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2011.07.21

保育所の基準面積の緩和は凍結すべきという記者の目

みなさん、ぜひ読んでください。

私も意見を送ろうと思っています。

また、新聞にも投書しようとも。

7月21日付・毎日新聞「記者の目」のなかで記者は、保育所の面積基準の緩和(狭くしてもかまわない)への方針転換を「禁じ手」だと厳しく批判して、「その場しのぎの基準面積の緩和は凍結すべきだ」と求めています。

***
◇記者の目:保育所の最低基準面積緩和=山崎友記子
(2011/7/21毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/opinion/eye/news/20110721ddm004070002000c.html

 認可保育所の最低基準面積に関し、厚生労働省は12~14年度の間、用地確保が困難な大都市35市区に限って独自に設定できるようにする省令案を公表した。全国知事会から、保育所に入れない待機児童問題の早急な解消を迫られた末の苦肉の策だ。しかし、基準の切り下げで保育所不足を補う手法は、保育サービスの量と質を増やすという政府の基本方針に逆行する。今でも不十分な保育環境を一層悪化させ、子どもの安全を脅かす「禁じ手」ではないか。

 10年4月1日時点の待機児童数は2万6275人。リーマン・ショック後、家計を補うために働き始めた母親の増加に伴い、再び増えている。全国知事会は「保育所の運営基準を市町村の自由裁量に委ねれば、創意工夫で問題を解消できる」と訴えてきた。

 基準面積の切り下げとは、国が一律に定める認可保育所の乳幼児1人当たりの床面積を、自治体の判断で狭くできるということ。現在、0~1歳児の最低基準は乳児室が1.65平方メートル、移動できる子が対象のほふく室は3.3平方メートル。これを緩めれば、既存施設により多くの子を入所させることができる。知事会はそう考えているようだ。

 ◇定員「弾力化」後 死亡事故が増加
 厚労省は「基準緩和は質の低下につながる」と反論してきた。それでも財源不足には勝てない。01年度、面積や職員数が最低基準に達していれば、乳幼児の受け入れ数が定員を超えてもよしとする「弾力化」に踏み切り、今回は地域限定とはいえ、基準面積緩和に追い込まれた。

 私自身が娘を保育所に預けた際は、補助金カットの影響で遠足が減るくらいのことしか経験していない。しかし取材を通じ、保育所で我が子を亡くした多くの保護者に接してきた。たびたび起きる死亡事故は、基準緩和の危険性を示していると思う。

 「大人数詰め込んでいたため目が届かなかったのでは」

 昨年12月に長男の寛也ちゃん(当時1歳)を認可保育所での事故で亡くした愛知県碧南市の栗並秀行さん(32)と妻えみさん(32)はそう訴える。

 寛也ちゃんは昨年6月に市内の認可保育所の0歳児クラスに入り、人数が増えてきたため10月に1歳児クラスに移った。そして10月29日、おやつのカステラをのどに詰まらせて意識不明となり、約40日後に死亡した。

 1歳児クラス(45.1平方メートル)は寛也ちゃんら0歳児クラスから移った4人を含む17人。1人当たり面積は2.65平方メートルだ。「はいはいを始めたら(ほふく室基準の)3.3平方メートルが原則」(厚労省)で、よちよち歩きを始めた寛也ちゃんはこちらに該当しそうだが、保育所や市は、乳児室基準の1.65平方メートル以上なら問題ないと認識していた。

 さらに事故当時は隣の2歳児クラスとの仕切りが外され、寛也ちゃんがおやつを食べている間、周りを歩き回っている子もいた。保育所側は「ごったがえした状況もあった」と言い、担当保育士が寛也ちゃんから一時目を離していたことも認めている。

 認可保育所での死亡事故は超過定員を認める「弾力化」導入の01年度以降、増えている。遺族や弁護士らでつくる「赤ちゃんの急死を考える会」によると、1961~00年度の40年間で15件なのに01年度以降の8年間で22件。厚労省の調査では04年4月~10年12月の6年9カ月で24件だ。

 「自治体が詰め込みの危険性を理解せず、面積まで緩和すれば、同じことが繰り返されるのではないか」。栗並さんはそう訴える。保育所での死亡事例に詳しい寺町東子弁護士は「大部屋に詰め込めば子供は落ち着かずトラブルも増え、保育士の目も行き届かなくなる」と指摘する。

 ◇一体改革先取り 施設拡充を急げ
 保育所面積の最低基準は終戦直後の48年に制定され、以来一度も改善されていない。当時「救貧対策」だった保育所の位置づけも、戦後60年以上たち変貌した。にもかかわらず、さらに詰め込みを促す施策には納得できない。

 そもそも政府の「税と社会保障の一体改革」の子育て支援策の柱は、1兆円を投じて保育サービス量拡大と質向上を図る「子ども・子育て新システム」だ。待機児童や詰め込み保育が減らないのも、要は保育所が足りないから。面積緩和は一体改革までの「つなぎ」と言うが、政府は既に待機児童問題では一体改革を先取りするプロジェクトに着手しており、着実に実行すれば面積緩和は不要のはずだ。

 民主党政権は「社会全体での子育て」をうたう。ならばきちんと財源を確保し、保育施設の拡充に乗り出すのが筋だろう。その場しのぎの基準面積の緩和は凍結すべきだ。
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***
◇待機児童対策:保育所、面積基準緩和へ 来春から2年間、都市部35市区で
(2011/7/15毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110715ddm001010052000c.html

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厚生労働省はこの件について、7月15日から8月13日まで、パブリックコメント(意見公募)を実施し、国民の声を募集しています。

パブリックコメント(意見公募手続き)の意見の送り先などはこちら
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495110160&Mode=0

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コメント

命よりももうけ。この考え方が改まらないかぎり悲劇は繰り返されます。

小学校へ行くように、あるいは成人式のお誘い(いやむしろ年金手帳の送付)並に
すべての乳幼児がどこかの育成&子育て支援施設(それを保育所と呼ぶならば)に必ずおさまるような大制度改革がされるなら・・「新システム」も飲んでいいかもと思いますが
今の保育行政ではこんな泥水飲んでたまるか!!って思います。

保障されるのが権利、保障されず、「選択」して(させられて)買うのが商品。

いまの義務教育や10年前までの保育園に企業が入れなかった要素かと。

記者の目に刺激され、新聞に投書しました。空振りですけど、いま見逃すときじゃないですから。

あきらめない。おりがみさんとは、もう6年だ。がんばりあいましょうね。

全部の乳幼児が(希望するしないにかかわらず)必ず十分な就学前教育を受けかつ養護を受けて保護者の就労が保証される・・一歩間違えば全体主義にGOみたいな諸刃の剣のような政策を求めたくなります。

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