パワーがもらえる?
占いはお遊び程度でしか信じていないし、
血液型性格もあたっていないと思っている私。
下記のパワーもあまり関心がなく、むしろ疑ってばかり。
ただ、スポットに出かけるような、きっかけは大切だとは思う。
でも、ホントにパワーをくれるのは身近な人、言葉、姿勢。
そのなかで、がんばれている自分を確認することではないかと思う。
「なんでも人頼み」もだめだけれど。
好意の返報性こそ、パワーに。
そううまくはいかない時代だから、「パワースポット頼み」「神頼み」になってしまうんだろうけれど。
***
◇香山リカのココロの万華鏡:なんでも神頼み /東京
(2010/11/16毎日新聞東京版)
http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20101116ddlk13070268000c.html学生たちと、旅行について雑談していたときのこと。
「先生、次に旅行するならどこに行きたい?」ときかれて「イタリアに行ってみたいんだよね」と答え、同じ質問を返した。すると、そこにいた数人は口ぐちにこう言ったのだ。「私、パワースポット」「あ、僕もパワースポットがいいな、就活も始まるし」
言うまでもないが、「パワースポット」とはそこを訪れる人に活力を与え運勢をアップする力がある、と信じられている場所のこと。神社仏閣や史跡の場合もあれば、森や山などの自然の中がそうとされる場合もある。つまり、ただの旅ではなくて、ご利益つきの旅がしたい、ということなのだろう。
ある学生は「富士山が日本一のパワースポット」と聞いて、ふだん運動もしないのにこの秋、富士山登山に出かけて「死ぬ目にあった」と話した。「で、パワーはもらえたわけ?」「下山してから、足がつってたいへんだっただけでした……でも、山登りじたいは楽しかったですよ」。ご利益がなかったとしても、旅行者は「旅として楽しかったから」と納得してくれるようだ。なかなかうまくできている。
それから、学生たちの話は「パワーの出る食材」「金運がどんどんアップする財布」など、ほかの「パワー」の話題に移っていった。若い彼らなのだから、いくらでも自分の力で道を切り開いて行けそうなものだが、頼れるものにはなんでも頼りたい、ということなのだろうか。その徹底的な「他力本願」ぶりに、かえってすがすがしさを感じてしまった。
とはいえ、気になるのは「ホント?」「なぜ?」と疑う姿勢がほとんどない、ということ。「あの湖に行くと必ず恋人ができるんだって」と言われて「その根拠は?」と尋ねるのもヤボかもしれないが、「マジ? 絶対、行こうっと」ではあまりに素直すぎる。
「このクスリ、やせるって」「このツボ、百万だけど病気が治るって」といった言葉も信じてしまう危険性だってある。
就職も結婚もむずかしいこの時代、若者たちが「パワーがもらえる」「運気がアップする」といったフレーズについすがりたくなる気持ちも、わからないでもない。とはいえ、なんでも神頼み、パワースポット頼みでは、ちょっと情けない。それとも、「行きたい場所? ないよ」と言われるよりは、富士山やなんとか神社といった場所まで移動する元気があるだけまだよい、と受け取るべきなのか。あれこれ考えるだけで、こちらのパワーが失われる気がした。
***
一方で、真逆といってもいいとらえ方も。
同じ毎日新聞のコラムで。長野県の戸隠が人気とか。
感じ方、人それぞれですね。
◇ピーピングしのすけのふしあなから世間:パワースポット=立川志の輔 /東京
(2010/11/19毎日新聞地方版)毎年続けて、今年で16年目になる落語会の会場、戸隠に行ってまいりました。
以前とは比べ物にならない観光客の多さにびっくりしました。
そうです、もうお気づきの方もいることでしょう、女性週刊誌やテレビでも紹介されている「パワースポット」効果です。
たしかに、そんな言葉を知らないときから、杉の大木の居並ぶ戸隠に短期間でも滞在すると命の洗濯ができたような気分になっていました。
新蕎麦(そば)も実においしく、これが楽しみで独演会を続けているようなものです。
先日、遠くへ行かずとも近くにパワースポットを発見。山瀬まみちゃんの番組にゲストで呼んでもらい、ロケで北区にある王子稲荷に行ったのです。「王子の狐」という落語があるくらいですから、昔から庶民の信仰が厚かった場所なのでしょう。
敷地はそんなに広くないのですが、王子稲荷は関東すべての稲荷神社の総元締めなのだそうです。
参拝のあと、神殿の裏に回ると「お石様」という立て札がありました。江戸時代から伝わる「願掛け石」があり、願い事をしながらこの石を持ち上げたときに、「軽い」と感じたなら願いが早くかない、「重い」と感じたなら願いがかなうのに時間がかかるという伝説。
最初にまみちゃんが持ち上げました。
苦しげに持ち上げようとしますが、石はびくともしません。
「いったい、どんな願い事をしたの?」と聞くと「石が持ち上がらなかったらいやだから、かなわなくてもいいように、明日二日酔いになりませんように、という軽い願いにしておいた」だって。視聴者を喜ばせることを知ってる人です。
さて、私も気合を入れて石に取り組みました。なんと、これが簡単に持ち上がる。
「えっ! 軽いじゃない」
「そうですか? みんな持ち上げてみましたけど、なかなか持ち上がりませんでしたよ」とスタッフ。
そんなことはないだろうとしゃべりながら再度挑戦。今度はまったくびくともしません。何度やっても重いのなんの。
最初は、願い事をするのも忘れるくらい集中してたので軽かったみたい。
「火事場の馬鹿力」じゃないけれど、要は気合なんですね、きっと。パワーをもらったと信じればほんとにパワーがみなぎる、そういうもんなんです、人間は。それにしてもパワースポットとはいいネーミング。おまいりに行こうと誘われるよりパワースポットへ行かない?と誘われる方がその気になる現代人。
こりゃ、今年の流行語大賞は、パワースポットでもいいんじゃないかな。
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