よっこらしょっと、新聞、読んでますか
私、新聞大好きですからね。
朝ごはん食べるみたいな感じというと、食べすぎですけど。
まあ、それはいいとして、2度講演を聞いたことのある、新聞や雑誌、書籍でも何度も読んだことのある精神科医の香山リカさんの今回のコラムが興味深く。
私も古いタイプですからね。
***
◇香山リカのココロの万華鏡:新聞、読んでますか
(2010/4/20毎日新聞東京版)http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20100420ddlk13070320000c.html
若者の「新聞離れ」が深刻なのだという。これだけネットが普及すると、ニュースは携帯電話やパソコンで見る、という人も少なくないだろう。とくにひとり暮らしだと、購読料を節約したくなる気持ちもわかる。しかし、この「新聞離れ」により、精神科医の私にもちょっとした問題が生じている。それは、うつ病を疑ったときに患者さんにする「毎朝、新聞を開く元気はあるでしょうか」という質問が使えなくなった、ということだ。
「新聞、読んでますか」ときいて、「いえ、まったく」という答えが返ってくると、「意欲やエネルギーがずいぶん低下しているな。これはうつ病の可能性アリだ」と判断する。ところが最近は、「もともと新聞は取ってません」「新聞を読まないのは以前からです」などと言われることが増えた。
かわりに「携帯電話などでニュースはチェックしていますか」ときけばいいじゃないか、と思う人もいるかもしれないが、それと新聞とでは必要とするエネルギーが微妙に違う気がするのだ。
たとえば携帯電話には、画面に自働的に最新ニュースが表示されるというサービスもある。それなら、こちらは積極的に何もしなくても、勝手にニュースが目に飛び込んでくる。
ところが、新聞となるとそうはいかない。まず玄関のポストから取ってきて、それを机や畳の上に置いて、それから「よっこらしょ」とあの大きな紙をめくり、興味のある見出しがあれば、身を乗り出してあの小さな活字を読もうとする。かなりの積極性やエネルギーがなければ、「新聞を読む」という行為は成り立たない。だから、「毎朝、一応、新聞は読むことにしている」というのは、それだけで一定の元気、意欲がある、という証になるのだ。
いや、待てよ、と私は考えた。若者全体に「新聞離れ」が起きているとしたら、それは単にネットの普及や節約だけが理由なのではなくて、そもそもエネルギーが低下していてとても新聞なんか読む気になれない、という若者が増えた、ということなのではないか。だとしたら、これはとても深刻なことだ。
新聞、読んでますか。うつ病チェックにこの質問が使えなくなりつつある今、それにかわる質問は何だろう。「ブログ、書いてますか」とか「ツイッターでつぶやいてますか」なのだろうか。どれもピンとこない。
やっぱり「新聞…」の質問がいちばんピッタリくるのだが、それは私が古い時代の人間だからなのだろうか。
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