あのときのあの人のあの言葉、あの歌のあのフレーズ。
大切にしている言葉があるはず。
でも、それらはなかなか口に出されない。
心のなかで大切にしておくべきものなのかもしれない。
ただ、その言葉と背景を知る中で、人の生き方が見えてくる。
この書籍(というほど厚くはないけれど)にふれて、そう思った。
宝箱をあけて、みせてもらうようなものなのかなぁ。
「家族はみんな笑っているほうがいいから」という4歳の子ども。
「いついつまでも幸あれ!!」という、離れて暮らす父親の言葉。
「心を磨きましょう」「心は磨いただけしか光りません」という教師。
同じ教育者でも、「赤い花は赤く咲け」「白い花は白く咲け」と贈った話も。
そして、「アンパンマンのマーチ」や、オフコース、一青窈、キンキキッズのあの歌詞も。
その人にとってかけがえのない言葉が、世界でたったひとつしかないエピソードにつづられている。
私たちは、誰もが、ご飯を食べ、睡眠をとって、生きている。
また、言葉をかけ、かけられて、生きている。
エネルギーは、食事、睡眠、そして言葉の力。
どれも欠けては生きていけないし、どれかが足りないと不調をきたす。
これは誰も否定できないこと。
この「コトバのチカラ」についてのメッセージが3万2千通寄せられ、そのなかの65作がまとめられ、出版された。
2003年に日本民間放送連盟、ラジオ局101局が「コトバのチカラ」キャンペーンをはり、その後出版され、2008年に文庫化。
たった500円のエピソード集。
私もコトバのチカラで生きていこう、もっと自分と人の言葉を頼りにしていこうと思えた。
もし機会があれば、どこかでエピソードをつづっていけたらとも。
私は、冒頭の「魔法のメガネ」「僕のほうこそ」「心のコップはいつもからっぽに!!」「してあげるではなく、させていただく」に深く考えさせられた。
『コトバのチカラ』というせっかくの宝箱、私だけが持っておくのはもったいない。
知人に渡してみることにする。
この本にふれるだけでなく、複数の人がかかわれば、ふれあうことになるのではないだろうか。
PHP文庫『コトバのチカラ』(日本民間放送連盟ラジオ委員会編 PHP研究所 500円)
第1章《家族》誰もが愛されるために生まれてきた
第2章《人生》信念をもって今を生きる
第3章《自分》あなたがあなたであるために
第4章 私の好きなコトバ、心を動かされた歌詞
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