置き去りの沖縄、権利をすてた人たちの思いは
参議院選挙で置き去りにされたのは、沖縄だと思う。
民主党は結局、候補を立てられず。
県連代表で、「花」が代表曲の喜納さんは比例代表で落選した。
沖縄選挙区で当選した自民党候補も県内移設反対を掲げて。
社民党推薦候補と共産党推薦候補の得票の合計は、自民党候補をこえた。
沖縄選挙区の投票率の低下、「棄権」の増加を私たちは重く受け止めるべきだ。
特に、テレビメディアが黙殺するこの状況が結果として、基地関連の反対集会での高校生の演説など絵になる映像だけを取り上げてきた、またそれをみてきた感動の消化でしかないとすれば、本当に情けない。
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◇発信箱:不信の明細書=三森輝久(西部報道部)
(2010/7/13毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/opinion/hasshinbako/news/20100713k0000m070128000c.html
参院選の結果にみられた民主党への失望が象徴的に表れたのが、沖縄ではないだろうか。沖縄選挙区の投票率は52.44%で、全国最低。前回07年の60.32%から7.88ポイントも落ちて、沖縄の参院選で過去最低だった。政権交代、つまり世変わりを期待した沖縄の人たちが民主党に「裏切られた」と感じているのは、県内移設にUターンした普天間飛行場移設だけではないと思う。失望は、普天間以前にもあった。高校の歴史教科書検定だ。
太平洋戦争末期の沖縄戦で起きた「集団自決」に、日本軍の強制があったとする趣旨の記述に検定意見が付き、教科書会社が削除した。沖縄では、日本軍による住民虐殺や食糧強奪、壕(ごう)からの住民追い出しといった沖縄戦の特徴を否定する「歴史の歪曲(わいきょく)」と受け取られた。噴き出した怒りは、検定結果に抗議する超党派の県民大会へとつながった。3年前のことだ。中央の決定に対する党派を超えた異議申し立ての構図は、普天間と同じだ。
教科書検定の県民大会に民主党から出席したのが現首相の菅直人氏。地元紙琉球新報は当時、菅氏のこんな言葉を掲載している。「歴史的意義がある大会だ。代表質問、予算委で正面から取り上げ、検定やり直しを求める。国会決議も視野に入れていく」。だが、政権を取った民主党は検定のやり直しに動かなかった。
政権奪取前と後で、言うこととやることが違う図式。そして、どうして言行不一致に終わったのか、わかりやすい説明が一切なく、ほおかむりを続ける姿も普天間と同じだ。
政治に妥協はつきものだろう。だからといって、針路変更の説明を欠いては不信が募るばかりではないか。
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