楽天・渡辺直人トレード、涙のその先にある光にむかって
昨季メジャーリーグで不振にあえいだ松井稼と岩村をチーム強化の要として「逆輸入」することになったプロ野球・楽天ゴールデンイーグルス。
エース岩隈のポスティングシステムによるメジャー入りは、相手球団と代理人を含む岩隈側の戦略がかみあわず、急きょ断念。
ポスティングで数億円の強化資金を得るはずだった楽天球団としては予想外の展開に。
その影響をもろにうけ、戦力面・人件費の2点から放り出されることになったのが渡辺直人。
契約更改を終え、選手会副会長にも決まっていたにもかかわらず、
この余波をうけて、選手間でない、金銭トレードで横浜入りが発表された。
入団一年目から4年間、俊足のショートとして活躍してきた主力選手。
その後の元チームメイトの「涙」からも人望の厚さがうかがえる。
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◇鉄平、草野、嶋が悔し涙!渡辺直金銭トレードに星野楽天動揺
(2010/12/11スポーツ報知)
http://hochi.yomiuri.co.jp/baseball/npb/news/20101210-OHT1T00239.htm楽天の契約更改の場で10日、前代未聞の号泣3連発があった。渡辺直人内野手(30)の横浜への金銭トレード決定から一夜明け、鉄平外野手(27)が球団に経緯の説明を要求。「一番尊敬する先輩でした…。僕も(プロ野球の世界に)10年もいるから、こういう世界だというのは分かっている。でもこういう形で別れるとは思っていなかったので、とても悔しい…」。会見で涙を浮かべた。
異例の契約更改となった。お金は二の次。「自分の話はしてません。うんともすんとも言わずに判を押しました。その(移籍の)話をする気しかなかったですから。だいたい事情も分かってましたけど、説明してほしかった」。チームトップの打率3割1分8厘ながら、1000万円増の年俸1億3000万円でサイン。その後は約1時間、球団に金銭トレードの経緯説明を求めた。
鉄平自身は05年オフに中日から金銭トレードで楽天に加わった。06年のドラフトで渡辺が入ってきた。「楽天に来た頃は、自分さえ良ければいいと思っていた。でもナオ(渡辺)さんが野球の技術だけでなくて、人間的なところを教えてくれた。ナオさんがよく言う『感謝の気持ち』。周りに支えてもらって今の自分がいるんで」。人として成長し、選手としても昨年に首位打者(打率3割2分7厘)に輝くほどになった。普段から「師匠」と呼ぶ渡辺とは昨夜(9日)、2人きりで食事してあらためて感謝した。
陽気に会見場に現れた草野大輔内野手(34)も、渡辺の話題になると急にうつむき、目頭を押さえた。「その件に関しては、言葉を発したくない。『頑張れ』というひと言だけ」と男泣き。新選手会長に就任した嶋基宏捕手(25)も「『来年、副会長としてサポートしていくよ』と言われてたんで…」と号泣した。
プロの厳しい競争社会。選手はグラウンドで結果を残すことが仕事だ。「ナオさんが4年間、僕たちにいろいろ教えてきてくれたようなことを、誰かがまたやっていかないと。受け継ぐ気持ちでやっていきたい」。鉄平は自分に言い聞かせるように言った。
◆もらい泣き寸前 ○…横浜へ移籍する渡辺は、新天地でのレギュラー奪取を誓った。この日、荷物整理のためKスタを訪れ、関係者たちにあいさつ。野村名誉監督、星野監督には前日(9日)中に電話で連絡し、激励されたという。「今は横浜でどうやって自分のポジションを取るか、そのことしか考えていません」と気丈に話していたが、会見で3人が号泣したことを聞くと「うれしいですね…。楽天は絶対に強くなる」と思わず目を潤ませていた。
◆渡辺 直人(わたなべ・なおと)1980年10月15日、茨城・牛久市生まれ。30歳。牛久高、城西大を経て03年に三菱ふそう川崎に入社。06年の大学・社会人ドラフト5巡目で楽天入団。新人から遊撃に定着し、3年連続でチーム盗塁王。今季は打率2割6分5厘。通算491試合出場、打率2割6分5厘、3本塁打、110打点、97盗塁。173センチ、73キロ。右投右打。
***
打席入りの登場曲、「栄光の架橋」(ゆず)。
年齢的にはピークを迎える頃。
やるせない思いをのりこえた、新しい球団での活躍を心から願う。
交流戦だけでなく、前半戦から活躍してオールスターで、岩隈らと対決してほしい。
ピークを過ぎた松井、岩村、2人同時の入団がチーム構成にとって、育成にとって、本当によかったのか、私はひっかかっているけれど。
「You Tube」(ユーチューブ)の「栄光の架橋」が涙を誘う。
栄光の架橋(ゆず) うたまっぷ歌詞
http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=B07237
You Tube 栄光の架橋(ゆず)
http://www.youtube.com/watch?v=ntMCQIa8wOs
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