急がばまわれ
ここ数日、時間的にというよりも、精神的にクタクタだった。
喜ぶべきニュースが流れてこないで、その逆ばかり。
首が回らず。。。
「急がばまわれ」の心持ち、いいなぁ。
***
◇香山リカのココロの万華鏡:急がばまわれ /東京
(2010/11/2毎日新聞東京版)
http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20101102ddlk13070239000c.html
暑い夏が終わったと思ったら、いきなり冬のような冷気や台風。そして、はっと気づくともう年末まで2カ月を切った。「いったい今年は何だったの」と思っているのは、私ばかりではないだろう。
診察室にいると、夏真っ盛りのときより、最近になって「調子が悪くて」と訴える人が増えているように感じる。
「夏の疲れが一気に出た」ということなのか、それとも四季のリズムがおかしくなってからだもこころもバランスを崩しているのだろうか。
世の中に明るい材料がほとんどない、というのも大きいように思う。景気、雇用、医療や福祉、子育てに介護に年金。「この分野だけは期待できる」という材料が、世の中を見わたしてもほとんどない。それに異常気象となれば、不安を感じるな、というほうが無理かもしれない。
では、こういう状況の中、少しでもこころの健康を保つには、どうすればよいのか。
まずは、なんといっても「あわてない、あせらない、よく休む」ということだ。まわりがガタガタしても、「どうしよう」とあわてない。「このままじゃいけない、なんとかしなきゃ」とあせって動こうとしない。そして、仕事や家事をしたらその分、必ず休養を取る。とにかくこういうときは、無理にテンションを上げたりせずに、じたばたしないのが消耗を防ぐコツだと思う。
「こういう時期だからこそなんとかしなきゃ」と言う人に、「いや、こういう時期だからこそ、何もしないで様子見でいいんじゃないですか」と返すと、ちょっと驚かれることがある。
しかし、結局は調子が悪いときのいちばんのクスリは、「マイペースでゆっくりすること」なのではないか、と思うのだ。
とくに今年は、日本に住む人誰もが異常気象で疲れきっている。本来ならこの11月は、全員に3週間程度の特別休暇が与えられていいはずだ。
そうしたら、みんな元気を取り戻し、そのあとは会社や家庭で本来の働きもできるようになるはず……。
だが、そんなことを口走っても誰もきいてくれそうにない。「3週間の休暇? 冗談も休み休み言え」などと怒られそうだ。だとしたら、ここはみんなが自分で自分の主治医となり、「まあ、週末は少しゆっくりしてみますか」などとアドバイスする、というのはどうだろう。難局であればあるほど、「ゆっくりする」という処方せんは効果がある。
「急がばまわれ」というのは本当なのだ。
***
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