方針が固まったそうです。
1学級の人数が減り、教職員の数も増えることになります。
一方で、保育所の面積基準は、2010年度から都市部に限って自治体の判断で緩和(切り下げて詰め込みOK)する動きがかためられ、さらに2011年度からは子どもあたりの職員数なども同様に自治体の判断で減らしていいとするように圧力がかかってきています。質が下がることはないと総務省なんかは言ってますが。
地方分権だから国の基準は廃止したいという原口総務大臣、保育園の国の面積基準の緩和は住みよくなる社会実験だという鳩山総理。
学校の基準はなぜ国として維持し、そして引き上げまでするのでしょうか。
民主党を応援している教職員組合が強いから?
小中学校は当面ビジネスになりにくく、保育はビジネス参入を促すための自由度を広げていきたいから?
いまは小中学校の授業で新聞を活用して、調べたり、学んだりすることがあるそうですが、ぜひ子ども記者のみなさん、調べてもらえませんか?そして、発表しあってほしいです。
なぜ学校のクラスの人数は減らす方針なのに、保育所では先生1人が担当する子どもの数が増えていいという動きなのかを。
小中学生の指導は細やかなものをめざす一方で、乳幼児はおおざっぱでやっていくということなのかを。
鳩山さんや小沢さん、そしてたぶん時間のあいている民主党の新人議員などを取材して。
***
◇「40人学級」さらに少人数に 文科省、基準見直しへ(2010/1/14朝日新聞夕刊)
http://www.asahi.com/national/update/0114/TKY201001140224.html文部科学省の政務三役は、公立小中学校の1学級あたりの標準的な児童生徒数を「40人」と定めた国の基準について、人数を減らす方針を決めた。少人数学級でより細かい指導を行う環境を整えるためで、早ければ来年の通常国会で学級編成の基準を定めた法律を改正し、2011年度から数年かけて完全実施することを想定している。国の基準の見直しは、1980年度に45人から40人に減って以来で、約30年ぶり。
国の基準は、必ず守らなければならない性格のものではなく、国の基準人数を下回る学級を各都道府県が独自に編成できる。文科省のまとめでは、例えば小学校3~6年生では35人以下の学級編成をしているのは10県ほどあり、仮に国の基準の見直しの結果が「35人」であれば、それ以外の都道府県の学級編成に影響を与えることになる。(青池学)
毎日新聞のサイトも報じてます。
◇文科省:小中学校の40人学級見直しへ 30年ぶり(2010/1/15毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/today/news/20100115k0000m040083000c.html文部科学省は14日、1学級40人としている公立小中学校の学級編成基準の見直しに向けた準備作業に着手したことを明らかにした。早ければ11年の通常国会に関連法案を提出し、数年かけて新基準に基づく学級編成の完全実施を目指す。見直しは80年以来約30年ぶり。
適正な学級規模などについて、全国の教育団体や有識者らから意見聴取する場を来月以降設け、インターネットなどで国民からも意見を募集する。少人数化には教員増に伴う予算措置も必要になるため、11年度予算の概算要求時期となる8月末までに一定の結論を出すことにしている。
1958年制定の「義務教育標準法」で1学級当たり50人が「標準」とされた後、64年に45人、80年には40人と段階的に引き下げられた。01年度からは都道府県教育委員会の裁量で弾力的な学級編成が可能になり、東京都以外の道府県は何らかの形で40人以下学級を編成しているが、大半は小学校低学年など一部にとどまっている。
民主党は政権交代前から「少人数学級の実現」を掲げており、鈴木寛副文科相は同日の会見で「教育現場は複雑な問題を抱えており、きめ細かな少人数指導の必要性を再三強調してきた。概算要求までに一定の結論を得たい」と述べた。【井上俊樹】
« 社会連帯の要になるべき存在に 今こそつながろう | トップページ | しあわせ運べるように »
「保育」カテゴリの記事
- 少子化で揺らぐ保育園 保育士などを増やせる政策を(2022.05.05)
- 就職したばかりだけど、職場がおかしいので退職したいという人へ(2022.04.16)
- ドラマ『逃げ恥』と『ダンダリン』のセリフが保育園の職員に何を問いかけているか~「やりがい搾取」を許さずに自分たちの手でよりよいものに変えていくという選択肢とは(2017.04.01)
- 保育士の賃金引き上げと増員を(2017.03.19)
- 保育士不足の背景に丁寧な取材で迫る (2015.03.29)
「学校」カテゴリの記事
- 体罰を認めてもいいとする世論は4割ある(2013.02.13)
- 1月15日(火)NHKクローズアップ現代「生徒がつける先生の通信簿」(2013.01.14)
- 現場の責任をあらためて問い、かみしめたい(2012.07.21)
- 繰り返される悲劇 また子どもが 大人の責任は?(2012.04.08)
- 新聞を「読む」日に考え合いたい 成果主義の行きつく先は(2012.04.06)
「政治」カテゴリの記事
- 若者が9条改憲に肯定的との先入観は誤り(2014.01.13)
- 政治に社会に組織に求められるプロセスの公開(2013.01.13)
- 子どもの権利を守るため、人にやさしい都政をつくる宇都宮けんじさんで~猪瀬さんでは保育施策は大・大・大ピンチ~(2012.11.28)
- 湯浅誠さん、都知事選に不出馬(2012.11.06)
- <声明>私たちは新しい都政に何を求めるか(2012.11.06)
詰め込むとろくなこと無いですよ・・。
昨日なんて
夕方3歳児クラスのケンカのひどかった。
一瞬ですが合同保育の部屋にこどもが詰め込みになったのです。最低基準はクリアーしていてもですよ。
いくら人を配置しても空間が狭いと防げないことってある。
それが一日続いたら
生傷たえないよねぇ・・。
投稿: おりがみ | 2010.01.15 10:45
学校ネタに関連して。
東京都は公立の小中学校で、月2まで土曜日に授業してもいいという通達が出たみたいですよ。
すでに頑張ってる子どもたちに、もっと頑張れと言うんですかね。
投稿: たいち | 2010.01.15 13:38
日教組系の教研集会に、文部科学省の政務官として民主党議員が参加したようですが。一方で、保育所の定員弾力化は、年度途中まで何%とかいう枠もとっぱらう上限なしという方針がかためられたとか。チルドレンファーストって言いながら、学校は改善、保育所は・・・。年定員5万増という方針が表明されたのは歓迎だけれど。。。
投稿: Tamy | 2010.01.23 21:46
チルドレンファースト・・というカタカナがそもそもうさんくさい。
保育園に通う子なんざ少数派さ!という「本音」が見え隠れします。
すくわれません。
投稿: おりがみ | 2010.01.25 11:49