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2010.12.07

チキンの季節

チキンの季節を迎えていく。

政治は、チキンレースの様相だ。

チキンレース。

辞書「大辞泉」によれば、「相手の車や障害物に向かい合って、衝突寸前まで車を走らせ、先によけたほうを臆病者とするレース」。

下記のコラムの指摘にやはり絶望さえ感じつつある私。

一方で、政治をあきらめたときに、社会に何が残るのか、主権者としての権利を棄(す)てることになり、「国民主権」でなくなるという危機感も募るばかりだ。

◇民主党と自民党が繰り広げる「チキンレース」と国民の絶望
(2010/12/6毎日新聞)
http://mainichi.jp/life/money/kabu/eco/tohonseiso/news/20101203org00m020040000c.html
 ◇与良正男(よら・まさお=毎日新聞論説副委員長)
 1つ1つの政策案件を野党と十分協議を重ねて成案を得る……。菅直人首相が掲げた「熟議の国会」という言葉がむなしく響く。

 臨時国会が閉会した。補正予算はどうにか成立したものの、労働者派遣法案や政治主導確立法案、地球温暖化対策基本法案、郵政改革法案などはほとんどたなざらし。逆に仙谷由人官房長官と馬淵澄夫国土交通相の問責決議は参院で可決され、政権はさらなる重荷を背負った。

 衆院での内閣不信任案と違い、確かに参院での問責決議案には法的拘束力はない。このため、菅首相は仙谷氏らを更迭するつもりはないようだが、自民党は決議可決を受け、仙谷、馬淵両氏が辞任しない場合は年明けの通常国会では冒頭から審議拒否する構えでいる。

 審議拒否戦術には最近、国民の批判も強い。しかし、自民党も引き下がれないということだろう。どちらが先に音を上げるか。先が見えないチキンレースが始まった。

 ◇繰り返される失態
 不安定な日中関係と北朝鮮の砲撃事件という危機的状況を前にして、国会が何も動かない、決まらないという事態は異常というほかない。

 改めて振り返ってみたい。

 臨時国会の召集は10月1日。菅政権のつまずきは、その1週間前の9月25日、尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件で逮捕・送検した中国漁船船長を那覇地検が処分保留で釈放したことから始まったといっていい。

 釈放した判断と責任を、菅首相や仙谷氏らが検察当局に押しつけて批判を浴びているうちに、10月4日、小沢一郎民主党元代表の資金管理団体をめぐる政治資金規正法違反事件で、東京第5検察審査会が2回目の審査で小沢氏を「起訴すべきだ」と議決し、再び小沢氏の国会招致問題にも火がついた。ところが、岡田克也幹事長が小沢氏と会うことさえ手間取り、結局、臨時国会でも国会招致は先送りとなった。

 そんな中で尖閣ビデオの流出事件が起き、果ては柳田稔前法相の「答弁は2つ」発言だ。柳田氏は辞任したものの、菅首相らの対応は遅れ、内閣支持率のさらなる下落を招いたうえに仙谷氏らへの問責決議可決も食い止めることができなかった。

 普天間移設問題が最大の争点となった11月28日の沖縄県知事選では現職の仲井真弘多氏が再選された。仲井真氏は政府との対話は継続するとみられるが、選挙では県外移設要求を掲げてきた。鳩山由紀夫前首相の退陣後、「日米合意の履行を」と繰り返すだけで、何ら手をつけてこなかった菅首相だが、普天間問題も再び政権の重い課題となるだろう。

 こうして見ると、いずれの失態も共通点があることが分かる。難問が起きた時の危機意識の乏しさ、しかも後手に回った揚げ句、それに対して責任を取ろうとせず、先送りしようとする政権の体質である。それが自らを窮地に追い込んでいったといっていい。

 不謹慎な言い方だが、通常、「危機」の状況というのは政権側に追い風となるものだ。

 かつて1995年1月、阪神大震災が発生した直後、当時の村山富市首相(自民、社会、新党さきがけ政権)に対し、時の野党第1党、新進党が国会で予定されていた代表質問を延期し、政府は震災対策に専念するよう申し入れたことがあった。村山氏の足元、旧社会党内で進んでいた新党結成をにらんだ党分裂の動きも震災を機に止まった。いずれも「政争などしている場合ではない」という意識が働いたからだ。

 今回も11月23日に起きた北朝鮮の砲撃事件で、菅政権への風向きが変わるかもしれないという見方もなくはなかった。

 ところが、岡崎トミ子国家公安委員長が発生の一報を受けた後も警察庁に登庁せず、議員宿舎にいたことが発覚した。しかも野党からの批判に対し、「いつでも官邸、警察庁に行ける所で待機していた」とニコニコ顔で答弁し、その場面が何度もテレビで流される。これまた柳田発言の時と同様の大失態となった。

 危機を前に政権が引き締まるどころか、多くの国民は「この政権に任せていて大丈夫だろうか」とますます背筋が寒くなったに違いない。

 ◇現実味帯びる「3月危機説」
 さて、現象だけから見れば末期的症状を呈している菅政権の今後の行方である。

 危機管理の要というより内閣そのものの要である仙谷氏を、菅首相は当面、辞任させるわけにはいかない。2011年の通常国会冒頭から国会審議がストップする状態になることを想定し、10年末の11年度予算案決定直後に仙谷氏を含め大幅に内閣改造すべきだという声も民主党内にはある。

 しかし、内閣改造で菅政権の支持率が大幅に上がり、求心力が回復するようには思えない。菅首相の行き詰まりを見越したかのように、小沢氏が新人議員らと会合を重ねている。内閣改造は党分裂の引き金になる恐れがあるから、やすやすとは踏み切れない。

 11年度予算案は成立しても、関連法案は参院で否決され、政権はにっちもさっちもいかなくなる。菅首相は退陣か、衆院解散・総選挙か。かねて語られる「3月危機説」が現実味を帯びてきたといえるだろう。

 ただし、一方の自民党の腰が座っているようにも思えない。臨時国会で閣僚2人の問責決議は可決したが、補正予算の成立は容認した。予算成立を阻んだ場合、批判は自民党にも強まると懸念したのだろう。「もはや民主党には任せられない。自民党に直ちに政権を返せ」と強くアピールするなら分かるが、衆院で内閣不信任案を提出しなかった。それは自民党が直ちに解散・総選挙に臨む覚悟は、まだないことを示している。

 先の『毎日新聞』世論調査では、民主党に対する政党支持率は20%に落ち込んだが、自民党も上向いてきたとはいえ18%に過ぎず、衆院選の準備も進んでいるようには見えない。先に記したように、年明けの通常国会で自民党が他の公明党など野党を巻き込んで審議拒否に突入するかどうかは、世論次第だ。

 つまり、今後、展開される菅政権と自民党とのチキンレースは、弱い者同士が、どっちが臆病者かを競う我慢比べなのである。果たして国民はそれを望んでいるだろうか。

 政治不信どころか、「政治絶望」になる事態を私は恐れる。

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