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2012年11月の記事

2012.11.28

子どもの権利を守るため、人にやさしい都政をつくる宇都宮けんじさんで~猪瀬さんでは保育施策は大・大・大ピンチ~

明日11月29日告示・12月16日投票で東京都知事選挙が行われます。首都東京のリーダーを決める大切な選挙です。

私は、人にやさしい都政をつくる会の宇都宮けんじさんhttp://utsunomiyakenji.com/を応援しています。宇都宮けんじさんは日本のすべての弁護士約3万人が加入する日弁連(日本弁護士連合会)の会長をつとめた方です。
 

宇都宮さんを都知事にと、多くの市民と、政党・会派では、国民の生活が第一(11月28日に解党し、日本未来の党に合流)、日本共産党、社会民主党、東京生活者ネットワーク(東京都議会に議席を持つ会派)などが支援を決めています。

石原前都知事(現・日本維新の会代表)の後継指名をうけた猪瀬直樹・東京都副知事との事実上の一騎打ちです。元神奈川県知事の松沢成文さんも出馬表明していますが、去年の春の都知事選では、石原氏の後継として出ようとして最終盤になって取りやめ、今回は後継でないとしている点でその資格はないはずです。

◇「人にやさしい都政を」と宇都宮けんじさん

私は、「人にやさしい都政」を土台に宇都宮さんが【希望の政策4:安心して子育てできる東京へ】「保育所を増やし7000人もの待機児童をゼロに。給食費など義務教育の完全無償化を段階的に実現。就学援助の都独自基準を作ります。私立高校の授業料に対する都独自の授業料助成制度を拡充、私立高校の入学金助成を検討・実施します」などと掲げた約束にかけたいと思うのです。

働きつづけたいのに、保育所が足りなくて、それがかなわない。待機児問題は深刻です。待機児解消と言っても、そのすすめ方が猪瀬氏と宇都宮さんとでは決定的に違います。

◇子どもの権利を崩してきた猪瀬副知事
 猪瀬氏は作家ですが、石原都政の副知事として働いてきました。2007年に副知事に就任し、国の地方分権改革推進委員会の委員もつとめました。公立・私立の認可保育所には子ども一人あたりに保障する保育室の面積(0歳児一人に3.3 ㎡など)や保育士の職員配置(0歳児3人に保育士1人など)などが厳格に定められています。基準をクリアすることで国が補助金を出すのです。猪瀬氏はその委員会で、その最低基準をなくし、自治体に委ねて切り下げることを認めるように再三迫りました。「極端に言えば、3.3 ㎡に2人、3人に入れても、待機児童がゼロになればいいわけです」(保育所面積の国の最低基準緩和を迫った地方分権改革推進委2009/3/25)とまで、言い切りました。この最低基準が国際的にもきわめて低いにもかかわらずです。

 基準を崩して、自治体が直接運営したり、私立でも非営利の社会福祉法人が運営してしたりが大半の認可保育所に、営利企業の本格的な参入を促したい経済界や猪瀬氏らの圧力に押され、民主党政権は2012年4月から3年間の時限措置としながらも、東京など一部で、自治体の判断で面積基準を緩和していいという決定を行いました。
 国が定めていた面積基準をさっそく崩す条例改定を行なったのが、石原都知事・猪瀬副知事の東京都、橋下市長の大阪市です。

◇子どもの権利の視点で詰め込み保育NO
一方、この流れの論議のなかで、厚生労働省の委託をうけて全国社会福祉協議会が実施し、2009年3月に発表された面積基準の検証事業http://www.shakyo.or.jp/research/09kinoukenkyu.htmlでは「諸外国の保育所の基準に係る文献調査を行い、日本の保育所の面積基準について考察し、保育所における食寝分離の視点から、2歳未満児は1人あたり4.11㎡(現行は3.3㎡)、2歳以上児は2.43㎡(現行は1.98㎡)と現行より高い面積基準が必要という結果が導かれた」としています。つまり、国の最低基準でも子どもにとって改善が必要なのに、その逆の政策選択が行われたのです。
多くの保育関係者から懸念や反対の声が広がっていた一連の流れに対して、日弁連の会長として「子どもの成長発達権を侵害する保育所面積基準の緩和を行わないよう求める会長声明」(2012年4月4日)http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2012/120404_2.htmlを出したのが宇都宮けんじさんなのです。

保育所面積の基準緩和については検証報道の動画http://youtu.be/4M3VfaCvFr4をぜひご覧ください。

◇保育のビジネス化をすすめてきた石原都政
 そもそも、石原都知事は1999年に就任し、2001年には営利企業が駅前のテナントなどで保育施設を展開できる認証保育所制度が国の補助金を受けない東京都独自の制度としてスタートしました。園庭もなく、面積基準(0歳児・1歳児の一人当たり基準面積を3.3→2.5㎡に緩和)や保育士資格を持つ職員の割合(6割でOK)なども認可保育所より低く、駅ビル、居酒屋、コンビニの空いたあとに開設できます。契約も役所を介さずに園と保護者が直接行うほか、保育料も保護者の所得に応じたものではなく、基本保育料8万円を上限に、自由に園が設定できるのが特徴です。年収200万の世帯も、2000万円の世帯も同じ料金です。

 東京都はこれをテコにして、「東京から日本を変える」(石原都知事のキャッチフレーズ)と国の認可保育所制度を変えること、保育ビジネスを展開させていくことをねらいとしてきました。一方で、認可保育所の増設やその担い手である保育士などの職員を支えることにはきわめて消極的でした。公立保育園の職員はその区市町村の公務員ですが、それに比べて私立保育園の職員は、同じ認可保育園でありながら、重労働の一方で待遇が低い上、都市部では延長保育や休日保育など勤務体系も複雑で、人が集まらないという状況が深刻化しています。経験年数の高い職員を抱える私立保育園には補助金を逆に引き下げることをやってきました。
 認可保育所の増設を求める声に、「厚生省のいってる規格を適用しようと思ったら、こんな狭小で稠密な東京で保育所なんかできっこないですよ。ですから、金もかかるでしょう」(2005年3月16日 石原都知事・都議会答弁http://www.gikai.metro.tokyo.jp/netreport/2006/no_6/09.htm)という状況で、この都政の後継が猪瀬氏なのです。
 

いわゆる営利目的の極みといえる認証保育所の不正も追及されました。私のブログは共産党を応援しているわけではありませんが、参考としてリンクをはります。

認証保育所「小田急ムック成城園」の虚偽申請・補助金不正受給疑惑について
2008年9月29日 日本共産党東京都議会議員団
http://www.jcptogidan.gr.jp/html/menu5/2008/20080929143830.html

認証保育所における不正の疑惑と驚くべき実態について
2007年11月30日 日本共産党東京都議会議員団
http://www.jcptogidan.gr.jp/html/menu5/2007/20071130145717_2.pdf

認可保育所ではない認証保育所に働く職員は極めて待遇が低く、さらに定着できない状況です。東京都が2004年7月に示した東京都認証保育所実態調査では、職員の月収は18万円以下が84%、20万円以上は6%です。ボーナスなしの年俸300万円の職員もその6%に入っているのです。物価の高い東京都でこの水準です。その後の調査も明らかにしていません。低すぎて明らかにできないのでしょう。このような都政を続けていていいのでしょうか。

◇0歳の赤ちゃん5人に保育士1人!?
事実上の選挙戦が始まり、初めてのテレビ討論となった今年11月22日のフジテレビ「とくダネ!」で猪瀬氏は「0歳の赤ちゃん5人に保育士さん1人でもなんとかなるならいいじゃないか」と言い放ちました。国の最低基準で子ども3人に保育士1人と定めている基準すら、崩してもかまわないというのです。

この発言に、ツイッターなどでも「とんでもない!」「自分で0歳5人をみてみたらいい」などの憤りと困惑の声が保育関係者からあがっています。副知事を5年もやりながら、この実情です。この路線に、4年を任せる先に、何があるのでしょうか。

宇都宮さんは、東京都として子どもの権利を守ったうえで待機児ゼロにむけて、保護者と保育所職員を支えながら、保育所づくりをすすめてくれるはずです。

◇常に「子どもの貧困」、弱い人たちの権利と向きあって
 宇都宮さんが会長に就任以降、日弁連は本格的に「子どもの貧困」と向き合う相談やイベントなど対策・事業を行ってきました。「子どもの貧困」状態が可視化されてきたのも、宇都宮さんの功績の一つと言っても過言ではないはずです。
 会長就任前も、反貧困ネットワークの代表をつとめ、2008年末には、「派遣切り」で仕事も住居も失った人などを支援する「年越し派遣村」の名誉村長をつとめ、「上から目線」ではなく、当事者に寄り添う視線も記憶に新しいところです。
 誰をも拒むことなく受け入れ、いのちを大切に排除しない姿勢・人柄があるからこそ、市民団体や弁護士、政党の支持も広がっているように感じます。

 高すぎる金利、法外な設定などで多重債務に苦しむ人たち、オウム真理教事件の被害者などを守り、必要な法律の改正などを促してきた実績も十分です。

◇不正と闘い、正義を掲げ、やさしさを持つリーダーを
権利を掲げて、日本でもっとも暗いヤミとたたかってきた弁護士です。でたらめな融資などによって1000億円以上の税金出資が泡と消えた新銀行東京、行き過ぎた五輪招致の関連事業などのヤミがあるのかどうかも含めて、検証してくれるはずです。自民党・公明党と、日本維新の会があれだけ国政では言い合っているのに、都知事選ではいっしょに猪瀬氏を支援しています。何か裏があると思いませんか。

トップダウンで何でも決まる政治でいいのでしょうか。みんなが参加して、その声を現場で聞きながらリーダーが決断する。本物のリーダーシップが求められていると私は思います。

人の発言をさえぎったり、話を聞かなかったりする都知事が続いていいのでしょうか。笑ったと思ったら、人をバカにしている嘲笑。そうではなく、人の力になれた時、なれそうだと思った時に、希望が持てて自分もまわりも笑顔になるリーダーを。

私はそんな都政への希望を感じて、宇都宮けんじさんを応援しています。

(記:2012年11月28日)

こちらもおすすめです。

子どもの命を危険にさらす猪瀬直樹都副知事vs子どもにやさしい東京をつくる宇都宮けんじさん
(ブログすくらむ)
http://ameblo.jp/kokkoippan/entry-11411739982.html

2012.11.25

チャイルド・プア~急増 苦しむ子どもたち~

選挙報道では、「子どもの貧困」をどうするのかが問われていないように感じます。

チャイルド・プア、ご存知ですか。

10月19日に放送され、10月29日には全国で再放送されたNHK特報首都圏。

11月26日(月)15時15分から15時40分に、全国放送として再々放送です。

***
NHK特報首都圏「チャイルド・プア~急増 苦しむ子どもたち~」
http://www.nhk.or.jp/tokuho/
給食費が払えない。学用品が買えない。親の失業など様々な理由で子どもの貧困が深刻化している。
就学援助を受ける小中学生は全国で約157万人と過去最多、およそ6人に1人。
日本の子どもの貧困率は、先進国の中でもアメリカなどに次いで高い。
貧困が影響していじめの対象になったり不登校になるなど、
将来に希望を持ちにくい深刻な状況も生まれている。その実態を見つめると共に、
子どもの孤立を防ぎ、貧困の連鎖をうまないため各地で始まるNPOや
スクールソーシャルワーカーなどの取り組みを取材し、どうすべきか考えていく。

出演:本田由紀さん(東京大学教授)
**

ご注目ください。

こちらで観ることもできますのでぜひ。
http://www.dailymotion.com/video/xugbm9_tokuhoyyy-yyyyy-yy-yy-yyyyyyyy-2012-10-19_news

2012.11.20

日本の空は今も占領下? オスプレイと低空飛行訓練

オスプレイの配備だけでなく、米兵による犯罪も相変わらず。

政権交代後の3年でも、政治に翻弄され続けたの沖縄。

総選挙が近づいていますが、貴重な番組として観たいです。

***

日本テレビ系NNNドキュメント12
11月25日(日)25時~
日本の空は今も占領下? オスプレイと低空飛行訓練
http://www.ntv.co.jp/document/
オスプレイが沖縄住民の反対の中で強行配備されたが、野田首相は「米軍の決定に口出し出来ない」と容認している。米軍は、オスプレイの低空飛行訓練を全国の山間部で行うという。過去、超低空で突然出現する米軍機は、ニアミスや墜落事故を起こしているが、民家の土蔵の崩壊や家畜の大量死など、人々の平和な暮らしも脅かしている。こうした無法が許されるのは、日米地位協定に伴う特例法で米軍機が日本の航空法の適用を除外されているからだ。さらに、米軍横田基地が首都圏の広大な空の管制権を握り、那覇空港では米軍機が安全な上空を独占しているため、民間機は海面近くの低空飛行を強いられている。戦後67年経った今も、米軍の数々の治外法権的な特権がまかり通る日本の空を考える。

2012.11.14

「保健室からのSOS~子どもの貧困の現実~」

関西地区のみの放送ですが、

「子どもの貧困」をテーマにした1時間番組が放送されます。

子どもに関係するすべてのみなさんにすすめたいです。私は関東在住なので残念ですが。

***

11/18(日)24時50分~25時50分
MBS毎日放送(関西) 映像’12
「保健室からのSOS~子どもの貧困の現実~」
http://www.mbs.jp/eizou/
大阪の公立小学校の保健室。「お腹すいた」朝一番、空腹を訴え児童が駆け込んで来ます。保健室の養護教諭が「とっておきの朝食」と呼ぶ、給食の残りのパンと牛乳を渡すと満足そうに頬張りました。養護教諭は5年程前から、生活状況が厳しくなってきている児童が増えてきたと実感します。「しんどい」「だるい」・・・、身体の小さな小学生はすぐに体調を崩しSOSを発信します。なかなか見えにくい「子どもの貧困」の現実を保健室から見つめます。

2012.11.12

「デモで考えたこと」第1弾 なぜ、僕たちはここにいるのか

この夏、原発再稼働反対をアピールする官邸前での行動に、

4度参加しました。

そこに来ているのは、何とかしたいという思いを持った人たち。

1人や2人で、ツイッターなどをみて、仕事帰りに、また小さな子どもを連れて。

そんな姿があります。

Eテレ「青春リアル」がその「日常と思い」を追うそうです。

11/15(木)夜11時30分
Eテレ青春リアル
「デモで考えたこと」第1弾 なぜ、僕たちはここにいるのか
「・・・毎週金曜日の総理大臣官邸前のデモ。ここで“脱原発”だけを訴えるのではなく、自分の生き方を模索する若者たちの日常と思いを追った」

2012.11.06

湯浅誠さん、都知事選に不出馬

東京都知事選挙に湯浅誠さんが出馬しないことを明らかにした。

期待していたので残念。

昨春の都知事選にあたっても擁立の声があがり、その時も報道によれば弁護士の宇都宮健児さんや作家の辻井喬さんらが動いていたようだった。

現状を見据え、どう戦略を持つか、下記の不出馬宣言のなかでも視点は鋭く読んだ。

***
■湯浅からのおしらせ

都知事選についてのコメント
(11月4日執筆、6日発行)
http://yuasamakoto.blogspot.jp/2012/11/2012116.html
  この間、多くの方から、都知事選についてお問合せなどいただきました。ご推薦
いただいた方もおられて光栄かつ恐縮でした。率直に申し上げて、今回の都知事選
で私が「勝てる候補」などと言われるのは、ほとんど身の丈に合わない話と思わざ
るを得ないので、わざわざ態度表明するのもどうかと思っていました。しかし、新
聞紙上でも取り沙汰されるようになり、沈黙していることによる不利益も生じかね
ない情勢になってきたことから、コメントしておきたいと思います。結論から申し
上げると、出馬はしません。
   以下、この間の経緯や考えたことを書きます。

  1)大きな社会状況として、すでに数多くのご指摘があるように、橋下維新、石
原新党とつづく世の中の流れには、私も危機感を持っています。石原さんが事実上
の後継者として指名した猪瀬直樹さんが石原都政路線を引き継ぐのだとすると、ま
た、出馬を取り沙汰されている東国原さんが橋下さんとの連携を示唆されているの
だとすると、この間の流れも踏まえつつ、それに違和感を抱いている人たちの思い
を集結させられる対抗馬の擁立(オルタナティブの提示)は必要だと、私も思いま
す。
   2)ただし、1000万人を超える有権者を抱える巨大都市・東京都の知事は、広範
な人々の利害を調整する官僚機構と良好な関係を保ち、企業から生活者を含めた多
様な人々に共感を得る必要があります。イメージとしては、1000万人有権者を自分
から近い順に一列に並べたときに、真ん中(500万人目)からちょっと先くらいの人
たちに言葉を届けられるくらいの幅の広い陣容を組めるかどうかが重要に思います。
   3)では、それは誰か、となるのが選挙です。固有名が出ないことには選挙にな
りません。ただし、その前段階では「こういう人」というイメージが必要です。私
のイメージは以下のようなものでした。

  ①原発事故以降、飛散する放射能や食の安全に対する不安は高まっています。そ
れは社会運動や市民活動に参加したことのなかった人たちも抱いています。人によ
っては濃淡があって、人によっては漠然としてもいる不安感を抱く人たちが共感で
きる人が望ましい。上から降ろしたような脱原発・反原発ではなく、重要なのは「
生活者としての共感でしょう。したがって生活者目線を(「生活者目線!」と訴え
るだけでなく)体現している人が望ましい。
   ②加えて、グローバル化が進行する中、グローバルな競争関係にいかに対処する
か、という知見も必要です。とりわけ巨大都市で一人勝ち状態の東京では、「東京
が牽引役」と漠然と感じている人が多いと思われます。直線的なグローバル批判よ
りも、多様性(ダイバーシティ)、普遍性(ユニバーサル)をキーワードに、「グ
ローバルとは競争の激烈化とイコールではない」「多様性と普遍性の尊重が発展と
成長につながる」という主張を説得的に展開でき、それを体現するグローバルなキ
ャリアを持った人が望ましい。
   ③石原新党や橋下維新の諸政策を「新自由主義」と断じる人たちは、どんな対抗
馬でも票を入れる。しかしそれだけでは数十万票規模にしか達しないだろう。むし
ろ問題は「あのマッチョな感じについていけない」と肌感覚で違和感を抱いている
人たちの共感を得られるかどうか。ソフト・柔軟・親しみといった対極的な諸要素
を併せ持つ人が望ましい。
   ④知名度や実績は高ければ高いほどいい。ただ、仮にそれほどの高い実績や知名
度がなくても、諸分野の専門家のバックアップや候補者に欠けているものを補う態
勢の担保を選挙戦中から示すことで、知名度不足からくる不安感、不信感をできる
かぎり払拭することは不可能ではない。
   その他、政党人でないことなど、さまざまな要素がありますが、ここでは割愛し
ます。

  4)そのようなイメージから、私は今回、都知事選には「生活者としての立ち位
置とグローバルなキャリアを併せ持ち、猪瀬さんや東国原さんとは対極的なキャラ
クターを持つ女性」が望ましいのではないかと考え、それに当たる人を探しました
。幸い、お一人おられたので、11月頭に急遽お会いしてお話してみましたが、残念
ながらお子さんが小さいことなどから固辞されました。この時点で、私にとってベ
ストの候補はいなくなり、あとは誰がベターかという話に移りました。
   5)「勝つ」ことが困難でも、「勝てない可能性が高いが、オルタナティブを提
示し、一定の票を獲得することで、異なる民意を示す価値のある選挙戦ができるか
」という次元もあり得ます。理想的な形は作れなくても、意味のある選挙戦ができ
れば、それは都知事選に続く衆議院選挙、都議会議員選挙に向けて、オルタナティ
ブを望む少なからぬ都民の存在を可視化できる(それは、都知事選を、次の総選挙
で自分の政党の得票数増加に結びつけようといった個々の政党の思惑とは別のレベ
ルの話として)。そのラインは、過去2回の選挙で次点候補が獲得した169万票だろ
うと思います。対戦候補によってはそれだけ取っても勝てないかもしれない。しか
し、次点候補がそれ以上の票数を獲得したのは1975年以来ありません。オルタナテ
ィブを提示しつつ、それだけの票を獲得したとしたら、仮に選挙で勝つことができ
なくても、一定の民意を示したと言えるのではないか、と思います(もちろん「選
挙なんだから勝たなくては意味がない」という言い方もありますが…)。
   6)そのためには、いわゆる「左派」系の政党を支持している人の数では到底足
りません。それ以外の100万人近い人たちが支持してくれないと、その数には至りま
せん。これは、投票する人たちの5人に1人という気の遠くなるような数です。現在
の社会運動の広がり具合、浸透具合を冷静に見るかぎり、その人たちが仮に現在の
石原新党、橋下維新といった流れに何らかの違和感を抱いているとしても、同時に
社会運動や市民活動にも違和感や拒否感を抱いている可能性は少なくない。「どち
らを選ぶか」と問われれば「まあ、どっちもどっちだろうけど、まだ前者のほうに
実績と勢いと展望があるのではないか」「後者では、東京がどうなってしまうかわ
からず不安だ」と感じる人も少なくないのではないかと推測します。危ないのは「
石原新党、橋下維新に違和感を抱いている人は少なくないはずだ」という点に重き
を置きすぎて、「自分たちに違和感を抱いている人も少なくない」という点を軽視
したり忘れてしまうことです。
   7)そうだとすると、目指すべき戦略は、①社会運動や市民活動に対する不安や
不信感をいかに払拭し、②相手候補に対する違和感にいかに明確な言葉を提供でき
るか、ということになります。②は社会運動や市民活動が比較的ふだんからやって
いることで、相対的な得意分野と言えるかもしれません。①は比較的ふだんから忘
れられがちなことで、相対的な不得意分野です。しかも①と②はバーター関係にあ
り、どちらかに偏りすぎると他方を失いますから(先鋭化すれば広がりを失い、広
げすぎれば無原則となる)、両者が得票数最大化に向けて絶妙のバランスを取るよ
うに工夫する必要があります。それは容易なことではありません。選挙の事務局内
でも「ここが均衡点」の判断は分かれるでしょう。容易ではないから、今まで勝て
ませんでした。そして、①が不得手で②が得意なのだとすれば、当面力を入れるべ
きは、当然不得意分野である必要があります。
   8)そのためには、自分たちにないものを補っていく布陣が必要です。実績不足
については実績のある人を、不安に対しては安心感を与えられる人を、不信感に対
しては自分たちと対極にいるような人でチームを構成し、応援団に配置できること
が望ましい。もちろんそれも容易なことではありません。ないものを補ってくれる
ような人たちが、社会運動や市民活動に不安や不信感を抱いている可能性も少なく
ないからです。だからこそ、対話と調整の技法が必要です。それができなければ、
結局選挙戦も広がりを欠くものになります。そして選挙が組織戦でもある以上、社
会運動や市民活動に携わる一人ひとりがそれを身につけていかなければ、候補者だ
けにその広がりの獲得を期待しても、無理な話です。結局、草の根ベースで一人ひ
とりがそれをできるかどうかが、選挙でも問われることになります。その点は、社
会運動や市民活動の日々の現場と変わりません。『ヒーローを待っていても世界は
変わらない』ゆえんです。タテに突き抜けるような一点突破型の手法だけでいける
なら、そもそも苦労はありません。
   9)諸般の事情から、今回の都知事選で私自身がそれを担うことは不可能になり
ました。当初から自分自身についてはきわめて消極的でしたが、現在では完全にゼ
ロです。「諸般の事情」については、いずれご説明する機会も来るかもしれません
が、いま詳細を述べることは差し控えます。ご了承いただければ幸いです。

  最後に、蛇足ながら一つだけ。11月4日の朝日新聞紙上(東京都版)で、私のこ
とについて以下のように報じられています。「『失敗した。石原氏がここで辞める
なら、東京にいた』。10月末、立候補を求めにきた脱原発運動の関係者に漏らした
という」。これは事実無根か、またはかなりの歪曲があると思います。そもそもカ
ギ括弧付の一人称で紹介されていますが、朝日新聞からこの発言を確認されたこと
はありません。「脱原発運動の関係者」という匿名の者からの伝聞を私の第一人称
の発言として紹介するのは初歩的なルール違反ではないかと思います。そもそも大
阪でも活動を始めた目的は、私にとっては上述した都知事選で焦点化されている課
題と同根であり、石原氏が辞任するまで、このタイミングで辞任する可能性がある
ことを予期していなかったことはうかつだったと思っていますが、大阪に来たこと
を「失敗だった」とは考えていません。この点、当日のシンポジウムの記録が残っ
ているようですので、自分自身の正確な発言内容を確認した上で、朝日新聞に対し
て、しかるべき対応を取りたいと思います。

<声明>私たちは新しい都政に何を求めるか

私も、人にやさしい都政を望みます。

以下、声明のご紹介です。

***

[声明]人にやさしい都政をつくる会(2012/11/6)
http://www.labornetjp.org/news/2012/1352180788439staff01

<声明>私たちは新しい都政に何を求めるか

惨憺たる石原都政の一三年半であった。
福祉は切り縮められ、都立病院は次々と統廃合された。都民の安心を奪い、人々を生き難くさせて切り詰めたお金は、都市再開発や道路建設に回され、知事が旗を振るオリンピック誘致や新銀行に無意味に蕩尽された。

惨状を極めたのが、教育現場である。民主主義が破壊され、強制と強要と分断が横行した。教師たちは誇りを踏みにじられ、精神を病み、教壇を離れていった。子どもたちは競争に追いやられ、教室は荒んだ。都立大学は破壊されてしまった。

知事の思いつきと独善、押し付け、決め付け、他者を命令・服従の対象としか見ることができない貧困な想像力、剥き出しの偏見と差別意識、公私混 同、乱暴な言葉――それらが多くの人の心を傷つけ、公正と公平を貶め、排外主義を助長し、弱い者をさらに追い詰め、社会を荒廃させた。

昨年3月11日の東日本大震災と福島原発事故は、改めて私たちに、原発に依存する暮らしのあり方、社会のあり方に反省を迫るものだった。福島や新潟にある 原発から生まれた電気は、ほとんどすべて東京など、首都圏に送られ、使われているのだ。震災と原発事故直後の石原知事の発言は、「津波をうまく利用して、 我欲を洗い流す必要がある。これはやっぱり天罰だと思う」という驚くべきものだった。さらに、原発事故による未曾有の被害が徐々に明らかになり、おびただ しい人々が避難生活を余儀なくされているとき、市民の間で広がり始めた脱原発運動を罵倒しつづけてきた。

そして最後は、東京都政とは何の関係もない尖閣問題に火をつけ、日中関係を極度に悪化させ、経済を大混乱させたのである。その挙句、何の責任も取ることなく、知事職を放り出した。この尖閣問題の経過ほど、石原都政の年月を象徴しているものはない。

来る都知事選は、このような都政と訣別し、人々が人間らしく生きられる街、平和と人権を尊び、環境と福祉を重視する、いわば「当たり前の都政」に転換する絶好の機会であると私たちは考える。

石原都政の継続や亜流を、決して許してはならない。
自治とは、住民の暮らしを守り、福祉を増進させることを本旨とする。教育とは、自ら学び考え、議論を深め、合意を作り上げていく、民主社会の次の担い手を 育てることである。東京都政を、こうした自治の原点に戻さなければならない。荒れ果てた教育現場を建て直し、次の世代と私たちの未来を救わなければならな い。

あまりにも、いまの時代は人々が生きづらい。失業、非正規労働、過労、格差・貧困の拡大と福祉の切り下げによって、若者も子育て世代も高齢者も苦 しんでいる。その上、国政は、混迷、混乱に加えて右傾化の度合いを増し、改憲や集団的自衛権の行使、近隣諸国との紛争に突き進んでいるように見える。この 流れを止めなければならない。

いま、東京都知事を変えることは、日本の右傾化を阻止する力になると私たちは考える。
では、どのような都知事を私たちは求めるか。

第一は、日本国憲法を尊重し、平和と人権、自治、民主主義、男女の平等、福祉・環境を大切にする都知事である。

第二は、脱原発政策を確実に進める都知事である。石原知事は、原発問題を「ささいな問題」と呼んだが、冗談ではない。東京都民は福島原発からの電 気の最大の消費者であり、東京都は東京電力の最大の株主だ。福島原発事故の結果、豊かな国土が長期にわたって使えなくなり、放射能汚染による被害は、むし ろこれから顕在化する。原発事故と闘い、福島をはじめとするこの事故の被害者を支えることは東京都と都民の責任である。これまで原発推進政策を推し進めて きた政官業学の原子力ムラと闘うことは、この国の未来を取り戻すことである。政府、国会、経産省、東電を抱える東京での脱原発政策は、国全体のエネルギー 政策を変えることになる。

第三は、石原都政によってメチャメチャにされた教育に民主主義を取り戻し、教師に自信と自律性を、教室に学ぶ喜びと意欲を回復させる都知事である。

第四は、人々を追い詰め、生きにくくさせ、つながりを奪い、引きこもらせ、あらゆる文化から排除させる、貧困・格差と闘う都知事である。

以上のような都知事を私たちは心から求める。このような都知事を実現するため、私たちは全力で努力する。
2012年11月6日
赤石千衣子
雨宮処凛
池田香代子
稲葉剛
上原公子
内田雅敏
内橋克人
宇都宮健児
大江健三郎
岡本厚
荻原博子
奥平康弘
海渡雄一
鎌田慧
河添誠
北村肇
木村結
小森陽一
斎藤駿
斎藤貴男
早乙女勝元
佐高信
佐藤学
澤田猛
澤藤統一郎
柴田徳衛
品川正治
杉原泰雄
高田健
俵義文
崔善愛
辻井喬
暉崚淑子
寺西俊一
中山武敏
西谷修
堀尾輝久
前田哲男
山口二郎
渡辺治
以上、40 名
(11 月5 日23 時現在)

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