人の手が大切にされる社会を
手と手のつながり、大切にしたい。
病院の「人の手」、福祉施設の、保育所の、隣の人の。
人手が大切にされる社会を。
***
2011/8/25朝日新聞天声人語
http://www.asahi.com/paper/column.html
手術をささえてくれた手の温(ぬく)もりに感謝します。50代の女性のそんな一文が、何年か前の声欄にあった。目に大けがをしての手術中、病院のスタッフがずっと手を握り続けてくれたそうだ▼「私が握ったのは血の通った人の手だった……もう片方の手で優しくさすってくれた」――。「手」を語って印象深かった投書を、かまくら春秋社から頂戴(ちょうだい)した季刊誌『詩とファンタジー』の特集を読んで思い浮かべた。あの、「手のひらを太陽に」の歌が誕生して今年で50年になるという▼漫画家やなせたかしさんの詞に、いずみたくさんの曲。ひらがなコンビがつくり、宮城まり子さんが歌った。軽快な前奏に続く〈ぼくらはみんな生きている……〉は大勢の耳に宿っていよう。筆者など、小学校の校内放送を懐かしく思い出す▼実は自分が一番元気のなかった時に作った歌だと、やなせさんが回想している。長編コミックに押されて仕事が急減していた。深夜の仕事場でふと懐中電灯で手を照らすと、血の色が透けて見えた。そのとき歌詞が浮かんできたと▼「アンパンマンの作者」で通る前は、「手のひらを太陽に」のやなせさんと紹介されることが多かったそうだ。絵も歌も子どもたちを陽気にさせ、元気を呼ぶ。かつて小さかった大人も心が跳ねる▼歌われて半世紀、日本は戦後で一番元気のないときだろうか。〈手のひらを太陽にすかしてみれば まっかに流れるぼくの血潮……〉。血の通う手と手のつながりが今ほど大事なときもない。
***
« 島田紳助さん引退で振り返る | トップページ | ひまわりの咲いた夏 津波に消えた命 »
「音楽」カテゴリの記事
- 1人ひとりがバラバラな踊りと笑顔で参加している動画(2014.01.12)
- 2年4か月ぶりの新曲で原点回帰(2013.02.17)
- その歌声に魅了される(2012.08.28)
- かようこんさーとにクミコさん(2012.05.07)
- 私に、僕たちにできること(2012.04.29)
「社会」カテゴリの記事
- 「たつ年」あけましておめでとうございます(2024.01.01)
- ハラスメント防止にむけて 講義を踏まえて認定試験を受けました(2022.12.24)
- 赤、青、黄、緑、桃、ジェンダーという壁を振り返ってみる(2022.06.04)
- 11人の教師が関与し53件のパワハラが認定された北海道立高等看護学院の闇を追ったテレメンタリー「やっぱり、看護師になりたかった...」(2022.05.22)
- 就職したばかりだけど、職場がおかしいので退職したいという人へ(2022.04.16)
「2011震災」カテゴリの記事
- 特別な1年 最後に伝えたいこと(2011.12.31)
- 3.11後に感じたこと(2011.12.31)
- 3.11後に感じたこと(2011.12.31)
- 一番売れているラーメンが一番おいしいとは限らないし、売れている歌がいい歌とは限らない (2011.12.30)
- 結構あるよ、ボランティアツアー(2011.12.29)
コメント