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2012.01.07

尾木ママ語る 育児・教育「運動化」はダメ

形や数字でみえない背景に迫れるかだと思ったインタビュー。

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「尾木ママ」に県内の環境聞く
(2012年01月07日asahi.comさいたま)
http://mytown.asahi.com/saitama/news.php?k_id=11000691201070001
◇育児・教育「運動化」はダメ/会話から子の実情分かる

 「尾木ママ」としてテレビなどで引っ張りだこの教育評論家・尾木直樹さん。埼玉県の教育や子育ての環境についてどう思っているのか、聞いてみました。

 ――埼玉との接点は

 近いので、PTA連合会や青年会議所などに招かれて、講演やトークショーでよくうかがいますよ。教育や子育てでは厳しい環境ですね。幼児虐待や、子どもに関する問題をよく耳にします。2002年に狭山市で起きた保育所長の焼身自殺には衝撃を受けて、保育所の現状を調査しなきゃと思ったんです。

 ――全国に先駆けて実施した「業者テスト追放」など、曲折した公立高校の入試改革は元に戻った感じもします

 そもそも、高校入試がある国は少ないの。中等教育といえば思春期の6年間でワンセット。学力だけでなく、人格の発達をどう保障するのかを考える時期に高校入試をやって、自己肯定感がストーンと落ちる経験をさせるでしょ。

 国際調査で日本の子どもの自己肯定感は他国と比べて低すぎます。東大生だって低いんですよ。自分に自信が持てないと、難しい問題や課題に挑戦する意欲を持てない。人に優しくできない。自己肯定感は生きていく原点で、それを育むのが子育ての柱の一つです。

 ――子育てといえば、埼玉県では「親の学習」に力を入れていますが

 私のブログに育児の悩みが書き込まれますが、昔なら井戸端会議で解消されていたような悩みばかり。地域の共同体が崩壊したと実感します。周囲の環境を変えずに親だけで育児をするのは、もはや不可能です。

 育児や教育は「運動化」してはダメ。「あいさつ運動」とか「早寝早起き朝ご飯運動」とか、大っ嫌いなの。でも埼玉は先頭を走るぐらい盛んですよ。

 運動にすると数値目標を掲げて競い合ってしまう。入ってこない親を冷たい目で見る地域ができるわけ。朝ご飯を食べさせたくてもできずにつらい思いをしている親を、支援や労働環境の整備抜きに悪者にしてしまう。

 学校であいさつしないでうつむいて通り過ぎる子がいたら、「どうしたの」と聞けばいいの。会話の中から実情が見えてくるでしょ。もし、その場であいさつさせて、「全員できた」と喜んでいたとしたら、あまりに表面的すぎますよね。一番大事なのは、素のままの子どもを受け止められる地域や親になることなんです。

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多忙ななかでも年間100回以上の講演を重ねているという尾木ママ。

上記のような実情を踏まえて、児童福祉や教育関係者に問われているものは大きいですね。
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コメント

2年目の保育士が正月休みに同期の飲み会に行って「ほとんどが同業から退職していてショックでした」とゆうてました。

それぞれ事情はあるのでしょうが・・一年目で保育の職をやめてしまうというのは
本人はもちろん、施設側も何よりも子どもたちにとってもなんだったんだ???という状況です。

その一方で企業が保育士を大量に採用しているという・・。

人材の問題は・・・ほんと深刻を通り過ぎて「こっけい」になってきました。

もったいないですね。

待遇面、コミュニケーション力、人間関係、複合的なところもありますね。

今年も考え合っていきたいです。現象から背景を、背景から現象を。

光と影、表と裏。

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