「心を整える。」という視点に心を動かされて
このプレーというよりは、試合全体としての存在感。
そしてグラウンドだけでなく、会見での聡明なコメント力も。
サッカー日本代表キャプテン・長谷部誠選手。
年上もいるなかで27歳にしてその役割。
この3月、プロサッカー選手初の自己啓発書を出版した。
『心を整える。勝利をたぐり寄せるための56の習慣』(幻冬舎)
いまこの本がベストセラーになっている。
高3になってレギュラーにやっと定着し、プロ入りを果たし、いくつものタイトルを得て、海外でプレーを続けている著者。
サッカーワールドカップ南アフリカ大会の舞台裏なども興味深いが、
それ以上に、自分の弱さと向き合い、心を整える具体的なエピソードの説得力に驚かされる。
変化を恐れず、チームメイトや指導者と向き合い、吸収し、時には進言し、チームの調和を確かなものにしていくのだ。
チームとプレーヤー、監督などの位置づけを、組織、個人、管理職と重ねる社会人も多いはずだ。
心は鍛えるものではなく、整えるものだという。
メンタルコントロールの秘訣が語られる。
数ページ読むと気づくが、かなりの読書家でもある。
書名と理由をあげて、影響をうけたものにもふれていく。
「自分の考えを進化させてくれる」という読書。
活字離れのすすむ若者に、これまでにない変化を生むきっかけになるはず。
ひとりの時間を大切にするというポイントも踏まえ、
心を整える「56の習慣」はいくつもの気づきにつながる。
3月中旬に出版され、変化をうけて、印税はすべてユニセフへを通じて「東日本大震災」支援へというポジションに。
私が心を動かされたのは、「心を整える」という視点だけでなく、
その姿勢、人望、向上心など、この本から浮かび上がる長谷部誠という人物の魅力すべてといえる。
30歳ぐらいまでに出逢いたかったポイントがいくつも。
サッカーの知識があまりなくても、読める本。
その年代までのまわりにすすめたいという点では、ブログ開設6年半で、最高の一冊。
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