牛丼値下げ競争の裏側で
牛丼値下げ競争が続いている。
全国に1300以上の店舗を展開する「すき家」は、24日から期間限定で250円に値下げするという。
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◇牛丼値下げ、すき家「並」250円…松屋追随か
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20100922-OYT1T00829.htm
牛丼チェーン「すき家」を展開するゼンショーは22日、24日から10月3日までの期間限定で、牛丼の並盛り価格を通常の280円から250円に値下げすると発表した。
「松屋」の松屋フーズも、10月に1週間程度の値下げを検討している。
「吉野家」の吉野家ホールディングスは9月7日に発売した「牛鍋丼」(並盛り280円)が販売好調で、値下げ競争には加わらない考えだ。
8月までの牛丼大手3社の売上高(既存店ベース)を見ると、値下げキャンペーンを繰り返している「すき家」が7か月連続、「松屋」が5か月連続で前年を上回った。一方、値下げに慎重な「吉野家」は18か月連続で前年を下回っている。
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デフレの象徴。
しかし、その裏で何が起きてきたか。
経過については下記サイトの「すき家で働くみなさんへ」を参照されたい。
首都圏青年ユニオン
http://www.seinen-u.org/
ルールを守らない上で競争を続ける「すき家」は厳しく批判されるべきだ。
情けないと思わざるを得ないのは、このようなニュースに、直接かかわっていない労働組合関係者も疎いということ。
労働組合関係者でありながら、関係者なかまで「団体交渉にも応じてないんだよ」ぐらい言えなくて、牛丼パクついてていいの?
私は「すき家」には行くべきではないと考えるし、せめて牛丼値下げの話題が出たときには、単品でなく、このニュースをセットにしてほしい。
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◇すき家のゼンショー、残業代不払い認める 団交は応じず
(2010/9/8asahi.com)
http://www.asahi.com/job/news/TKY201009080380.html
牛丼チェーン「すき家」を展開するゼンショー(東京)のアルバイト店員が残業代の支払いを求めていた裁判が、原告の主張を会社側が全面的に認め決着した。だが、会社は店員と「雇用契約がない」との主張を変えておらず、店員が加入する労働組合との団体交渉には応じていない。
訴えていたのは、仙台市の店舗で働く福岡淳子さん(43)ら3人。残業代の割り増し分約100万円の支払いを求めて2008年に東京地裁に提訴していた。争う姿勢だった会社側は8月下旬、原告の主張を全面的に認めた。
福岡さんは00年にアルバイトとして入社し、調理、接客、事務などを担当していた。深夜や休日も働いていたにもかかわらず、支払われていないとして、05年10月から06年10月までの割り増し分などを請求した。
8日に会見した福岡さんは「裁判の結果は大変うれしい。だが、会社は団交のテーブルにつかない。従業員が安心して働ける環境にはほど遠い」と話した。
福岡さんは07年に首都圏青年ユニオンに加入。会社側が残業代の支払いについて団体交渉に応じないため、東京都労働委員会に申し立てた。会社は「(3人とは)労働契約ではなく、請負契約に類似した業務委託」などと主張して応じなかったため、民事裁判を起こした。
東京都労委は09年、同社に団体交渉に応じるよう命令。会社側は不服申し立てをしたが、中央労働委員会は今年7月棄却した。ところが、会社側は「使用従属関係を有さず、(中略)労働条件等処遇について決定しうる権限を有しない」と従来の姿勢のままだという。
ユニオンの河添誠書記長は「アルバイトだからといって労働者の権利が損なわれてはならない。今回の勝利はアルバイトとして働くすべての人を励ますものだ」と評価。一方で「労働委員会の命令を無視して団体交渉に応じないのは法律違反だ。大企業として許されない」と批判する。
ゼンショーの広報担当者は「コメントは差し控えたい」としている。
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大手でも当たり前のように行われているサービス残業・・・・
もっと労働審判制度が浸透することを願います。
投稿: 労働審判.com | 2010.09.24 08:47