« 福島から山形へ避難した家族の揺れる思いとは | トップページ | 乳児、幼児、小学生 児童虐待報道が続くなかで »

2011.11.28

橋下市長で大阪と日本の保育はどうなるか

大阪ダブル選挙で、橋下前府知事が市長に、橋下氏が代表をつとめる大阪維新の会の幹事長の松井氏が府知事に当選した。

橋下氏が無党派層の3分の2程度をとることは想定内だったが、日和見で態度を明らかにしなかった公明党を除く、自民、民主、共産などの既成政党の支持層が予想ほど平松氏に流れなかった。

橋下氏の人気、今回の勝利については、私も関連のいくつかのレポートや書籍などを読み、今日の報道にふれたわけで、機会をみて、詳細に書いてみたい。

ここでは、保育施策への影響を考えてみたい。

橋下マニフェストでは「保育所、幼稚園を民営化し、待機児童の解消、サービスを充実する」とあるわけだから、公立公営の公務員保育士は、相当な危機感を持つべきだ。

自己否定されているに他ならないからだ。

また、子ども何人に保育士何人という職員配置などの基準も、崩す(低める)動きが強まってくるはずだ。

全国知事会でも、もっともその基準の緩和を主張したのが橋下府知事(当時)だからだ。

その影響にふれた記事が投票5日前に掲載された。

***
攻防:大阪ダブル選・あと5日 待機児童、待ったなし 面積基準緩和、大阪は様子見
(2011/11/22毎日新聞大阪夕刊)
http://mainichi.jp/life/edu/child/news/20111122ddf041010012000c.html

 認可保育所の待機児童対策として国が掲げた入所児1人当たりの最低面積基準を緩和する特例措置が来年度、厚生労働省が告示した全国35自治体で適用される。関西で対象となる3市のうち、京都市と兵庫県西宮市は「詰め込みが懸念される」と導入を見送ったが、大阪市だけは態度を決めていない。「基準を下げたら保育士の目が行き届かなくなる」--。父母らは不安を募らせながら、27日投開票の大阪市長選の行方を見守っている。【青木絵美】

 ◇平松氏「認定こども園整備」/橋下氏「民営化で充実図る」

 現行の最低面積基準は、0~1歳児が1・65平方メートル(ハイハイできるようになれば3・3平方メートル)、2歳児以上が1・98平方メートル。終戦直後の1948年に策定され、一度も強化されていない。特例措置は自治体の裁量でこれを狭くできるもので、厚労省が来春から3年間に限って認めた。

 大阪市はこれまで、国基準より広い面積基準(1人当たり5平方メートル)を独自に設け、主に保育園の新設や増改築などによって待機児童問題の解決を図ってきた。昨年度までの5年間に52億円かけて施設を拡充。受け入れ可能人数は4930人分増えて在籍児は約4万3600人(今年4月現在)となり、待機人数も8年ほど前の1300人台から今年度は396人に減った。

 ただ、施設拡充による問題解決は時間がかかる上、財政負担が大きい。待機人数も長期的には減っているが、昨年と比べるとほぼ倍増しており、対策が急務。そんな中で、市保育企画課は「子供の成長環境に関わるので特例措置は慎重に検討したい」と話し、導入に含みも残している。

 特例措置については、父母だけでなく、定員増を求められる保育園側も反対している。受け入れ人数が定員を数人超えている「マナ乳児保育園」(阿倍野区)は「今でも園児がストレスをためないよう、保育室の間仕切りを時折変えるなど工夫しているのに」と導入を懸念。「育徳園保育所」(同)は「現状でも不十分。子供にはしわ寄せしないでほしい」と心配している。

 この問題に絡んで、今回の市長選のマニフェストでは、現職の平松邦夫氏(63)が現行の対策を続けながら「認定こども園の整備」を挙げる。大阪維新の会代表の橋下徹氏(42)は「保育所・幼稚園の民営化によるサービス拡充」を掲げ、大阪府知事時代には「(面積基準は)地方が責任を持つべきだ」と強い関心を示していた。
***

また、この動画をご覧になれば、その懸念が強まる人が増えるのではないだろうか。

〔動画〕保育園の最低基準緩和:子どもをギュー詰めに詰め込む方針
http://www.youtube.com/watch?v=2BJgkl0aiHY

選挙が終わってから言うなという批判もあるかもしれない。

しかし、大事なのは選挙後だ。

「民意」が示されたから何をやってもいいはずではなく、首長をチェックするのが議会であり、住民である。

都構想と言われて、何人の人がどれだけの説明ができるだろうか。

保育施策の緩和は、今回どれだけ政策論争になったのだろうか。

「子どもが笑う」と前回の府知事選でアピールした橋下氏。

その大阪の保育施策の動向、待機児問題の解消策がどうなるか、子どもたちの幸福追求権、生存権などにかかわって、全国的な影響を持つことは確かだ。

大阪の問題にとどめない、関連する情報や運動の共有が、ネット(ツイッターやブログなどを含む)などでも求められることになるのではないだろうか。

« 福島から山形へ避難した家族の揺れる思いとは | トップページ | 乳児、幼児、小学生 児童虐待報道が続くなかで »

保育」カテゴリの記事

政治」カテゴリの記事

コメント

あんたは、認定保育園にはいれない、夜しごとしてる女は関係ないとおもってるやろ。。

名乗りもせず、いきなり「あんた」「おもってるやろ」はないですね。

大きな誤解をされているようです。

まったくそんなことはないですよ。夜間の託児施設、認可外保育所の状況や事故などに心痛めている一人です。

できれば、過去記事も読んで語っていただきたいです。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 橋下市長で大阪と日本の保育はどうなるか:

« 福島から山形へ避難した家族の揺れる思いとは | トップページ | 乳児、幼児、小学生 児童虐待報道が続くなかで »

2025年1月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

ツイッター

影響されてるよー

注目!