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2011.01.23

イカリをどうする

喜怒哀楽を感じるということは、生きているということ。

ただ、世の中は、やや生きにくく、イライラ感が漂っている。

そのせいにするつもりもないけれど、「怒」に大きく偏っていく。

そんな時、やっぱり大好きなコラム、読んでためになる文章、知識と出会う。

***
◇しあわせのトンボ:怒りを下ろす=近藤勝重
(2011/1/14毎日新聞東京夕刊)
http://mainichi.jp/select/opinion/kondo/news/20110114dde012070004000c.html
 怒りの感情はどうすれば抑えられるのだろうか。その手の本もよく売れているようだが、以下に紹介するのはぼくなりの体験や見聞などを中心にしたものだ。

 人間、誰しも理不尽なことを言われると、思わず言い返したくなる。しかしこれは決していい結果を生まないばかりか、口論のきっかけになりやすい。思わず言い返すの「思わず」がよくないのだ。思わずは自然にまかせた感情だから、言葉もストレートだ。ストレートな言葉には相手もストレートに反応する。そうなると、売り言葉に買い言葉の展開となるのは目に見えている。

 このケースでは、言葉を返す前に間がほしい。以前、このコラムで七つ数えてから発言するよう心掛けていたという文芸評論家、中村光夫氏の晩年のエピソードを紹介したが、戦闘的評論で知られた氏の舌鋒(ぜっぽう)が、七つ数えるぐらいで穏やかになったかどうか、いささか疑問だ。体験的に言うなら、七つ数えるのと同時に世界の七大海の一つや二つをちらっとでも頭に浮かべると、あら不思議、気持ちも広くなって怒りも収まる感はある。どうやら広大な自然をイメージすると、受容性をもたらすようである。

 一呼吸の間、ぼくは心の中でお気に入りの一句をつぶやいたりもしている。江戸後期の禅僧、仙〓和尚の「気に入らぬ風もあろうに柳かな」などの句は、精神安定剤の役目を果たしてくれる。これも受容性の変形であろう。

 宮沢賢治の「雨ニモマケズ」には「慾(よく)ハナク/決シテ瞋(いか)ラズ/イツモシヅカニワラッテヰル」とある。これを怒らない人だから静かに笑っていられるのだろう、と解釈しては当たり前のキャラクター論でしかない。それより脳には笑いに伴う表情筋に反応して楽しい気分にする働きがあることに着目したい。すなわち作り笑いでも静かに笑っていれば怒りも収まり、本当にいつも静かに笑っていられるのだと理解して、努めて笑顔を心掛けてほしいのである。

 最後にもう一つ、即効性のある方法を挙げておこう。呼吸法の一つ、長息である。頭から消えない不快の念や腹立たしい思いなどは、息をはーっと長く長く吐いて、下っ腹に吐き切るのと一緒にヘソ下の丹田あたりまで下ろしていく。上、つまり頭に持ち上げては、怒気が脳内を駆け巡るだけだから、マイナス感情は腹の周囲でぐるぐる回しておくにかぎるのだ。とにかく怒りは下に、である。(夕刊編集長)
***

考えると、「腹の虫」「こらえる」なんて言葉も関係してくる。

それにやっぱり、「笑い」が大事だってこと。

笑顔、微笑みを内外に。

イカリをおろして。

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コメント

はじめまして。
こんばんは。

最近何故だかこちらにたどり着きまして、申し訳ありませんが勝手に拝読させて頂いたところ、気づかされる事や考えさせられる事など共感する部分も多く、是非これからも読ませて頂ければと思います。

実は私も怒らないことを少しずつですが実践しています。

色々あるので、なかなか難しいですけどね。

笑顔で感謝の気持ちと謙虚でいる事を忘れずにと思っています。

これからもよろしくお願いいたします。(*^_^*)

ラッキーマンさん、はじめまして。
今まであまり経験のない、励まされるコメントありがとうございます。

許せないという怒りがエネルギーになることもあって、大切な感情だと思いますが、怒っても怒らないということも大事ですね。

最近いろんなことに気づきだして。あと3年早かったらなぁと思うことばかりなのですが。

あまり期待せず、よろしくお願いします。

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