児童福祉施設の3分の2で「労基法上問題」
2つ連続のかなり力をいれた、長い文の記事。
先の「ありがとう」の記事、スポニチではなく、どうしても読んでもらいたかった毎日新聞の投書は、シンプルで、ストレートに、その後に読み返しても心を揺さぶってくる。
言葉に、またその言葉の背景に寄り添える人間でありたい。
さて、長さもあってがんばったあとは、短く問題をしぼったものを。
保育所や児童養護施設など、児童福祉施設のうち、3分の2で労働基準法上の問題があるということがわかったという。
和歌山県の労働局が実施した「自主点検」。
アンケートによる自主点検であることを踏まえると、実際はもっと劣悪なのではないかと推察される。
もっと踏み込んだ内容と体制で、和歌山だけにとどまらない全国的な調査を国と自治体に求めたい。
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児童福祉施設 「労基法上問題」67% 労働条件の厳しさ浮き彫り 和歌山
MSN産経ニュース2011.1.13県内で児童福祉事業を行う約3分の2の事業場・施設で、就業規則の未整備や休憩がとれないなど労働基準法上で何らかの問題があることが12日、わかった。「伊達直人」などを名乗る人物から児童養護施設などへの匿名の寄付が全国で相次ぐ一方、施設で働く大人を守るには関係者・機関の意識改善が求められる。
調査は和歌山労働局が実施。県内で児童福祉事業を運営する保育所や保育園、養護施設など282事業場にアンケートを送り、自主点検の形で実施。80・9%にあたる228事業場から回答があった。
有効回答のうち、労働基準法や労働安全衛生法などによる労働条件の整備に問題があった事業所は67・1%にのぼった。具体的には就業規則(パートを含む)を整備していない▽休憩時間を取得させていない、自由に利用できない▽年次有給休暇を取得させていない▽法令・就業規則などが十分周知されていない▽安全衛生管理が十分確立されていない-など。
地域・管轄署別では和歌山(事業所数80)で問題があった事業所は53・8%。御坊(同45)は88・9%、橋本(同34)55・9%、田辺(同42)69%、新宮(同27)81・5%だった。
項目別でみると、子供を抱き上げる際の腰痛対策や送迎などの交通事故対策として講習会を開催するなどの対策を施していない事業所は46・9%とほぼ半数にのぼった。また産業医や衛生管理者の選任など衛生管理体制で41・3%、安全衛生教育で40・8%だった。
書面による労働条件の通知(8・8%)、パート就業規則作成・届け出(13・5%)も多く、同労働局は県と事業者団体に対し、自主的な労働条件の改善に取り組むよう協力要請するとともに、事業場に対し監督指導などを徹底する。
***
児童福祉事業への労働条件の自主点検結果について
~約67%の事業場で何らかの問題がみられる~
(和歌山県労働局 2011/1/12PDFファイル)
http://www.wakayama.plb.go.jp/hodo/hodo136.pdf
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今年から愛知県の児童養護施設で住み込みで働いているものですが、やはり眠る時間も4時間前後しかなく、時間外勤務手当もほとんどつかず、夢と現実のギャップにやる気をそがれてしまっている毎日です。
このままでは、身も心もボロボロになり半年も続かないかも…
投稿: | 2011.06.23 21:56
コメントありがとうございます。夢と現実、コメント読んで、いろいろと考えました。お力になれるかわかりませんが、一度直接メールをいただけないでしょうか。お待ちしていますよ。
投稿: Tamy | 2011.06.24 17:31