保育の基準を自治体に? 屋根の上に屋根?
ここ数日の報道に驚いている。10月25日の報道ステーションの偏向には特に。
ほかにもある。
琉球新報は社説で、『例えば保育所の居室面積基準や保育所に対する給食の外部搬入規制、保育士の配置人数基準などの「緩和」は、地域の実情に合わせて地方自治体が責任を持って判断すればいい内容だ。むしろ国が権限を握るのは「屋上屋を架す」ようなものだ』とした。
◇知事会特区提案 「主権」を奪い取る気概で
(2010/10/26琉球新報社説)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-169242-storytopic-11.html
長野の有力紙、信濃毎日新聞もそれに近い。
◇特区共同提案 地域主権を前進させよ
(2010/10/26信濃毎日新聞社説)
http://www.shinmai.co.jp/news/20101026/KT101025ETI090003000022.htm
「屋上屋を架す」(おくじょうおくをかす)とは、屋根の上にさらに屋根をかけるということ、ムダという意味。
その特区構想の中心の橋下大阪府知事は「徹底抗戦」の姿勢を示しているという。
私は、国としてせめてこれだけはと保障する責任を否定することは許せない。
責任を持たない、切り下げるという判断を自治体として行う危険性があるからこその国のセーフティーネットではないのか。
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◇府の保育特区:30の都道県が賛同 知事、国規制撤廃へ徹底抗戦の姿勢
(2010/10/26毎日新聞大阪版)
http://mainichi.jp/area/osaka/news/20101026ddlk27010385000c.html
保育所に関する面積要件などの最低基準について、国の規制を解消する特区申請を府が発案したところ、約30の都道県が賛同したことが分かった。国が法令で地方の業務を制限する「義務付け・枠付け」の撤廃に向け、全国知事会が進める「全国一斉の特区申請」の一環。橋下徹知事は25日、府庁内で「保育所問題は義務付け・枠付けの『本丸』。国の基準に合理的根拠はない」と述べ、徹底抗戦の姿勢を示した。保育所の設置は、国が「保育室の面積は幼児1人当たり1・98平方メートル以上」などの細かい最低基準を設けており、待機児童問題の一因との指摘もある。今回の特区申請は、基準を定める権限の市町村への移譲などを求めている。
橋下知事は、国の直轄事業負担金を「ぼったくり」と批判し、議論を喚起した経験から「保育所の面積要件も一点突破だ」と表明。さらに、自宅保育の「保育ママ事業」に関する府の特区申請(却下)を受け、これまで保育の専用部屋を求めてきた国が、家具がある居間などの部屋も保育室として使用できるとの新たな指針を示したことを、橋下知事は事実上の面積要件の緩和と解釈。「国の数字に合理的根拠はない。厚労省はぐらついている」と攻め立てた。
全国一斉の特区申請は7月の全国知事会で橋下知事が提案し、各知事が次々に賛同。現在、保育や介護、下水道など約20案件に絞り込みが進んでおり、11月にも国に申請する。【田辺一城
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あまりにバランスが悪いので、
検討されている保育・子育て新システム案の問題点にもふれた、下記記事も添えておきたい。
◇幼稚園と保育園の統合計画(2010/10/26読売新聞夕刊)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/trend/ansin/20101026-OYT8T00770.htm
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