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2010.11.10

もう年なんで

仕事をして12年を迎えていく。

特にこの3年は疲労がたまっている。

さらにこの1年は・・・。

衰えも感じる。

香山リカさんのこのコラムを読んで、こんな歳の重ね方がしたいと思えた。

完璧が求められる緊張感にある社会。

ダメなところを見せる人は追いていかれがち。

ほんとはみんなダメな部分があるのに。

隠して、気取って、疲れて・・・。

それでは、信頼できないし、心を開けない。

ダメでもいい、そう思いたい。

***
◇香山リカのココロの万華鏡:衰えをさらけ出す /東京
(2010/11/9毎日新聞東京版)
http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20101109ddlk13070214000c.html

 先日、同世代の精神科医としみじみ、「年を取ってラクになった」という話をした。

 20代の頃(ころ)は、クスリの名前や用量が書かれたアンチョコを見るにも、患者さんにバレないように、と気をつかったものだ。なんだ、この医者、クスリの使い方ひとつ満足に覚えてないのか、と思われたくなかったからだ。それが、50歳ともなるとどうだろう。患者さんの前で平気でアンチョコを開き、「えーと、これは朝夕25ミリグラムずつか」と堂々と確認できるようになった……。

 つまり、「わからない」ということをあけっぴろげに患者さんに見せられるようになったのだ。私の場合は、さらにひどい。老眼でアンチョコの活字もよく見えないので、患者さんに「すみません、ここに何て書いてありますか」と読みあげてもらうこともあるのだ。

 さらに、いま診察室で使っているパソコンには、『今日の治療指針』というありとあらゆる疾患の治療についてコンパクトに書いた本のデータベースが入っている。これさえあれば、鬼に金棒。患者さんが「五十肩になったみたいなんですが、漢方で治りませんか」と言った場合は、「五十肩、つまり肩関節周囲炎ですね。ちょっと見てみましょうか」とデータベースにアクセスして検索、あとは「何て書いてあります?」と患者さんに治療法のところを読んでもらって、「じゃ、そのクスリを出してみましょうか」と処方する。

 これぞ、まさに患者さんが主体的に治療に参加する医療、とうそぶいているのだが、中には「私は医者に診療してもらっているのか、データベースに診てもらっているだけなのか」とあきれている人もいるのではないだろうか。

 こんなマネも、もちろん若い時代にはできなかった。知らない病名も「ああ、あれ」と知ってるフリをしたことも。見栄(みえ)を張りたかったのだが、それだけ自分に自信がなかった証拠でもある。今は、「私じゃなきゃできないこともあるし」という医者としてのささやかな自負があるからこそ、多少のダメっぷりも見せられるようになったのかもしれない。

 世の中の人たちはどうなのだろう。年を重ねれば重ねるほど、「ダメな私」をさらけ出し、見栄を張らずに他人に頼れるようになっているのか。実際には逆に、年齢が上がるほどムリをし、弱みを見せられないようになる人のほうが多い気もする。だまされたと思って、「私はもう年なんで」と衰えを大げさにアピールし、若い人を頼ってみてほしいと思う。きっと気持ちがずいぶんラクになるはずだから。

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