1人じゃない・・・「ありがとう」 日刊スポーツに感謝!
この記者も、仙台にある新聞社で被災した一人。
1人じゃない、ありがとう。
本当にその通りだと思える。
人が強くなるんじゃない。
絆が強いかどうかが社会や国として大切なこと。
この記者にもありがとうを届けたい。
ぜひ、そう思わせる日刊スポーツをみなさんにすすめたい。
***
◇1人じゃない…「ありがとう」
(2011/3/15日刊スポーツ 東北総局長 今西和弘)
http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp0-20110315-748481.html
地震から3日がたった。福島原発の爆発とその影響が不安をさらにかき立てる。サイレン音が東北総局前の道を何度も通り過ぎる。火災や思わぬ2次災害が頻発しているのだろう。大災害後の一定の基準とされる「72時間」が経過した。状況が明らかになるにつれ、悲惨の度はいや増す。
でもくじけないでいよう。私たちには支えてくれる人がいる。日本だけじゃあない。世界から手が差し伸べられている。その手を借りてゆとりが出てきたら、周りの苦しい人に手を貸そう。大きな声で「おはよう」「今日も頑張ろうな」「おやすみ、また明日ね」と言おう。そして「ありがとう」も。
電気も通ったオフィスで何、気楽なこと言ってるんだ、とそしりを受けるだろう。それでも伝えたい。私たちは1人じゃない。
8階建てマンションの前で若者が息をついていた。11日の地震で逃げるときにヒザを痛め、1人では階段を下りられない8階のおばあさんをおぶって、避難階段を下りてきたのだ。「余震が怖くて…。一緒にいてくれている人がちょうど留守で、ダメかと思ったけど大きな声で呼んだら、さっきの人が上がってきてくれた」。話を聞き終わって振り向いたら、若者はもうずうっと向こうに歩き去っていた。
苦しい事態が長引けば長引くほど、精神の均衡を保つのは辛(つら)くなる。気分がささくれだってくる。節度を守るのも限界がある。否定はしない。だが、人の強さは、そんな時にこそ発揮するよう、しつらえられているのではないか。
「この娑婆(しゃば)にゃあ悲しいこと、辛えことがたくさんある。でも、忘れるこった。忘れて日が暮れりゃあ明日になる。ああ、明日も天気か…」。
中村錦之助(のち萬屋錦之介)が主演した「関の弥太っぺ」(1963年=昭38・東映、山下耕作監督)で弥太っぺがいう言葉。江戸時代の無宿者の旅人と、ひょんなことで助けた幼い娘をめぐるストーリーで、災害に遭う話でも何でもない。が今、しみじみとこのセリフが浮かんでくる。
むろん、日が沈み、昇っただけですべてが良くなるわけではない。むしろ、苦しさは増すだろう。そこで萎(な)えては終わってしまう。弥太っぺではないけれど、目先の辛さはひとまず忘れ、明日に希望をつなごう。
この原稿を書いている最中も、震度4前後の揺れが何度となくやってくる。3行書いてはオフィス入り口へ駆けだす。被害の大きい地方の不安はこの比ではない。けれど、希望を失わず、元気でやっていこう。それが新たな力を生み出すはずだから。【東北総局長・今西和弘】
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