アメリカで寿司給食!? 改革のせめぎあい
学校給食の改革では、イギリスのジェイミーオリバーが有名のようで、日本でもテレビ放送も繰り返され(WOWOW)、DVDもリリースされている。
それとは別だけれど、アメリカで食育にむけた改革と、それを阻む動きがせめぎあっているという新聞報道がされた。
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trend:米国 カロリー減へ給食改革
(2011/12/5毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/world/news/20111205ddm012030014000c.html
<トレンド>
小中学生の半数が太りすぎとされる米国で、1日65万食の学校給食を提供するロサンゼルス市が高カロリーのメニューを見直す給食改革に着手した。6月には味付け牛乳を廃止、9月には野菜と穀物を取り入れた健康メニューに全面改変した。日本食のすしや焼きそばも登場し、国際的な食文化の学習の場にもなっている。
ピザにフライドポテト、チョコレート味牛乳、デザートに缶詰のパイナップル。改革前のある日の献立だ。トマトソースもスプーン2杯以上入っていれば野菜に分類され、ピザは週2回程度出た。
初めてのり巻きが登場した9月末、市西部にあるマリナデルレイ中学校のカフェテリアでは「すしって何?」と不思議そうに叫ぶ生徒の歓声が響いた。キュウリとアボカド入りの玄米のり巻きにセロリ、チーズ、フルーツジュースが並ぶ。
初めてのり巻きを食べたというアフリカ系の女子生徒(12)は「思ったより食べやすい」とおいしそうにほおばった。ヒスパニック系の男子生徒(11)は「しょうゆソースがあればいいのに」と薄味が物足りなさそう。脂っこい料理に慣れた生徒の中には、補助メニューの棚にあるポテトチップスの小袋を取りに行く姿もあった。
ミランダ・ラウフ校長は「好みは急には変わらない」と笑いながら、「家で冷凍食品しか食べない生徒が給食で野菜の味を知り、親に報告すれば家の食事も多様化する」と改革に期待感を示した。
献立をつくる学区の主任調理師、マーク・ベイダ氏(42)は「日本食は抵抗が少ないアジア食だから最初に取り入れた。国際色豊かなメニューにして味の固定観念を変えたい」と言う。
食育に熱心なオバマ政権では昨年末、農務省に給食改革の権限を与え、これを推進する学校給食法が成立。取り組みは学区の判断に任されるため温度差があるが、ロサンゼルスは政権と連携し改革の実践現場となっている。
一方、定番だったピザやフライドポテトを製造する冷凍食品業界は危機感を募らせる。11月中旬、トマトソースを野菜とみなす基準を厳しくし、フライドポテトを献立から減らす農務省の栄養管理制度改革案を連邦議会は否決。米ロサンゼルス・タイムズは「食品業界を支持基盤とする与野党議員が反撃に出た」と指摘した。始まったばかりの給食改革の流れは、業界と政界の利害が絡み、早くも荒波にもまれている。【ロサンゼルス堀山明子】
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私は、マクドナルドなどのファストフードを好まない。
自分の国でつくったものを基本的に口にしたいと思う。
ホントの「米国」は日本だと思うから、米を食べて生きたい。
それにしても、ハンバーガーやポテトなど、アメリカ文化が日本でチェーン展開されているわけだけど、そのアメリカでどんな食生活がされているのか、子どもが何を食べているのか、学校でどう過ごしているのか、ほとんど報道されないことが不思議でならない。
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