保育所の調理外部搬入OK?!
保育所の給食について保育所内で調理せず、外部から搬入することの全国展開は以前からねらいとしてあった。
「メリット」は、設備面と人件費のコストを減らせるということ。学校でもやっているからということ。
規制を緩め、これを一部地域で先行させて全国展開にむけて実験した構造改革特区。
「構造改革」を表面的には否定し、「いのちを守りたい」と繰り返した鳩山首相。
「食育」とさけばれながら、「台所」があり、顔がみえる給食スタイルをチェンジして、フード業界からの搬入を事実上推進していくことが「いのちを守りたい」という姿勢と一致するのか。
外部搬入をもうけを生む市場化路線でないというのなら、規制はどのように示すのか。
また、幼保一元化はマニフェストに掲げられたものの、保育所の給食室の機能と設備をなくしていく方向などは、いつどのような形で広く国民に示されたのか。
保育所の給食室が事実上なくてもOKですとマニフェストに書かれたことはあったのか。
保育所の保護者の多くは「なくてもOK」と答えているのか。
この報道では厚生労働省のささやかな抵抗もみられるが、
今年前半には保育の基本的な制度設計に踏み込む方向が伝えられている。
さらに、この夏の参議院選挙後の幼保一元化も含む省庁再編に首相が言及しているわけで。
厳しく問われるし、関係者はもっと問わなければ。
***
◇保育所給食、質低下を懸念 外部調理容認に反発の声(東京新聞 TOKYO Web)
2010年2月4日 17時16分
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2010020401000635.html政府の構造改革特区評価・調査委員会が4日、保育所での3歳以上の給食について施設外調理を全国一律に認める方針を示したことに、保育団体から反発の声が上がった。
現在、保育所の食事は、厚生労働省令で「施設内で調理する方法により行わねばならない」と規定。施設外での調理容認には、認可保育所の約9割が加盟する全国保育協議会などが先月27日、福島瑞穂少子化担当相らに「給食の質の低下につながる」などとして反対の意見書を提出した。
東京都の保育関係者は「保育所はのみ込むのが苦手な障害児の受け入れも少なくない。こうした子への流動食や、アレルギー食への対応も難しくなる」と話し、国が進める「食育」にも逆行すると反発する。
外部調理を一律にできるようにするには省令改正が必要だが、厚労省は「温め直しが必要」などとして調理室の必置義務は緩和しない方針。「ほとんどの保育所は0~2歳の子どもを預かっており、0~2歳と3歳以上を分けて給食を提供する方が非効率」(同省幹部)として、実際に外部からの搬入に踏み切るところは限られるとの見方もある。
(共同)
○全国社会福祉協議会 全国保育協議会&全国保育士会
(2010/1/27)PDFファイル
緊急要望「保育所給食は子どもの育ちを保障する基本機能です。保育の質を低下させる給食の外部搬入には、反対です!」
http://www.zenhokyo.gr.jp/pdf/100127.pdf
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