「子ども貧国」、未来が・・・
全体的に厳しい状況になっているのに、支援は細いままということ。
タイガーマスク現象は善意の連鎖だととらえたいけれど、本当に必要な支援を考える絶対的な情報量が乏しく、掘り下げ方が甘すぎると思う。
この記事でさえ、具体的な想像にいたる材料が少なく、報道さえしないメディアが主流だということに強い危機感を覚える。
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母子生活支援施設:入所理由、DV1.5倍 「態勢の充実必要」--04~08年度
(2011/1/30毎日新聞朝刊)
http://mainichi.jp/life/edu/child/news/20110130ddm003040116000c.html
全国の母子生活支援施設で、ドメスティックバイオレンス(DV)や児童虐待を理由にした入所者が、最近4年間で約1・5倍に増えたことが、全国母子生活支援施設協議会(全母協)の調査で分かった。心に傷を負った母子の入所が増加している一方、施設関係者からは「職員や設備面での支援態勢が間に合っていない」との声が上がっている。同施設は全国に272カ所あり、入所するのは約4000世帯。全母協が、各地の福祉事務所からの委託理由を調査したところ、DVと虐待による入所者は、04年度に1706世帯だったのが、06年度に1951世帯、08年度には2497世帯に増加。一方で、配置される施設職員の最低基準は20世帯に対し6人などで変わっていない。
湯沢直美・立教大教授(社会福祉論)は「態勢の充実が必要だ」と話している。【平野光芳、反橋希美】
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メディアを生かしつつも、それに依存しない「伝え合い」が求められている。
マスコミ批判だけでは、社会は変わらない。
私たちは、何を感じ、伝え、考えあいたいのか、そのメッセージをまわりに届けているだろうか。
笑うことさえ忘れた親子がいるとしたら…。
1月28日の東京新聞によれば、1月1日から東京新聞(中日新聞)が9回(1日から10日まで)連載した「子ども貧国」に200件以上の反響が寄せられたという。
本当に厳しい実態が紙面に載った。
読んだり取り寄せたりできる環境のある方には、ぜひ読んでいただきたい。
1月28日付の反響記事では、母親の再婚相手に虐待された中学生の孫の後見人のおばあちゃんは、年金が月3万の上、病気。孫は児童養護施設にいるといい、自らの生活はといえば、風呂水は10日に1回替えて、トイレは1日2回流すだけだという。
この人も連載を読んで声を寄せた一人なのだ。
「どうしたら孫を幸せにできるのか」という問いかけと、「孫のような境遇の子どもたちに援助の手を」というよびかけが、とてもつらく響いてくる。
反響200件超。私のこのブログ記事も1件として、誰かに伝わり、さらにその先の誰かに何かしらのメッセージが届くと信じたい。
県内屈指の進学校に通いながらも、父親の失職・家庭不和など進学危機を迎えて連載に取り上げられた高3女子は、真正面から受け止めてくれた教師を支えに、そして同じ連載の別の紙面に登場した同年代の姿に励まされ、「まだまだがんばれる」と思えたそうだ。
私は、このさまざまな反響(響き合い)に可能性を感じている。
明日を、未来を、あきらめないでと伝え合いたい。
「子ども貧国」は、第一部として連載された。
その第一部には、もうひとつのタイトルがつけられていた。
「未来が泣いている」
中日新聞:記事一覧 子ども貧国
http://www.chunichi.co.jp/article/feature/hinkoku/list/
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