石原の差別発言に対し、マヒするなと警鐘をならすコラム
私のように、ずっと石原都政を批判し続けているブログは少ないと思う。
また、石原都政及び石原慎太郎の姿勢を問うマスメディアも少ない。
そんななか、興味深い勇気ある記事にめぐりあった。
東京新聞のコラムと記事。
ポスターをはって責任をとらされた第一秘書は大手ゼネコンで幹部級待遇になっているという話も聞く。
「東京から日本を変える」、「たちあがれ」など、もうこの辺で裸の王様にピリオドを打とう。
ネットの情報で正確じゃない話を根拠に、特定した人を差別的に見下す。
こんな輩が「心の東京革命」なんてすすめてきたことを心の底から恥ずかしく思う。
ジャーナリストの斉藤貴男さんは、「差別を政治的に表現すると石原都政」と批評する。
まさしく、18日付の記事になった帰化発言は、石原慎太郎という差別まみれの政治家の本心を下劣にあらわしたもの。
腰砕けメディアに警鐘を鳴らしている東京新聞のコラムは、メディアの役割の本質とともに、読者と私たちにその発言と姿勢を許していいのかと、鋭く問いかけている。
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◇【コラム】筆洗(東京新聞2010年4月20日)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2010042002000065.html若手の論客として知られた新井将敬という政治家がいた。東大卒、旧大蔵省のキャリア官僚出身のエリートだったが、株取引での利益供与を要求した証券取引法違反容疑が浮上し、衆院が逮捕許諾の議決をする直前に自らの命を絶った▼在日韓国人として生まれ、十六歳の時に日本国籍を取得した新井氏は一九八三年に旧衆院東京2区から初出馬、落選した際に悪質な選挙妨害を受けた。選挙ポスターに「元北朝鮮人」などと書いた黒いシールを大量に張られたのだ▼それを思い出したのは、永住外国人への地方参政権付与に反対する集会で、石原慎太郎東京都知事が「(帰化した人や子孫が)国会はずいぶん多い」などと発言したからだ▼選挙区内の新井氏のポスターにせっせとシールを張って歩いたのは、同じ選挙区の現職だった石原知事の公設第一秘書らだった。「それ(帰化)で決して差別はしませんよ」と集会で知事は語ったが、彼の取り巻きが過去にしでかしたことを思い起こせば、そんな発言を誰が信じよう▼与党幹部には帰化した子孫が多いという発言の根拠はインターネットだという。そりゃあ、石原さん、いくらなんでもちょっと無責任すぎるよと言いたくなる▼あからさまな差別的発言を大きく報道したメディアは本紙だけだった。「またいつもの放言だ」と取材側がまひしているならかなり深刻だ。
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「与党は帰化した子孫多い」発言を早くから、そしてやや大きく取り上げた記事も。
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『与党は帰化した子孫多い』 石原知事
(2010年4月18日 07時06分 東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2010041890070655.html
民主党などで検討されている永住外国人への地方参政権付与をめぐり、東京都の石原慎太郎知事が十七日、都内の集会で「帰化された人、そのお子さんはいますか」と会場に呼び掛けたうえで、「与党を形成しているいくつかの政党の党首とか与党の大幹部は、調べてみると多いんですな」と発言をした。発言は、自民党を中心とした地方議員ら約五百人が参加して千代田区内で開かれた「全国地方議員緊急決起集会」の席上であった。「(帰化した人や子孫が)国会はずいぶん多い」といい、根拠を「インターネットの情報を見るとね。それぞれ検証しているんでしょうけれど」と人物は特定せずに説明し、与党にも言及した。
石原知事は「それで決して差別はしませんよ」としながらも、続けて朝鮮半島の歴史に触れ、韓国政府が清国やロシアの属国になるのを恐れて「議会を通じて日本に帰属した」として一九一〇年の日韓併合を韓国側が選んだと話し、「彼らにとって屈辱かもしれないけども、そう悪い選択をしたわけではない」などと述べた。
その上で、「ごく最近帰化された方々や子弟の人たちは、いろんな屈曲した心理があるでしょう。それはそれで否定はしません。その子弟たちが、ご先祖の心情感情を忖度(そんたく)してかどうか知らないが、とにかく、永住外国人は朝鮮系や中国系の人たちがほとんどでしょ、この人たちに参政権を与えるというのは、どういうことか」と批判した。
石原知事は、平沼赳夫衆院議員らの新党「たちあがれ日本」を支援、反民主の保守政治回帰を訴えている。
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