読書をしながら言葉を磨いて、保育者の待遇改善をアピールしていく
2013年は、1月から保護者による保育園の増設を求める動きがクローズアップされ、メディアと行政を動かし、一定の緊急対策につながりました。
中盤から後半は、保育士不足をめぐる報道が相次ぎ、社会的にも保育士の待遇改善の必要性が理解されるようになってきました。
2014年は、待遇が改善されるのかどうか、せめぎあう年になると私は考えています。
ただ、課題も多くあるはずです。
最近、学校の教員の先生の話を聴く機会がありました。子どもたちや職員同士の会話が盛り込まれている上、物語になってるんですね。たった数分の話でも。他に聴いたことのある教員の話を振り返っても、やはり一定のレベルがあります。
もちろん口下手な教員もいるのでしょうが、1日に1時間近い授業をいくつも持って、子どもや保護者、職員と向き合っている経験と努力の積み重ねだと実感しました。
一方、保育者はどうでしょう。教員ほどうまくないのは当然かもしれませんが、話の途中で迷路にハマってしまったり、日々素晴らしい変化の体験をしているはずなのに伝わってこなかったり…。
もったいないですね。
福祉関係の仕事をしている中で、保育園の保護者の方と話す機会もこれまでにありましたが、「先生の連絡ノートの書き方が…」「お話がわかりにくい」という声が出されたことも。
また、園長経験者とこの手の話題(保育者の作文や会話の力の課題)になった時に「あまりきつく言うと、今の子は辞めたり、無視したりするから、厳しく言えない」と言われたこともあります。
読み書きが苦手な人が教師になることはほとんどなく、保育者なら結構あるようにも感じます。
それはやむを得ないにしても、克服する努力がされていないのではないでしょうか。
たとえば、読書をしているでしょうか。
学校の先生が「読書をしてない」と言えば、児童・生徒・保護者は「えっ?」と驚き、信用しなくなるでしょう。
保育者ならそれが許されているとすれば、イコール「子どものことを好きでやってくれているから」という程度にとどまっている社会的評価の到達点を示しているのです。
私立保育園の保育士であれば、今年度から手当などの形で月数千円の処遇改善がされたはずです。「時間がない」「お金がない」「苦手で興味がない」などと言わず、せめてその一部を月1冊の読書に充ててはどうでしょう。
最近、「自分の言葉で語る」ことを強調する人が増えています。でも、自分以外の人が丁寧につづったものを得ようと、自らの興味と選択で読書をしていない人が、自分の言葉をどうやって紡げるのでしょう。
ここ数日、私に最も響いたのは塩崎義明さんという学校の先生がつづった下記の文章です。
届けよう『言葉』を!~『言葉』との出会いを大切に~
http://shiochanman.com/essay/nenga14.html
これを読んで、SNSの軽さ(もちろん利点もありますが)と読書の重要性を感じました。
保育者が読書を含む文化的な生活をするなかで、自らの言葉を磨きあい、待遇の改善をまわりの人に社会に政治にアピールしていく。そのことなしには実現しない。
確信をもって、私もあらためて読書をすすめていこうと決意しています。
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