515、「島人」の心
大切な物をもっと深く知っていたい
5月15日。
沖縄本土復帰の日。
「普天間問題」でも、「沖縄基地問題」でもなく、
日本の基地問題をどうするのか。
毎日新聞の記事が「沖縄の心」を沖縄のリーダーに問う。
***
◇発信箱:沖縄の心=三森輝久(2010/5/11毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/opinion/hasshinbako/news/20100511ddm004070211000c.html
沖縄の心--。沖縄県民の気持ちを表す言葉として紙面にも度々登場する。139万県民の心を一つにくくる乱暴さを棚に上げて使われるのは、独立王国として栄えながら日本に侵略され、せい惨な地上戦の果てに本土から切り離されて、異民族統治下に入った島の歴史があるからだろう。この言葉の内実を、沖縄の新聞記者は歴代沖縄県知事に度々問うてきた。リーダーの解釈に、その時々の沖縄の立ち位置や沖縄人の哲学が表れる、と考えるのだ。
有名なフレーズは、衆院議員から転じて3期12年務めた故西銘順治さん。本土復帰から13年過ぎた85年、「沖縄の心とは何か」と問うた新聞記者に「ヤマトンチュー(本土人)になりたくて、なり切れない心」と答えた。本土への同質化志向と、沖縄人の自我に揺れる悲しみ。含蓄に、うなる。
95年の沖縄少女暴行事件当時、知事だった大田昌秀さんは「平和を愛する共生の心」。沖縄戦で鉄血勤皇隊として学徒動員され、地獄を目の当たりにした大田さんの半生を投影する。その大田さんを破って当選した稲嶺恵一さんは「異質な物を溶け込ませる寛容さ」。宮里藍さんや安室奈美恵さんら、スポーツ、芸能界を席巻した沖縄出身の若きスターの登場に、沖縄ブーム。西銘さんににじんだ悲哀はなく、むしろ異質であることの誇りと自信がある。
そして、現知事の仲井真弘多さん。知事就任直後の記者会見で「うーん」と頭を抱え「宿題にさせてください」。確かに難問なのだ。昨年5月の記者会見で再び問われ「3人の知事さんを足したような感じ」。地元紙コラムは「肩すかしを食わされた」と手厳しかった。期待した普天間飛行場の県外移設が頓挫した今、何と答えるだろう。5月15日は沖縄本土復帰の日。知事、また聞かれますよ。(西部報道部)
***
私たちは、「日本の心」と聞かれて、どう答えるのか。
「島人ぬ宝」。
聴きつづけて何年になるだろう。
私たちは、「対岸の火事」として、見続けていないだろうか。
「本土復帰」はいつ果たされるのか。
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基地は沖縄にあって当然だとする右寄りな人、
沖縄をイデオロギーに利用する左巻きな人、
どちらにも問題があると思います。
なぜ、沖縄に基地が必要なのか、そもそも基地は必要なのかまで掘り下げた議論をしないと。
どちらにせよ、反対派も賛成派もいるので必ずしも解決とは言えないけど、議論をつくさない多数決などは民主主義とは言えません。
いつも、いろいろな問題提起をありがとうございます。
私はどちらかというと右寄りなのですが、楽しく読ませてもらっています。
投稿: hide | 2010.05.14 16:01
このコメント、同感です。
なにか、全体(基地のあり方)も個別(普天間、沖縄)もみえないまま、
決められようとしていることに強い違和感を持ちます。
ブログやコメント欄で論争するつもりのない私は、やや左寄りのナナメ構えですが、コメントありがとうございます。
投稿: Tamy | 2010.05.15 09:48