変化はストレス だからこそ
最近ハマっているのが、精神科医・香山リカさんのコラム。
ここ数ヶ月、まわりに変化を求めるのなら、自身が変わらなければ。
なんてえらそうに思いながら、なかなか、そうはならず。
ストレス抱えて・・・。
2年半前の引越しでも、結果として通勤時間は長くなり、イライラする日々が数ヶ月続いて・・・。
コラム読んで、変化って、いろいろ引き起こすんだなって。
だから、一人で変化をしようなんて無理なんだ。
でも、変化は必要なんだ。
だからこそ、支えあい。
***
◇香山リカのココロの万華鏡:変化はストレス /東京
(2010/5/25毎日新聞東京版)
http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20100525ddlk13070339000c.html
勤務している病院の“構造改革”があり、精神科の診察室のフロアがかわることになった。私は都合で手伝えなかったのだが、ある朝、出勤すると机もパソコンもすべての移動が完了していた。診療に穴があかないように、と総力で引っ越し作業をしたスタッフのがんばりにこたえるためにも、とその日の外来診療を開始したのだが、なかなか調子が出ない。必要なものは以前通りにそろっているのに、なぜかいつもより診療に時間がかかり、患者さんたちを長時間、待たせることになってしまった。
「どうしてだろう」と首をひねっているうちに、ふと気がついた。そこにあるものはすべて同じでも、パソコンや次の人のカルテが置かれている位置が、以前とは微妙に違う。からだが覚えている場所に手を伸ばしてもそこにカルテがなく、「あ、そうか」と少し左側に腕をずらしたりしなければならない。その「からだが自然に覚えていることを、少しずつ修正する」というのが、思った以上にたいへんだったのだ。
「薬のアンチョコを取るには前より体をひねって」「パソコンはこれまでより少し奥にあるんだ」とからだの感覚をいちいち修正しながら、いつもの2倍近くの時間をかけてその日の診察は終了。当然のことながらぐったりと疲れていた。「変化はそれだけでストレスなんですよ」とよく患者さんに説明するのだが、まさにそれを身をもって体験した感じ。
引っ越し、転勤、入学などで環境が変わる4月から5月にかけてはうつ病などの心の病が増える、と言われるが、それももっともなこと。
たとえば駅から徒歩10分の職場が徒歩15分に変わっただけで、頭はそれを理解できても、からだの感覚はすぐには修正できない。
「いつもならそろそろ着くはず」と思い込んでいる足や腕は、「いや、あと5分歩いて」と命じられると戸惑い、実際よりよけいに疲労を感じてしまう。
もちろん、だからといってすべての変化を拒んでは、私たちは生きていけない。環境や状況が変わったときは、いきなりフルスピードでスタートしない、たとえ仕事量が増えていなくても「変化はストレス」と考えて十分な休養を取る、といった心がけが必要だろう。フロアの引っ越しをがんばった病院のスタッフにも本来ならゆっくり休んでもらいたいが、なかなかそうもいかずちょっと心苦しい。
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