大人から夢や正義がきこえてこない 山本太郎騒動に思う
俳優の山本太郎さんが、反原発の言動による「ドラマ降板」(事務所は否定)にとどまらず、所属事務所を辞める事態となった。
昨夜は、こうつぶやいている。
「事務所辞めました!今日。これ以上迷惑かける訳いかないから。辞めるな、と社長、スタッフの皆さん何度も引き止めて下さった。最後には僕の我が儘を聞いて貰いました。13年もいたSISは真面目で正義感強く情に厚い事務所。もう関係ないから事務所への電話しないでね。他の役者に迷惑かかる。」
その事務所「SIS company」のサイトに代表取締役名の「ご報告」が掲載された。
SIS company
http://www.siscompany.com/
経過については、後記の報道のうち、スポーツ報知が詳しい。
原発関連の大手企業のスポンサーによるドラマだったという説もある。
言動がスポンサーの姿勢と一致しないことで、降板というだけならありえてもいいと思う。
しかし、あまりに事実を語りすぎたことで業界にいられないようになったとすれば、極めて残念だ。
この社会があまりにも狭く、夢や正義がないことを思い知らされた。
脱原発を打ち出し、金も具体的プランを出しているソフトバンクの孫正義氏や、タブーなき報道を貫こうとしている東京新聞などで、
山本太郎主演で、エネルギー問題を考える映画やドキュメンタリーはつくれないものなのか。
震災前や当初は原発維持が多かったが、いまでは脱原発をすすもうという声は世論調査でも大きくなってきている。
多数派の声を口にしても、業界にいられない、テレビに映らないとなると、どこかの国とそれほど変わらないとさえ思える。
この20年、時代はマイナス思考となり、政治家を象徴とする大人から夢や正義が語られていないのではないだろうか。
孫正義さんの月刊「世界」の6月号の論文やその姿勢からはそれらを感じる。
国会をみても、身近なところをみても、できないことを否定することに終始するだけでは、時代は後ろ向きにしかすすまない。
力をあわせて何ができるかという現実性も大切にしながら、何を守るために何ができたらワクワクするかという話もしていきたい。
***
《山本太郎 関連報道》
山本太郎、反原発で事務所辞めた「これ以上迷惑かける訳いかない
(スポーツ報知)
http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20110527-OHT1T00277.htm
山本太郎「事務所を辞めた」反原発発言で
http://www.sanspo.com/geino/news/110528/gnj1105280504008-n1.htm
山本太郎「事務所辞めた」…ツイッターで明かす
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2011/05/28/kiji/K20110528000908040.html
山本太郎ツイート「事務所辞めました!」
http://www.nikkansports.com/entertainment/news/f-et-tp0-20110527-782106.html
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