8月6日、被爆直後の広島で利他主義に生きたスイス人医師のアニメにご注目
8月6日、広島に原爆が落とされた日。
その平和祈念式典のあとの時間にあたる午前9時から、
Eテレ(教育テレビ)にて、アニメ作品が放送されます。
東京新聞は3日付で大きく取り上げました。
放射線におびえる状況が、戦後67年後に別の形でも広がる中、注目したい番組です。
『ジュノー』公式サイト
http://www.junod.jp/
***
◇スイス人医師・ジュノー描く Eテレで6日にアニメ
http://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2012080302000096.html
(東京新聞2012/8/3)
原爆を投下された広島に医療物資を届け、支援活動に尽力したスイス人医師、マルセル・ジュノー(1904~61年)を描いたアニメ「ジュノー」が広島原爆の日の六日午前九時から、NHKEテレで放送される。NHKの担当者は「利他主義に生きた医師の軌跡を通じ、戦争と人間を考えるきっかけになれば」と話す。 (藤浪繁雄)
このアニメは、中東の紛争地や原発事故があったチェルノブイリなどの被災者に医療支援をしているNPO法人「モースト」(広島市)が二〇一〇年に製作し、各地の学校などで自主上映されている。監督・絵コンテ・演出は木村真一郎。
モーストなどによると、広島市の平和記念公園内にジュノーの功績をたたえる記念碑はあるが、地元でも「知る人ぞ知る人物」という。
ジュノーは一九四五年八月九日、赤十字国際委員会の駐日代表として来日。被爆した広島の惨状を知り、一万人の患者を一カ月治療できる医療物資十五トンの提供と輸送を、連合国軍総司令部(GHQ)に約束させた。物資と共に九月八日、広島に入り、自ら被爆者の治療に励んだ。
アニメは、現代の女子中学生二人が修学旅行で広島を訪れて記念碑を見学し、ジュノーが生きた時代にタイムスリップするという設定。被爆直後の広島に救援に入る以前から、エチオピア戦争やスペイン内戦で、ひたすら人道支援に当たってきた姿を知る…。
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各地の上映会で話題を集めていた作品を知り、全国放送を決めたNHK。編成局コンテンツ開発センターのチーフプロデューサー・高井孝彰さんは「ジュノーは原爆を非人道的だと批判し続け、核の問題をきちんと発言してきた人」と力を込める。
高井さんによると、広島の惨状を目の当たりにしたジュノーは、スイスのラジオ番組で「人体にこの放射線が浸透し得ることを覚えておくべきだ」「これは人類の存続に関わる問題だ」と発言。著書でも「私はもはや疑う余地なく、世界は一つの選択を突きつけられていると思う。それは人類が存続するか、核兵器を再び使い全滅するかだ」と記している。番組では、アニメ本編の補足として、ジュノーの功績や人柄を実写のミニ映像で紹介する。
高井さんは「平和記念式典中継のすぐ後の放送。敵味方なく人を助けた姿を見てほしい」と強調。モーストの津谷静子理事長は「世界各地の戦争被害者に対し、ジュノーがどのように手を差し伸べてきたかを知ってほしい」と話している。
◆被爆後の広島で支援活動に尽力
スイス生まれの外科医で、赤十字国際委員会の一員として戦争捕虜の調査と救済に当たった。連合国軍捕虜の母国への帰国を助けるために、中東や旧ソ連、旧満州などを回り、45年8月9日に来日。終戦後、原爆投下を知って広島に4日間滞在、被爆者の救援に当たった。その際、現地に運んだ医療物資には、ペニシリンなど日本に初めてもたらされたものもあった。46年1月に帰国。
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