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2011.11.19

私立保育園への国の保育所運営費が廃止?!

11月16日、いくつかの地方紙で、国が私立保育園に支出している保育所運営費の廃止報道が続いた。

「政府内で浮上」しているというもの。

地方の税収増分をねらって、子ども手当にかわる児童手当の財源をそこからとろうと思っていた政府が、地方の反発をうけて、代替案として持っているようだ。

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保育所補助金に廃止案 政府 地方税増収分充当へ
(2011/11/16西日本新聞)
http://www.nishinippon.co.jp/wordbox/word/6455/8559
 2012年度予算編成で、国が私立保育所の支援を目的に年間約4千億円を支出している市町村向けの補助金「保育所運営費」を廃止する案が政府内で浮上していることが15日、分かった。税制改正で決まった住民税の年少扶養控除廃止に伴う税収増などで12年度は地方の収入が5050億円増える見込みのため、この分を代わりの財源に充てることを検討する。
 
 実現すれば、保育所支援は全額、地方の負担になるが、地方税の増収分を活用し、これまで国の補助金の対象にならなかった保育所も、地域の住民ニーズに応じて手厚く支援できるようになる。地方の自由度が増すことで、民主党が掲げる地方分権の前進にもつながりそうだ。
 
 厚生労働省は、地方増収分の一部を子ども手当廃止に伴い12年度に復活する児童手当の拡充に充てることを地方側に提案している。しかし、地方側は「裁量の余地がない全国一律の現金の支給は全額、国が負担すべきだ」と反発。地方が受け入れる見込みは小さいため、保育所の補助金を廃止する代替案が浮上した。
 
 保育所の補助金を廃止する代わりに、児童手当を拡充する費用は国が負担。地方からも補助金の廃止を求める声が出ており、政府関係者は「増収分を児童手当の拡充に充てるより、地方は受け入れやすい」とみている。
 
 ただ、保育関連団体が「財政力の弱い自治体が保育所への財政支援を減らし、保育サービスに地域格差が出る恐れがある」と反対するのは必至。政府内にも慎重論があり、調整は難航しそうだ。
 
 国と地方の税財政を見直した「三位一体改革」で、国は04年度から公立保育所を対象とする補助金を廃止し、必要な財源を地方に移した。地方側は私立保育所の補助金廃止も求めたが、実現しなかった経緯がある。
***

早速、動揺や反発が広がっている。

***
◇新たな「持ち出し」か 保育所運営費廃止案浮上
(2011年11月17日 日本海新聞) ※鳥取県シェア1の地元紙

 私立保育所の支援を目的とした市町村向けの国の補助金「保育所運営費」を廃止し、住民税の年少扶養控除廃止に伴う地方の税収増分で穴埋めする案が新たに浮上し、私立保育所を多く抱える鳥取県内の自治体を困惑させている。税収増額が都市部に比べて少ない県内の自治体では、税収増分で国負担額をカバーできず、新たな「持ち出し」が必要となるためだ。

 保育所運営費は、国が2分の1、都道府県と市町村が4分の1ずつ負担。県内でトータルの運営費は36億7665万円で、県と市町村が9億1916万円ずつ、国が18億3832億円を負担しているが、この国負担額が廃止となる代案が民主党内で浮上した。

 県内で私立保育所が25園と最多の米子市は「都会は大幅な税収増になり手厚い支援ができるだろうが、田舎はそうはいかない。不足分はとても市だけでは賄いきれない」(こども未来課)と悲鳴を上げ、自治体間で保育サービスに差が生じる可能性にも言及した。

 同市では、住民税の年少扶養控除の対象者が約1万4千人で、廃止に伴う税収増を2億円余りと推測。一方、「保育所運営費」の国補助分は本年度、約7億2千万円を見込んでおり、補助金が廃止となれば5億円近い不足分が生じる試算だ。

 同様に、14園の私立保育園のある鳥取市では、本年度の運営費国負担分は約5億6千万円。来年度の扶養控除の対象者は約2万6500人で、廃止されれば約1億4千万円の不足額が生じる見込み。

 倉吉市では、私立保育所(13園)の運営費の国負担分3億2700万円に対し、税収増分はわずか4800万円余の見通しだ。

 同市担当者は「(補助金廃止分を)補うほど地方税収入が増えるとは限らない」と補助金廃止の影響は小さくないと指摘。同市は本年度から基金を取り崩すなどして公私立保育園すべての保育料軽減に踏み切っており、補助金廃止分をカバーできる税収増がなければ財政負担が増すことは確実だ。

 また、保育所運営費の廃止は、国が2012年度に復活させる拡充児童手当の財源に住民税の年少扶養控除廃止などによる地方の税収増分を充てる案を提案、地方側の反発を招いたことで浮上した“代案”だ。鳥取市の担当者は「行き詰まっているからといって、(保育所運営費の)廃止を出してくるのは唐突」と非難し、自治体を振り回す国の姿勢に不信感を示している。
***

琉球新報http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-184151-storytopic-11.htmlや京都新聞http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20111117_2.htmlは最初の報道の翌日に社説で強い懸念を示した。

チルドレンファーストと言って、政権が変わったと私は認識している。

その総選挙直前に示した「考え方」とかけ離れていっている。

「考え方」とは、こうも変わっていくものなのか。

***

2009/7/1民主党『次の内閣』
子ども・男女共同参画調査会

保育サービスについての考え方
http://www1.dpj.or.jp/news/?num=16422

1.基本的な考え方 ~子どもたちは日本の未来を担う宝物~
 民主党は、子どもの立場に立ち、子どもたちが安心して育つことのできる社会の実現のため、「チルドレン・ファースト(子ども第一)」で政策立案に取り組んできた。
 現在、子どもの数が減っているにもかかわらず、保育など子育て支援に対するニーズはますます増え、多様化している。また政府の対策にもかかわらず待機児童問題は解決せず、子どもたちの置かれている状況は年々厳しさを増している。住む地域や家庭の状況などにより、保育に格差を生じさせることのないよう、個々のニーズに合わせた保育の量の確保とともに、子どもたちにとって質の良い保育の環境整備や子育て支援を進めていく必要がある。
保育制度の改革にあたっては、保育の質の確保が大前提であり、国や地方公共団体は質の高い保育を十分提供するため、優先的に財源を確保すべきである。安易な規制緩和等によって質よりも量を追い求め、結果的に子どもに不利益を与えるようなことがあってはならない。
 また、現在国が設けている保育室の面積や保育士の人数などの最低基準についても、子どもたちに良質な保育を提供する視点で改善することが必要であると考える。

2.待機児童対策
 2008年10月現在、認可保育所に入れない待機児童は約4万人にのぼる。入所児童は1997年から2007年までの間に20%以上増加したが、保育所数の増加は2%程度であり、単に保育所が足りないだけではなく、詰め込みによる保育環境の悪化も懸念され、子どもたちが受ける保育の質に差がうまれている。
 民主党は、「日本の未来を担う子どもたちを社会全体で育てる」という考え方のもと、小・中学校の余裕教室や統廃合などにより使用を止めた学校施設等を利用した認可保育所分園の増設、2008年の法改正により法制化された「保育ママ」の増員、また将来に渡っては、認可保育所の増設を推し進める。

3.今後の課題
 現在、98%程度の4、5才児が幼稚園か保育所に通っており、保護者の経済的負担も大きく、無償化を求める声が高いことから、就学前教育・保育の実質無償化を検討する。
 また、幼稚園は文部科学省、保育所は厚生労働省という二元行政を改め、子どもに関する施策を一元的に責任をもって担える仕組みを作り、幼稚園と保育所の一本化を目指す。
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