牛丼とコンビニ弁当の安さの裏で
本格的な影響はまだこれからのようだが、今年は国際的に食糧の原材料価格が高騰している。
小麦、とうもろこしなどの穀物や、砂糖ほか、投機や新興国の需要拡大がその要因のようだ。
円高もあって現時点では薄くても、今後の影響が懸念されている。
そんなもと、1月11日から、大手牛丼チェーンの「松屋」「すき家」「吉野家」がいっせいに、生き残り競争ともいえる期間限定値下げに踏み切る。
3社が同時に、そして200円台でスタートというのは、過去に例がないのではないか。
並盛価格で、それぞれ240円、250円、270円に。
連休明けの11日には、テレビニュースを中心にこの「競争」が大々的に報道されるはず。
一方、「すき家」を経営するゼンショーは、未払い残業の訴えに対し、それらを認めたものの労働組合の申し入れた団体交渉には依然として応じていない。
公的機関である中央労働委員会の命令に従わず、行政訴訟となっている。
首都圏青年ユニオン
http://www.seinen-u.org/
また、デフレ競争の最先端をいくセブンイレブンなどへの弁当製造を行う食品メーカー「わらべや日洋」は、労働基準監督署の勧告を認めて、時効になっていない過去2年分の不払い賃金の支払いを発表した。「法律違反の認識がなかった」わけはないはず。
2010年2月時点で全国のセブンイレブン1万2753店のうち、8割の約1万の店舗に商品を納入している大手企業。
ほとんどの人が口に入れたことがあるはず。
人によっては、「台所」感覚にもなっているはず。
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◇未払い賃金、計13億8千万円支払い わらべや日洋
http://www.asahi.com/national/update/0107/TKY201101070430.html
2011年1月7日21時31分 asahi.com食品メーカー大手のわらべや日洋は7日、グループ会社の社員とパート合わせて約1万2千人に対し、約2年5カ月分の賃金の未払いがあったとして約13億8千万円を支払うと発表した。同社はコンビニエンスストア最大手のセブン―イレブン向けに弁当などを製造している。
東京の立川労働基準監督署から昨年10月、賃金を支払う際に勤務時間の一部を切り捨てているとして、労働基準法違反で是正勧告を受けていた。これまで支払わず、今回支払いに応じた額は異例の大きさになる。
労働時間は1分単位で計算しなければならないのに、社員は30分未満、パートは15分未満の労働時間を切り捨てて計算していた。労基署の勧告を受けて、わらべや日洋が時効が成立していない08年10月以降を調べたところ、約1万2千人に対し、1人あたり平均約10万円の未払いが見つかったという。
同社は陶新二会長が報酬の30%を1カ月分返納するなど、役員ら12人を社内処分したという。同社は「法律違反の認識はなかった。従業員に迷惑をかけ申し訳ない」としている。(南日慶子)
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食糧高騰とその影響がこれからどうなっていくのか、また日本のデフレ競争によって、何が切り捨てられているのか、また何が起きていくのか。
誰かのせいにすることはたやすいけれど、それだけでなく、口に入れるもの、見えるもの、自分の視界にあるものは、深く知ろうとし、せめて責任を持ちたい。
最近、牛丼もコンビニ弁当も、私はほとんど食べなくなった。
弁当は冷めたらレンジであたためればいい。
社会があまりに冷たくなっていないか、そう思えてならない。
いずれにしても、連休明けの1月11日の夕方と夜のニュースでは、牛丼値下げがメインのひとつとして扱われるはず。
私は、食品加工工場の元アルバイターでもある。
提供される食品だけでなく情報も、「加工」されていることを意識しておきたい。
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