東北ナイン試合後の報道からみえたこと
春のセンバツ甲子園。
被災地の象徴となった東北高校は残念ながら初戦で敗れた。
翌日のスポーツ新聞には
「東北のあきらめない心」(日刊スポーツ東京一面)
「東北あきらめてたまるか!!」(スポーツ報知東京一面)などの文字が躍った。
避難所からの声援、地域をこえた友情応援、被災後の選手の生活など、
これまでになかったエピソードに考えさせられることが多かった。
日刊スポーツの東北総局の木下記者は3月29日付の紙面でこう回顧している。
「1日の取材は限定10分間。質問の第一声から高校生に悲惨な現実を聞く作業は、つらかった」とし、「復興のメドがついてからの話だが、いつか震災以外の話を彼らに聞いてみたい」と結んでいる。
被災したのにがんばる=東北ナイン
という図式の裏で、あどけない高校生の姿、また高校球児としての個性が映りにくかったことは事実だろう。
取材を受けることもつらかったはず。宿舎にたくさんの善意の物資が届けられたというが、プレッシャーも大きかったはず。
ライバル校も待つ夏にむけて、震災以外の東北ナインの記事も待ち望みたい。
スポーツ新聞4紙やネットの記事を読んで、興味深かったものがあとひとつある。
◇加藤弘士の加藤弘士のBaseball Boogie 三塁走者が、敵の好捕に拍手をしたのだ
http://weblog.hochi.co.jp/boogie/2011/03/post-03b1.html
東北高校の好守備に大垣日大のランナーが塁上で「手を叩いて称賛」したという。
「しかも笑顔で。昨夏までの長い間、甲子園取材に従事してきたが、このようなシーンは記憶にない。驚きだった」と記者は語っている。
このプレーを見ていないが、想像するだけで胸が揺さぶられた。
記者の指摘は鋭い。
また、自粛や中止に対する考えも同感だ。
10代の学生がひたむきにスポーツに打ち込める生活、教育環境をと、
スタンドやテレビの前で応援する私たちは、.共通して願っているはず。
その土台づくりを、できる歩みを進めながら、夏にむけて私たちが。
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