くじけないで、だまされないで
朝日新聞が年末から特集した「弧族」、NHKがキャンペーンをはりつづけている「無縁社会」。
菅首相は始まった国会で、これらの言葉を使ってこの現状を変えようと、改革を訴えた。
私にはまったく響かない。私に響いたのはこのコラム。
そのとおりだ。
***
【コラム】筆洗(東京新聞2011年1月25日)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2011012502000042.html
百万部を超える大ベストセラーの詩集「くじけないで」の著者柴田トヨさん(99)が昨年、埼玉県警の依頼に応じ振り込め詐欺防止の詩をつくった。ポスターには柴田さんの顔写真とともに詐欺犯への呼び掛けがある▼<今 あなたの/している事を知ったら/あなたの家族は/どう思うかしら/子どもの頃/あなたには/やさしい心があった筈(はず)/風の囁(ささや)きも/聞こえた筈よ/弱い人たちを/苦しめないで/その知恵を/良い事に使ってください>。「振り込め詐欺犯さんへ」と話し掛けるような詩は優しく、埼玉県内限定とはもったいない▼警察庁によると、息子などを装って高齢者らから金をだまし取るおれおれ詐欺の昨年の認知件数は、前年より千三百六十一件増え、被害額は約七十九億二千万円だった。柴田さんの詩を目にしたら、彼らは踏みとどまるのか、と想像する▼きのう召集された通常国会の施政方針演説で、菅直人首相は消費税の増税論議に取り組む決意を表明。環太平洋連携協定(TPP)の国会での議論を提唱し「平成の開国」を訴えた▼いずれも政権交代時のマニフェストにはない重大な政策で、民主党政権の「質」が大きく変わってしまった印象を受ける▼政権交代を支持した人の中にはだまされたという思いを抱く人もいるだろう。四月は統一地方選がある。有権者は柴田さんの詩ほど優しくない。
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