サンタクロースがランドセルとキッチンセットを
サンタクロース、ホントにいたんだね。
群馬・前橋の児童相談所に、新品のランドセルが10個。
25日の昼前に出勤した職員が、真っ赤な包装でツリー状に積み上げられたプレゼントを発見して。
アニメ「タイガーマスク」を地でいく厚意として、全国的に報道された、あたたかい話。
子ども手当に揺れた1年。現物支給の大切さも考えさせられるのでは?
また、「子どもの貧困」とも向き合わなければ。
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◇児童相談所にランドセルのクリスマスプレゼント タイガーマスクより
(2010/12/28毎日新聞群馬版)
http://mainichi.jp/select/wadai/horidashi/news/20101228mog00m040025000c.html
県は27日、クリスマスの25日朝、前橋市野中町の県中央児童相談所の玄関前に新品のランドセル10個(計30万円相当)が置かれていたと発表した。「子供たちのために使って下さい」とのメッセージが添えられ、差出人として、プロレスで稼いだ金を孤児院に寄付したアニメ「タイガーマスク」の主人公と同じ名前が書かれていた。同相談所によると、ランドセルは25日正午ごろ、休日出勤した職員が発見。赤と黒各5個が一つずつ真っ赤な包装紙にくるまれ、ツリーのような形に積まれていた。
県子育て支援課によると、県内の6児童養護施設に入所する18歳までの子どもは計369人(15日現在)。来年小学校に入学する児童のために役立てるという。同相談所の松場敬一次長は「サンタクロースが来たかのようだ。驚いた」と話した。
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サンタは、静岡の保育園にもやってきた。
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◇静岡の保育園に“サンタ”が来た~ 差出人不明でキッチンセット2つ届く
(2010/12/29中日新聞 静岡版)
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20101229/CK2010122902000125.htmlクリスマスの25日朝、静岡市駿河区の市立東新田保育園の玄関前に、おままごとキッチンセット2つが置いてあるのが見つかった。差出人不明の手紙が添えられ、便箋に「すばらしい先生方と元気いっぱいの子供たちに メリークリスマス」のメッセージが。善意のサンタからの心温まるプレゼントに、園児や職員は感激に浸っていた。
25日午前6時半ごろ、出勤した女性職員がプレゼントに気付いた。赤いリボンが結ばれ、赤地に白い水玉模様の封筒が差し込んであったという。
手紙の文面には、自身の子どもたちが卒園者であること、そのうちの一人が20歳を迎え、保育士を目指し勉強中であることなどがつづられていた。
キッチンセットは木製で、一つは高さ約1メートル、幅約60センチ。一方は高さ約90センチ、幅約60センチ。
関本三枝子園長が早速「サンタさんからプレゼントがありました」と報告すると、園児らは「サンタさんが園に来てくれた!」と大喜びだったという。関本園長は「贈り主は卒園者の親御さんでしょう。本当に感謝の気持ちでいっぱい」と話していた。
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◇「サンタさん、ありがとう」 保育園に匿名の贈り物
(2010/12/29静岡新聞)
http://www.shizushin.com/news/social/shizuoka/20101229000000000029.htm
「サンタさんは誰なの」―。静岡市立東新田保育園の入り口に25日早朝、木製のおもちゃのキッチン2台が置かれているのが見つかった。思いがけないクリスマスプレゼントに園児は大喜びしている。1台が高さ1メートル、幅60センチ、奥行き35センチほどもある大きなおもちゃで、子どもがキッチンに立ったつもりで遊べる。新品で1台9万円近くする高価な品物という。
匿名の手紙が添えられ、「子どもたちが以前大変お世話になりました」と感謝の言葉があり、20歳の娘が保育士を目指していることもつづられていた。同園は「卒園生の保護者からではないか」と話している。
しばらく施設内に展示して保護者に紹介し、新年から使用する予定という。関本三枝子園長は「40年近く保育の仕事をしていてこんな経験は初めて。うれしい驚きです」と話した。
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別の報道によれば、1月4日からこのキッチンセットは実際に園内で活用されるという。
気にかけたいのは、発見した職員は朝の6時半には出勤しているということ。25日は土曜日で、その早朝の出勤。
保育を支える舞台裏に、目を、心を、そして予算と人手を。
今年は新政権が保育園の給食をめぐって、自園の調理室で調理せず、外部から搬入することもかまわないとする決定を下した(今回は3歳児以上)ということも忘れてはいけない。
それをうけて実施されたという事例は知らないが、サンタがキッチンセットを2つもプレゼントしたということは、自園調理をということが前提。
手のこんだ、心のこもったプレゼント。6時半前には届けた、早起きか寝てないサンタの。
折りしも、WFP(国連世界食糧計画http://www.wfp.or.jp/)は、今年10月のプレスリリースで、日本の給食制度を「地域の農家の生産物を使って、子どもたちに栄養価の高い給食を提供している素晴らしいモデル」であり、「地産地消」の取り組みは、他国のお手本になると賞賛した。保育所給食に限定したわけではないけれど。
私たちがおろそかにしつつある、大切なものに気づかせるサンタクロースのプレゼントではないだろうか。
さあ、この年の瀬、サンタが来た人、そうでない人、さまざま。
また、あたたかい食卓を囲む人、そうでない人、さらに厳しい人も。
「お笑いの・・・」「ウケタ話が・・・」もいいけれど、話題が冷めたら・・・。
「こんな話があってね・・・」と考え合う、人から人へさらに伝え合いたくなるものを、食卓で、職場で、巷(ちまた)で。
話題が冷めても何かが残るはず。
そして、私たちは何を残して、何をつくっていくのかな。
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