歴史・文化の薫る街・京都市のリーダーに人と雇用を大切にする中村和雄さんを
私は、東京に住む30代の男性で、今度の京都市長選挙に注目しています。
福祉関係の知人が京都に多く、何度も訪れています。4年前の選挙も気になっていて、当時も中村和雄さんの公式ホームページをよくチェックしていました。でも、政策に魅力があっても、親しまれる人柄でも、共産党の推薦候補では勝負になるわけがないと思っていました。ところが、結果は951票差、大接戦での惜敗。ホンの少しの差。私に一票はありませんでしたが、すっかりあきらめていた自分にがっかりしたことをいま思い出しています。
この4年の間に、大きな変化がいくつかありました。まず、政権が交代しました。私も期待した一人でしたが、その期待は大きく裏切られました。そして、東日本大震災が起き、私たちに何ができるのか、政治・自治体の役割は何か、ゆたかさとはなど、さまざまなことが問われています。
雇用の状況も変わってきました。同じ仕事でも正規でなく、不安定な非正規に就くしかない若者が珍しくなくなりました。保育など自治体がかかわる業務にも、非正規雇用が増えました。正規雇用の枠が減り、不安定な生活と不安が広がり、見通しが持てず、特に20・30代の影響は深刻だと感じています。さらに京都市は事業所の減少率が全国の政令市でワースト2だという深刻な状況を知りました。
いま、自治体が発注などにかかわる仕事に一定の雇用条件をつける「公契約条例」が広がりつつあるようです。千葉県野田市や神奈川県川崎市、東京都多摩市などが動き出している政策です。ネット検索でも関連の報道がヒットするようになりました。4年前も今回も中村さんが一貫して訴えている「公契約条例」で一定の条件を前提にさせること、仕事を地元の業者に確保すること、この政策を市政刷新の中心に掲げる中村和雄さんに期待できます。
非正規や首切りなど厳しいなかで働く人たちと弁護士として向き合い、その解決・改善に向けて最前線を歩んできた中村さんにどうしても市長になってほしいのです。雇用のルールの徹底や改善にむけても、国や悪質な企業に対し、厳しく迫れるはずだからです。
さらに、4年前との違いで大きいと感じるのは、私たちの安心できる生活とエネルギー政策との関係が岐路に立っているということです。福井にある原発から60キロにあるなかで今の市長は、原発再稼働について「国が判断すること」「言う立場にない」と言ってきたと知りました。報道をみるとここにきて、橋下大阪市長の関西電力への株主提案に共同する姿勢を示したようですが、リーダーシップがまったく感じられません。
市民の先頭に立って、国や電力会社に対して厳しく脱原発を迫ることが、市民の安全を守り、国際都市・京都に観光客を呼び戻す上でも欠かせないはずです。市民の声を聞きながら、ハッキリしたメッセージを打ち出して行動するリーダーが必要です。脱原発デモが京都で2月6日以降に行われれば、その先頭を市民といっしょに歩く中村市長の姿を見ることができるのです。「行列のできる弁護士市長」はいますが、脱原発に向けて「行列を市民といっしょにつくる弁護士市長」の誕生がイメージできるいま、大きな希望を感じています。
京都市の私立保育園で働く保育士の知人は、保育園への市の補助金が減らされて、「経験を積み重ねていく保障と安定が奪われた」「市長は公立保育園を民営化していくと言っているけれど、コストが安いはずの私立保育園の補助金も不安定にさせられている」と言っています。口々に出るのは「不安」という言葉です。保育園から安定を奪いながら、「子育て環境日本一」をマニフェストで掲げる市長に、あと4年も市政を任せていいのでしょうか。
最近、国民的作家・松本清張さんの記念館を訪ねる機会があり、その展示で最期のインタビューの言葉を知りました。「その飽くなき好奇心の根源にあるものは何ですか」と問われ、「『疑い』だね。…体制に対しても疑うし、学界的に偉い人が言ったことでも鵜呑みにせずに疑ってかかる。…もう少し加えて言うと、歴史にしても社会現象にしても、上から見ないで、底辺から見上げること」と1992年に、週刊誌に語ったそうです。
それから20年がたちましたが、この言葉が重く深く感じられる状況です。政治不信、雇用不安が広がり、エネルギーのあり方などを含め、変化が求められているなか、いま必要なのは、「うのみにせずに疑うことができ、上から見ないで、底辺から見上げることのできる」リーダーではないでしょうか。
前回の投票率は38%。投票率の低さが心配されます。雇用や原発がどうなるかを含めた今後4年間の市政の影響を大きく受けるはずの20代・30代に、特に投票に行こうとよびかけたいです。前回の京都市長選では、改革を訴える若い候補者も出ましたが、ネットで検索して出てきた出口調査(http://www.asyura2.com/08/senkyo47/msg/422.html)では、20代の得票を最も集めたのは、その候補でも、当選した門川さんでもなく、中村和雄さんです。不安を何とかしたい、今の政治を変えたいという若い声を、一人でも多く形にしてもらいたいです。
私も20年以上前に、中学の修学旅行で京都を訪れました。この春からは、修学旅行生が、歴史、文化だけでなく、この街が人と雇用を大切にしているという姿にもふれ、その学びを「おみやげ」として全国各地に持ち帰ることができるようになるはずです。未来につながるものとして。
国会はねじれているのに市長選では政党は「相乗り」、一部の人たちに「お任せ」、雇用は「底抜け」、そして政治と経済は「悪循環」という状況に見えます。それに対して、中村さんの政策のキーワードは「参加」「底上げ」「循環」。ピッタリはまる打開策です。その政策を早く実現してもらいたいです。そのために、市政を変えようという声を「循環」させて、投票という形で政治に「参加」する、投票率の「底上げ」へ。
あきらめないことから希望は生まれ、広がると信じています。私に一票はありませんが、思いを発信することで、「参加」します。2月5日投票で行われる京都市長選、私は中村和雄さんを応援しています。変化を求める多くのみなさんに届くように。
(東京都・Tamy 30代)
http://tamy.way-nifty.com/
中村和雄オフィシャルサイト
http://neo-city.jp/
市政刷新の会
http://kyo-mannaka.jp/
門川大作オフィシャルサイト
http://kyoto-daisakusen.jp/
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