福島の記者が伝える、伝わる、大事なことは
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「被災地に勇気を与える」「被災者に元気を与えたい」――大震災の後、今も耳にする言葉だ。こうした気持ちは素直に尊いと感じるし、いつまでも被災者を忘れまいという姿勢は、とても大切なことだと思う。
しかし惜しむらくは、「与える」という一語。少しひっかかる。広辞苑をひくと、「現在では上の者から下の者への行為にいう」と説明が出てくる。実はちょっと、上から目線な言葉なのだ。
最近、スパリゾートハワイアンズのフラガールを取材する機会が多いが、彼女たちはインタビューや舞台あいさつで、笑顔や元気を「伝えたい」と言うことが多いのに気づいた。
1人に尋ねると、特に意識はしていなかったそうで、「全国キャラバンでは行く先々で逆に励ましを頂いた。感謝の気持ちが伝わるといいな、と踊っているからだと思う」。
「伝える」「伝わる」。いい言葉だ。これからは、これでいきたい。(西堀岳路)
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シバイヌのミミです。震災から8カ月が過ぎました。1日でも早く、平穏な暮らしが戻ることを祈っています。
そんな中、最近元気が出る記事を見ました。聖光学院の歳内宏明投手がプロ野球のドラフト会議で阪神に指名されたことです。甲子園で躍動する縦じまのユニホームが目に浮かびます。
同校では初となるプロ野球選手。横山博英部長がこう言ったそうです。「プロに入る選手は部員みんなの代表。本人が頑張ることが、部員全員の誇りになる」
「スポーツ」って不思議ですよね。応援する人は、逆にプレーヤーから元気や勇気をもらえる。今の県内は怒りや不安に包まれている。だからこそ、明るく、楽しいニュースを、って思うんです。
飼い主にも言いました。「大事なことは責任を持って伝えて。でも、みんなを喜ばせることも忘れないでね。笑顔が出る記事を待っています」(竹園隆浩)
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asahi.comの福島版。
地元記者が書く「みつばちの目」http://mytown.asahi.com/fukushima/newslist.php?d_id=0700013というコラム。
11月2日と18日のもの。
2つの記事がつながっているように思えた。
与えるではなく、伝える。
大事なことを伝える責任と、笑顔。
それは記者だけのものではなく。
みんなが待っているもの、持っているもの。
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