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2010.06.29

沖縄の17歳のメッセージが心に響く 

30数年生きてきて、「感動した」なんて、もう言い尽くしてきた。

感動して、消化して、また感動を求めて・・・。

厳しい現実を知っているのに、それを放置しているとしたら。

「変えていく」という17歳の自作の詩。

何ができるのか、おとなの一人として、本土に生きる一人として、考えずにはいられない。

***
◇沖縄慰霊の日:17歳、詩に託す平和
(2010/6/24毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20100624k0000m040102000c.html

 65年前の太平洋戦争末期の沖縄戦で日本軍の組織的戦闘が終結したとされる沖縄慰霊の日の23日、沖縄県内各地で慰霊式や追悼式があった。糸満市の「ひめゆり平和祈念資料館」前では、沖縄戦で負傷兵の看護などに動員され、多くが犠牲になったひめゆり学徒隊の慰霊祭が営まれた。元学徒や同窓生、遺族ら約500人が参列し、犠牲者の冥福を祈った。【井本義親】

 糸満市摩文仁の平和祈念公園であった沖縄県主催の全戦没者追悼式には、菅直人首相や遺族ら約5500人が参列した。

 菅首相は「沖縄には米軍基地が集中し大きな負担をお願いしている。全国民を代表しておわびする。負担がアジア太平洋地域の平和と安定につながってきたことについて率直にお礼の気持ちも表させていただく」と謝罪と感謝の意を述べた。そのうえで「米軍基地にかかわる負担軽減に真剣に取り組んでいく」と強調した。米軍普天間飛行場移設には直接には言及しなかった。

 ◇「普天間」で生まれ育って感じた思い
 「基地が日常」を変えたい--。宜野湾市の県立普天間高校3年、名嘉司央里(なかしおり)さん(17)は追悼式で自作の詩「変えてゆく」を朗読した。一人一人が意識を変えれば「基地の島」を変えていけると訴えた。

 米軍普天間飛行場に隣接する同市愛知で生まれ育った。幼いころは、ヘリコプターや輸送機が上空を飛び交うのは「当たり前」の日常と思っていた。

 しかし、平和学習で沖縄戦や、不発弾の爆発など今も残る戦争の傷跡を学び、意識が変わり始めた。04年8月には近くの沖縄国際大に米軍ヘリが墜落。戦争につながる基地が家や学校のすぐ近くにある「違和感」が強くなった。

 詩を書き上げたのは、先月25日ごろ。鳩山由紀夫首相(当時)は「最低でも県外」とした自らの発言を棚に上げ、普天間の移設先を名護市辺野古で米政府と合意しようとしていた。「変えてゆくのは難しい」現実にもどかしさを感じる一方で、「私たちの世代から変えていかないと何も変えられないし、平和は願うだけでは来ない」と思い、題名を「変えてゆく」に決めた。

 初めて平和の礎(いしじ)を訪れたのは小学1年の時。「なぜこんなにたくさんの人が亡くならなければならなかったのか」。驚きと悲しみがこみ上げた。礎には出征した祖母のいとこの名前が刻まれている。平和への誓いを込めて、詩をこう結んだ。「『一度あった事は二度とない』に変えてゆこう 平和で塗りつぶしていこう その想(おも)いはきっと届いているはずだから」【斎藤良太】

 変えてゆく    沖縄県立普天間高校3年 名嘉司央里

今日もまたはじまる/いつもの日常/当たり前に食事をして/当たり前に好きなことを学んで/当たり前に安心して眠りにつく/そんな普通の一日

今日もまたはじまる/いつもの日常/当たり前に基地があって/当たり前にヘリが飛んでいて/当たり前に爆弾実験が行われている/そんな普通の一日

一見「平和」に思えるこの小さな島/そこにいつの間にか当たり前ではない/当たり前であってはならないものが/入り込んでしまっていた

普通なら受け入れられない現実を/当たり前に受け入れてしまっていた

これで本当にいいのだろうか

平凡な幸せを感じながら/ただただ「平和」を望む今/簡単にこの違和感を/無視していいのだろうか

黒いたくさんの礎/刻まれるたくさんの名前/そこで思い知る/戦争が残した傷跡の大きさ深さ/何も幸せなど生まれなかった/何も手に入れたものなど無かった/すべて失ったものばかりだった

忘れてはならない/この島であった悲しい記憶/目を背けてはならない/悲しい負の遺産/それを負から正に変えてゆく/それがこの遺産を背負い生きてゆく/私達にできること

変えてゆくのは難しい/しかし一人一人が心から/負である「戦争」を忌み嫌い/正である「平和」を深く愛する/そんな世界になれば/きっと正の連鎖がはじまるはずだ

六月二十三日 慰霊の日/あの黒いたくさんの礎には/たくさんの人々が訪れる/そして その一つ一つの名前に触れ/涙を浮かべながら語りかける

「今年も会いに来たよ」と/手を合わせ目を瞑(つぶ)り祈りを捧(ささ)げる/その訪れた人々に/「平和」を願わないものはいない

「一度あった事は二度ある」/そんな言葉を聞いたことがある/しかし こんな悲惨な出来事は/もう繰り返してはならない/だから……/「一度あった事は二度とない」に/変えてゆこう 平和で塗りつぶしていこう

その想(おも)いはきっと届いているはずだから
***

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