くらし、意識、約束、責任、沖縄、本土
この記者さんの書いたコラムを取り上げるのは、もう何回目だろう。
くらしと意識、約束、責任を、政治家に対してというより、
私たち「本土」の一人ひとりに問うている。
私たちはどう感じ、考え、判断し、
さあ、選挙で「民意」がどう示されるのか。
***
◇発信箱:暮らしと意識=三森輝久(西部報道部)
(2010/7/6毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/opinion/hasshinbako/news/20100706k0000m070099000c.html
5年間過ごした那覇には騒音がつきものの米軍飛行場はない。暮らしは基地の危険と隣り合わせとまでは言えないが、それでも時々、大型輸送機やジェット戦闘機の金属音は響く。近づく飛行音がごう音になると「ひょっとすると墜落するんじゃ」と身がすくんだ。週末の夜には度々、奇声を発する米兵たちを見た。
福岡に引っ越して3カ月が過ぎた。基地とは無縁の日常。転勤後、普天間飛行場移設は目まぐるしく動いたが、それでも日に日に、意識のうえでも沖縄が遠くなるのが自分でもわかる。どういうわけだか、最寄りの駅まで歩く出勤途中の街の静けさに、遠のく沖縄を思う。だから時々、沖縄の知人に電話する。
「棄権する人が多いんじゃない」。同年代の那覇市の女性は言った。参院選の選挙ムードが一向に盛り上がらないのだそうだ。昨夏の衆院選。県内4選挙区ではいずれも辺野古移設に反対した民主公認、民主推薦の候補が当選している。「1票1票の積み重ねで普天間を動かしたはずだったのに、何にも反映されないんだから、失望が大きいのは当たり前」。参院選の沖縄選挙区には普天間を辺野古移設に戻した民主が候補を立てず、かつては県内移設を容認した自民候補も今や「県外」。基地を巡る対立軸はない。
別の知人は地元のラジオで流れた話を教えてくれた。
<沖縄の人が右手に重い荷物を持っていた。一緒に歩く本土の人に「ちょっと持ってくれない?」。本土の人は答えた。「何で? 左手で持てばいいじゃない」。一緒に持ってはくれなかった>
パーソナリティーは普天間移設をそんなふうに例えたという。「うまい表現だって思った」。知人は言った。
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