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2012年3月の記事

2012.03.30

3月31日の読売新聞に子ども・子育て新システムに反対する意見広告掲載

みなさんにお知らせがあり、広げていただきますよう、お願いします。

***《ここから転送・転載歓迎》***

みなさん、こんにちは。

お知らせがありまして、メールを送らせていただきます。

年度最後の平日の3月30日、政府は新たな子育て施策「子ども・子育て新システム」に関する法案を、消費税増税法案などといっしょに、閣議決定しました。

そして開会中の国会に提出されました。

新年度、そして入園の時期を迎えようとしていますが、多くの保育関係者がこの「新システム」に疑念や反対の想いを抱いています。

ただ、保育のビジネス化、保育所探しも自己責任などの批判がある一方で、まだまだその問題点が知られていないことも事実です。

そのようななか、閣議決定・法案提出がされた翌日、3月31日(土)の読売新聞朝刊(全国版)に、「子ども・子育て新システム」に反対する意見広告が全面サイズで掲載される予定です。

1万5000人以上の関係者がよびかけに賛同して少しずつのお金を出し合って実現するもので、昨年8月、10月に続いて、3回目のアピールになります。

その会の活動や新システムについては、ホームページをぜひご覧ください。

新システムに反対し保育をよくする会
http://no-shinsystem-hoikuappeal.com/

法案が提出されたばかりのいま、一人でも多くの方に知らせるために、お知り合いの方にメールなどで広めていただければ幸いです。

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。

***《転送・転載歓迎ここまで》***

ありがとうございました。

2012.03.28

新世代が解く!ニッポンのジレンマ~!

元日に放送された、

「新世代が解く!ニッポンのジレンマ」
http://www.nhk.or.jp/jirenma/

第一弾「~震災から希望の年へ~」は、

Eテレ(教育テレビ)として、同時間帯で他局を抑えて1位の視聴率をとったそうで。

3時間に及ぶ放送、実際の討論6時間の模様が、この3月に書籍化されました。

この本、買いました。

『徹底討論!ニッポンのジレンマ【絶望の時代の希望論】』(祥伝社)
NHK Eテレ「新世代が解く!ニッポンのジレンマ」制作班
http://www.shodensha.co.jp/dilemma/

その放送回の再放送と、新たな放送が迫っています。

新世代のみでの討論の行方は。。。

毎日新聞、山陽新聞(岡山でシャア半数以上)、そして・・・。

今年のキーワードは30代なのではないかと。

再放送「ニッポンのジレンマ ~震災の年から希望の年へ」(1月1日放送分)
3月30日(金)深夜1:45~4:45(日付は31日の午前)

3月31日(土)(土)夜11:55~1:55
「ニッポンのジレンマ ~決められないニッポン 民主主義の限界」

2012.03.26

NHK「仕事ハッケン伝」私が出会った相棒スペシャル

安田大サーカスのクロちゃんが業界最大手グループの保育所で保育士体験をした番組の総集編&再会編が放送されるようです。

***

NHK「仕事ハッケン伝」 私が出会った”相棒”スペシャル
放送予定: 3月29日(木)午後7時30分〜8時43分
http://www.nhk.or.jp/hakkenden/nexttime/index.html
※東北地区は別番組を放送予定です。その他の地域でもニュース等の影響により、放送時間変更、中止の可能性もございます。ご了承ください。

仕事とは出会いの連続。仕事で出会い、一緒に働くことで作られていく人間関係・・・。有名人が憧れの職場で働く「仕事ハッケン伝」でも、タレント扱い一切ナシで働いたリアルなゲンバで働いたことで、様々なジャンルのプロフェッショナルと出会い、リアルな人間関係を築くことができた。
料理人に挑戦したペナルティーワッキーは個性派上司から心にぐっとくる言葉の数々で励まされ、一つの料理が作れるように。
お笑い芸人ピース又吉はコンビニでヒット商品を連発する上司から人を観察する方法を教わった。
保育士クロちゃんは初日からいきなり叱られたが、最後は心からわかり合えた。
昨年5月から放送した9回シリーズの「仕事ハッケン伝」の9つの出会いの物語。放送以来の再会やその後の出会いなども紹介する。
***

2012.03.24

未来に希望はあるのだろうか 必読の「30代のパズル 希望さがして」

年明け、新聞各紙は大型連載を組む。

今年は世代をくくって特集する企画が目立った。

そのなかのひとつ、毎日新聞は30代にスポットをあてた。

ただ、その特集は私とすればあっという間に終わった。

そして迎えた春。

遅れて気づいた。

岡山県で全国紙に大きく水をあけてシェア6割を誇る山陽新聞。

『「30代のパズル」希望さがして』という特集連載がすばらしい。

1回や上下で終わりがちな新聞連載にあって、ほぼ毎日。

「派遣切り」「介護の細道」などは、労働や社会福祉の政策と企業経営の負の面に大きく踏み込んだ。

心身を密着させた記者の取材がなければ、また部・社の企画力と覚悟がなければ、成り立たない記事。

就職氷河期に社会へ放り出された世代の生きづらさ、未来に希望は? 

特集連載『「30代のパズル」 希望さがして』(山陽新聞)
http://www.sanyo.oni.co.jp/kikaku/30s/

2012.03.20

大阪市が子どもの人権を崩す認可保育所の詰め込み保育を推進へ

政権交代は2009年夏。

「チルドレンファースト」を掲げながら、直後から保育所の子ども一人あたりの面積基準を切り下げる検討が始まった。

2010年5月23日の毎日新聞は、当時の長妻厚生労働大臣の姿勢を報じている。

『「子どもの昼寝に敷布団が必要か? 床に直接寝かせればいい」。長妻氏は担当部局と保育所の設置基準面積の緩和を議論した際、そう言い切ったという。子どもを床に雑魚寝させれば1人当たりの基準面積を小さくでき、その分保育所を増やすことができるとの趣旨だった。出席した幹部はみな、あっけにとられた。』

この影響もあったと思われる。

このあと、民主党政権は、前政権ができなかった施策に手をつける。

東京や大阪などの待機児の多い35の自治体に面積基準の切り下げを2012年度から3年間認める決定を下したのだ。

しかし、その解禁の年度を目前にした今も、大半の自治体はこれまでの子ども一人あたりの面積を保障する立場で、切り下げを決めてはいない。

橋下市長が率いる大阪市を除いては。

大阪市は、3月17日の朝日新聞大阪版の報道によれば、
***
◇保育所の面積基準緩和提案へ 大阪市
2012年03月17日(朝日新聞大阪版)
http://mytown.asahi.com/osaka/news.php?k_id=28000001203170001
 待機児童解消のため、大阪市は4月から、児童福祉法の特例を使って認可保育所の保育室面積の最低基準を緩和する。関連条例案を開会中の市議会に提案することを、16日の議会運営委員会で説明した。

 これまで0歳は1人あたり5平方メートル以上、1歳は3・3平方メートル以上、2~5歳は1・98平方メートル以上だった最低基準を、一律1・65平方メートル以上に緩和する。

 市内の待機児童数は昨年4月現在で396人。市は基準緩和で認可保育所384カ所の受け入れ人数を増やす方針。
***.

と、大幅な切り下げをしようとしている。

これを「詰め込み」ではなく、「基準緩和」などと言っては、本質が見えなくなる。

詰め込んで入所できる人数は増えるが、詰め込まれた影響はどうなのか。

国が認めたにもかかわらず、それでも、他の自治体がやっていないこと。

詰め込み保育にどんな懸念があるのか。

検証した動画(約15分)を観ていだきたい。

春分の日、卒園シーズンを迎えている。

「子ども・子育て新システム」へと、国の保育制度も転換させる動きもあるなかで。

保育所の職員、保護者だけでなく、マスコミ、政治・行政、そして、私たちおとなの姿勢と責任が未来に向かって問われている。

「子どもの昼寝に敷布団が必要か? 床に直接寝かせればいい」、厚生労働大臣がそう言い放ったことや、議論の経過や背景、ねらいと影響を考えるべき時ではないだろうか。

http://youtu.be/4M3VfaCvFr4

これでいいのか。

2012.03.13

大阪二児遺棄事件、その母親の思春期に

記事がすべてだとは思わないし、環境のせいにはできないけれど、結果には必ず理由と背景があるということは忘れないようにしたい。

大阪二児遺棄事件 育児放棄母の父親らから事件の深淵聞く
週刊ポスト2012年3月16日号
http://www.news-postseven.com/archives/20120310_93081.html

「ほどほど」の組織論・個人観

3月5日と12日の、「香山リカのほどほど論のススメ」、こういう考え方もあるんだなぁと気づかされました。

【第20回】 スーパースターひとりの頑張りを
美談に終わらせてはいけない
http://diamond.jp/articles/-/16398

【第21回】 「かけがえのない存在」にならなくてもいい。
「代えのきく」人になろう 
http://diamond.jp/articles/-/16461

2012.03.11

「音楽のまち」「合唱王国」郡山

今日、福島県郡山市に来ています。

このブログで郡山についてふれたのは数年前。

ネット動画で見つけた素晴らしい合唱。

郡山二中の歌声。

NHKのコンクールでも毎回ダントツの出来。

震災後のコンクールでも。

ここ郡山は、街のガイドブックにも「音楽のまち」「合唱王国」とあります。

短時間、過ごしてきます。

【YouTube」郡山第二中学校「証」
http://youtu.be/XZ5FPfq8a84

2012.03.09

中国産の米が大手スーパーに並ぶ

大手スーパーの西友が、3月10日から中国からの輸入米を店頭に並べるという。西友のプレスリリース(報道発表)も出された。

報道によれば、すでに「かっぱ寿司」で一店舗、アメリカからの米が試験的に導入され、さらに牛丼の松屋では2月からオーストラリア米が使われ始めたという。

お米で毎日生きている私としては、強い違和感。

西友で、どのくらいの売れ行きになるのか、とても気になるところ。

一方で、福島産の米を使ってきた沖縄ではこの夏、米の給食利用がピンチだとも。

電力だけでなく、生活全般の変化と方向性をみていかないと、国の形が変わってしまいかねない。

TPPうんぬんの前に、すでに。

***
2012.03.08
西友、安全・安心でおいしい中国産米を低価格で発売
http://www.seiyu.co.jp/information/2012/1747.php

震災以降、品薄状況が続く低価格米カテゴリーを拡充


合同会社西友では、3月10日(土)より、中国・吉林省産の「中国吉林米5kg」を関東・静岡エリアの149店舗にて、西友で販売している低価格帯商品より約3割安い1,299円という圧倒的な低価格で発売いたします。

昨年の震災以来、国産米の価格は上昇傾向にあり、低価格帯商品は恒常的に品薄状態が続いています。しかしながら、安全・安心で、かつ、おいしく、低価格なお米を求めるお客様のニーズは根強く、西友では今回、絶対の自信を持ってお薦めできる「中国吉林米」を低価格帯米の品揃えの1つとしてお客様に提供することを決定しました。

今回西友が発売する「中国吉林米」は、中国吉林省で栽培・収穫された日本と同じ種類のお米(ジャポニカ種)で、日本の輸入制度(SBS:売買同時入札制度)を利用しております。本輸入制度においては、中国国内倉庫ならびに船積み時における残留農薬検査等(約580項目)が義務付けられており、これらの検査にて安全性が確認できた原料玄米を日本国内で精米しております。

尚、「中国吉林米5kg」と併せて、そのおいしさと価格の安さを手軽にお試しいただけるよう、1.5kgサイズも数量限定にてご用意いたします。

西友では、今後もお客様のニーズに合わせて国内外の調達網を駆使し、安全・安心の商品を低価格で提供してまいります。

商品名「中国吉林米」

産地 中国吉林省

種類 ジャポニカ種(うるち米短粒種)

価格 5kg 1,299円  1.5kg 449円(税込)

販売店舗 関東エリア・静岡エリア 149店舗
(東京、千葉、埼玉、神奈川、茨城、群馬、静岡)
***

夏の給食、米不足に 原発事故影響で品薄
(沖縄タイムス2012/3/6)
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2012-03-06_30695/

 東京電力福島第1原発事故の影響で、県内の学校給食に使う米が不足する懸念が出ている。事故後、全国で汚染の不安が少ない西日本産に需要が殺到。県学校給食会は、県内産米を含め確保に手を尽くしているが「大手メーカーが買い占め、入手は厳しい」(同会)状況だ。このままいくと全体の2割近くの約300トンが不足し、ご飯メニューが夏の約3カ月間、消える可能性がある。(儀間多美子)

 同会は、米や小麦など給食用の食材を一括調達し、各市町村に売却している。給食用に仕入れる米は、年間で約1700トン。これまでの内訳は、福島県産「ひとめぼれ」400トン、福岡県産「ヒノヒカリ」1200トン、県産米「ひとめぼれ」100トン。ムギやワカメ、ヒジキなどのまぜご飯や炊き込みご飯など「ご飯」メニューは週3~4回出され、定番になっている。

 2011年度は震災前に納入された米を使ったが、12年度使用分はPTAや学校関係者らから安全性への懸念があると指摘を受け、昨年8月、17都県の食材を控えることを決めた。12年度は福岡県産米「ヒノヒカリ」を約100トン増やしたが、それでも約300トンの不足分を補うめどは立っていない。

 例年、福島県産米は4~6月に給食で出される。ことしは既に確保済みの福岡県産米の前倒しで対応するが、新米が出回るのは11月。それまでの7~10月の間、夏休みを除く約3カ月分の米が、まだ調達できていない。

 現在、学校給食用の精米価格は保護者負担で1袋(10キログラム)当たり約3160円。同会業務課の喜名正勝課長は「いわゆる高級米はあるが、給食用に提供するには高すぎる」と説明。予算内で調達できないか、県産米なども含めJAに協力を依頼するなど交渉を続けている。
***

2012.03.07

大阪二児餓死事件の裁判員裁判が始まったけれど

一昨年の夏、社会を震撼させたといっていい、大阪2児餓死事件。

殺人罪に問われた裁判員裁判が始まった。

が、報道は、占い師と芸人のこと、何人もの男性を騙したと思われる詐欺師の話題で持ちきりだ。

移ろう気分、偏る報道。

あの事件の背景に何があったのか。

まわりの大人や社会制度に原因はなかったのか、繰り返さないための対策はどうするのか。

よりよい環境をどうつくるのか。

そんな展開につながっているだろうか。

これでいいのか。疑問以上の違和感があふれてこないか。

***
大阪幼児2人死亡:母親が殺意否認 裁判員裁判初公判
(2012/3/5毎日.jp)
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20120305k0000e040205000c.html

 大阪市西区のマンションで10年7月、幼児2人が遺体で見つかった事件で、殺人罪に問われた母親の下村早苗被告(24)に対する裁判員裁判の初公判が5日、大阪地裁(西田真基裁判長)で開かれた。下村被告は起訴内容の「死亡することを承知していた」との部分について「それは違います」と述べ、殺意を否認した。弁護側も保護責任者遺棄致死罪にとどまると主張した。

 検察側の冒頭陳述によると、下村被告は09年5月に離婚し、名古屋の飲食店に勤務。当初は2児を託児所に預けるなどしていたが、大阪市西区のマンションに転居し、風俗店に勤め始めた10年1月以降はほとんど託児所を使わず、部屋に数日分の食事を残して2児を置き去りにし、外泊を重ねていたという。

 更に検察側は、被告が10年6月、約1週間ぶりに外泊先から自宅に戻って衰弱した2児を目の当たりにしながら、おにぎりやパンを置き、室内のドアにガムテープを張って再び外出したと指摘。こうした点から「自分が遊びたいとの欲求を優先し、2児を邪魔に思っていた。死ぬと分かりながら2児を放置した」と指弾し、殺意があったと強調した。

 これに対し、弁護側は「死んでも構わないという気持ちはなかった。死ぬことまで意識できていなかった」と反論し、殺意を否定。被告が幼児期に両親の離婚を経験し、母親の虐待を受けていた点を挙げ、事件の背景に被告の成育環境が影響しているなどと訴えた。

 今後、被告人質問などの審理を経て、16日に判決が言い渡される。【苅田伸宏】

 【起訴内容】 長女の桜子(さくらこ)ちゃん(当時3歳)、長男の楓(かえで)ちゃん(同1歳)と大阪市西区のワンルームマンションで暮らしていた下村被告は、食事を与えなければ死亡することを知りながら、10年6月9日ごろ、2人を自宅に閉じ込めて放置し、同月下旬ごろに餓死させた。
***

子育て世帯の生活状況は悪化している。

それをひとり親などの世帯で分析し、数字で裏づけるレポートがある。

ぜひ読んでもらいたい。何が見えてくるか、考え合いたい。

子育て世帯の半数以上が「生活にゆとりない」
経済的・精神的に子育てしづらい悲惨な日本の現状
(ダイヤモンド・オンライン 2012/3/6)
http://diamond.jp/articles/-/16417

2012.03.05

3月11日で1歳 「さくら」にこめられたもの

ここ数日、3月11日生まれで一歳を迎えようとしている子どもの特集が、新聞紙面で続いた。

毎日新聞の登場した子どもは、「さくら」ちゃん。

そのときと、それまでの経過があっての家族、命。

生まれた時のことと名前の意味、大切に考えたい。

***
東日本大震災:宮古の3.11生まれ 命の重みかみしめて
(2012/3/4毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20120304k0000e040130000c.html

 両親の下沢大樹さん(奥左)、悦子さん(同右)と、ひな人形が飾られている近所の仮設住宅の集会所を訪れ、初めての桃の節句を迎えたさくらちゃん=岩手県宮古市で2012年3月3日、竹内幹撮影

 多くの人たちに守られた女の子が3日、初めてのひな祭りを迎えた。岩手県宮古市の産科医院で、昨年3月11日に生まれた。東日本大震災が起こる27分前だった。名前は、さくら。「人のために役に立つ、人を助けられるような人になってほしい」。両親は願う。

 宮古市のアルバイト、下沢大樹(ひろき)さん(25)と妻悦子さん(33)は3日、長女さくらちゃんを抱いて、近くの仮設住宅にある集会所を訪ねた。大きなひな壇が3人を迎えた。

 さくらちゃんは部屋の中をはい回った。小さな手でいろんな物を握ってはじっと見つめ、やがて放り投げた。仮設住宅の住民の顔がほころんだ。

 悦子さんが名付けた。「寒い中で生まれたから、桜が咲く頃のような温かい感じに育ってほしい」。そんな気持ちを込めた。

 産科医院は沿岸部の市街地にあった。分娩(ぶんべん)室に入ってから8時間の難産だった。その直後、強い揺れが襲った。「津波が来る」。大樹さんは、意識がもうろうとする悦子さん、さくらちゃんと一緒に、看護師らに誘導されて最上階に避難した。

 停電で暖房が止まり、急激に冷え込んだ。さくらちゃんの体が紫色になった。悦子さんは看護師が用意した毛布にくるまると、自分の体で懸命に温めた。

 医院は浸水しなかったが3人がいる限り医師も看護師も自宅へ戻れない。夫婦は「迷惑はかけられない」と翌日退院した。内陸で損壊を免れた自宅へ戻った。

 だが、停電が続き、母子の体は寒さで弱っていた。大樹さんは、買い出しに行ったスーパーで偶然出会った女性に事情を説明した。女性は「うちにまきストーブがあるから来なさい」。人の温かさが身にしみた。

 悦子さんの実母(震災当時58歳)は悦子さんが赤ちゃんだったころ、家を出た。震災から数カ月後、その実母が津波で亡くなったのを知った。3人で市内の墓を訪れ手を合わせた。

 「さくらが小学生ぐらいになったら『さくらが生まれた時に、おばあちゃんが流されたんだよ。こういう災害が起きた時にあなたは生まれたんだよ』って教えてあげたい」

 多くの人が亡くなった日に授かった命を大切にしてほしい、と祈る。

くるり「石巻復興節」リリース 石川さゆりさんがつないで

映画「奇跡」の主題歌を歌った、くるり。

昨年、その映画を観て、ちょうど落ち込んでいた時に知人にすすめられてアルバムを買いました。

演歌歌手の石川さゆりさんが縁をつくって、被災地を応援するCDをリリース。

3月12日にリリースですが、通販での申し込みはすでにスタート。

5日までの受付分は8日に発送といいます。

さっそく申し込みました。

くるり「石巻復興節」特設ページ
http://www.quruli.net/ishinomaki/

試聴もできるようになりました。

売り上げの一部は、仮設住宅や地域事業の支援に充てられるそうです。

***
石巻復興節 CD完成(三陸河北新聞 2012/2/18)
http://www.sanriku-kahoku.com/news/2012_02/i/120218i-qururi.html

被災者100人言葉歌詞に 開成仮設住民に報告/
 
 
 若者に人気のロックバンド「くるり」のボーカル岸田繁さん(35)が、石巻市の被災者約100人の言葉を基に作った被災地の応援歌「石巻復興節」をCD化した。岸田さんは14日、石巻市開成の仮設開成第7団地集会所を訪れ、住民に完成を報告した。CDは3月12日に発売。売り上げの一部などを石巻復興支援ネットワークを通じ、仮設住宅の生活支援や地域事業の活動に充ててもらう予定だ。

 歌手石川さゆりさんが昨年9月、テレビ番組の収録で石巻市を訪れた際、被災者から「明るく前向きになれる古里の歌がほしい」と頼まれたのがきっかけ。親交のある岸田さんに曲作りを依頼していた。

 岸田さんは被災者から寄せられた文章を編詞して昨年10月、曲を完成させた。歌詞には「日和山」「渡波」といった地名も盛り込み、復興に向けて「やっぺす石巻」と繰り返し、「みんなで作ったこの歌を みんなで楽しく歌いましょう」などと呼び掛けている。

 仮設団地の集会所を訪れた岸田さんは完成したCDを披露。集まった被災者たちは、明るい民謡調の曲を手拍子をしながら口ずさみ「調子がいいね」「踊りたくなっちゃう」と喜んだ。

 岸田さんは「この歌は石巻の皆さんが作った曲。CD化を直接伝えたかった。集まった言葉の中には、古里の形が変わってしまったという悲しみもあったが、海の街である石巻への愛もたくさん感じた」と語った。

 いずれも開成団地で生活し、CDを聴いた無職松川とも子さん(72)は「途方に暮れている人が、この曲で元気になってほしい」、無職佐藤国子さん(68)は「涙が出た。みんなで歌ったり踊ったりできる曲ができてうれしい」と話した。

 「くるり」は1996年、立命館大音楽サークルのメンバーで結成。CMや映画に曲が起用され、代表曲に「東京」「ばらの花」などがある。

 「石巻復興節」のCDはカラオケ版を含めて2曲入り。店舗販売は石巻市内に限定し、CDショップや商店で取り扱う予定。価格は500円。インターネット通販は寄付金200円を含めた700円で販売する(送料として別途300円が必要)。

 詳細はホームページ「くるりonWEB」内の特設サイト「バッドニュース通販ページ」で公開予定。

2012.03.04

増え続ける児童虐待 相談・対応の受け皿は大丈夫か

児童虐待の相談件数の急増が伝えられている。

子どもを保護して、さまざまな対応のなかで、児童養護施設へ。

子ども、保護者、また関係機関との対応をする児童相談所の職員。

対応の遅れなどが頻発し、社会のプレッシャーも強まっている。

ケースが重なり、書類を偽造するところにまで追い込まれたと言っていい事件がある。

元職員を全面擁護することもできないが、氷山の一角なのかもしれない。

相談・対応側への支援が忘れられていないだろうか。

***
「児相元職員 処分寛大に」 児童入所違法手続き 福岡地裁で初公判 同僚ら嘆願書提出
(西日本新聞 2012/3/1)
http://www.nishinippon.co.jp/wordbox/word/6602/8775

急増する児童虐待

 厚生労働省によると、2010年度に全国の児童相談所が対応した児童虐待は、過去最多の5万5152件(速報値)。前年度を1万2090件上回り、1990年度の集計開始から20年連続の増加となった。福岡市は22%増の604件。同市こども総合相談センターは職員1人当たりの担当件数が08年度は約150件だったが、以降職員が増員され10年6月時点では約90件まで緩和されている。

(2012年3月1日掲載)

「児相元職員 処分寛大に」 児童入所違法手続き 福岡地裁で初公判 同僚ら嘆願書提出

 ●1人で担当160件 検察も「多忙」言及
 
 保護した子どもの児童養護施設への入所に関する公文書を偽造したなどとして有印公文書偽造・同行使の罪に問われた福岡市こども総合相談センター(児童相談所)元職員の男性被告(60)の初公判が29日、福岡地裁(高原正良裁判長)であり、被告が勤務していた同センターが福岡地検に所長名で寛大な処分を求める異例の嘆願書を提出していたことが分かった。公判では、事件の背景に児童虐待の急増に伴う児相業務の多忙さがあったことを弁護側が主張。検察側もこの点に言及し、懲役2年を求刑した。
 
 弁護人は閉廷後「『身内に甘い』と批判を受けかねないことから、公務員の不正行為に対して所属する役所は厳しい対応を取るのが一般的。寛大な処分を求める嘆願書は珍しい」と語った。
 
 公判は同日結審。児童虐待が全国的に急増する中、3月28日の判決が、児相の過酷な業務にどう言及するかが注目される。
 
 元職員は、定年退職後の昨年12月に在宅起訴された。起訴状などによると、在職中の2008年7月、担当する児童の施設入所更新手続きを行う際、福岡家裁の審判書のコピーを偽造したとされる。児童福祉法上、児童の施設入所は親の同意がない場合、家裁の承認が必要となるが、元職員は承認がないのにあるように書類を偽造し、上司に提出したという。
 
 嘆願書は、昨年10月にセンター所長名で提出された。「慢性的な人員不足もあり、元職員の過酷な労働環境に適切な対応ができなかった。当所も事件の要因の一端を担っており、元職員のみの責任とするのはあまりに酷です」などと記した。
 
 また、証人出廷した元上司らの証言などによると(1)児相職員の1人当たりの担当件数は、文書偽造があったとされる08年当時の福岡市は約150件で、全国17政令市(当時)の中でも相当に多忙だった(2)その中で、元職は160件以上を抱えていた(3)粗暴な保護者との交渉の困難さや夜間・休日も呼び出しが続く繁忙さからうつ状態と診断されていた-という。
 
 証人出廷した同センターのこども緊急支援課長は、嘆願書提出の理由を「彼の行為は、市民の信頼を裏切る許されないものだが、背景に体制上の問題があった。彼の精神的な問題も認識していたのに、熱心な仕事ぶりから、われわれが十分なサポートをしていなかったことを理解してほしくて、組織の総意として提出した」と語った。
 
 一方、元職員は起訴内容を認め、被告人質問で「24時間子どものことが頭にこびりついて離れなかった」と、ストレスから不眠に悩まされた当時の様子を振り返った。
 
 検察側は論告で「虐待児童への対応が繁忙でうつ状態にあったなど、くむべき事情がないわけではない」と述べた。
 
 弁護側は最終弁論で「精神も肉体も疲労し、うつ症状は本人の意志では制御できないほど重かった」として執行猶予付き判決を求めた。
 
 ●欧米は20件、福岡市は相当過酷
 
 ▼児童虐待問題に詳しい安部計彦・西南学院大教授の話 今回の事件は真面目な児相職員ほど陥りやすいバーンアウト(燃え尽き症候群)の典型だろう。日本の児相職員の平均担当件数は1人100件ほどと言われているが、それでも欧米の1人20件に比べると多すぎる。1人150件だった福岡市は相当過酷だったと言える。児相を巨大化するだけでなく、区役所や地域のサポートを活用する虐待対応システムの整備が必要だ。

2012.03.02

【追記あり】保育関係のみなさんは3日朝8時の日テレ系ウェークアップ

ぜひ、ご覧ください。大阪市長や与野党議員、学習院大の教授も出るようで。

保育や生活保護問題をやるようです。

【以下、追記】

このような特集VTRのあと、スタジオ議論に。

待機児童 現状と解消への道は…
http://www.ytv.co.jp/wakeup/sp/n11081087_main.html

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影響されてるよー

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