カテゴリー「保育」の記事

2022.05.05

少子化で揺らぐ保育園 保育士などを増やせる政策を

今日は、こどもの日。

 

15歳未満のこどもは、1982年以降41年連続して減少し、少子化に歯止めがかかっていません。

 

5月2日には、読売新聞オンラインで、

 

保育施設を人口減が直撃、5割超が維持に懸念
https://toyokeizai.net/articles/-/586601 と報じられました。

 

昨年11~12月に、認可保育所などに実施した調査によれば、

 

『人口減少の影響で、施設の運営の維持が難しくなるかどうか聞いたところ、12・2%が「現在影響が生じている」、55・7%が「今後影響が生じる可能性がある」と回答した』

 

ということです。

 

すでに、0歳児などの定員に空きが出て埋まらないという声が都市部や地方の一部の園で出ています。

 

これを機に、保育園の保育士の配置基準を見直してはどうでしょうか。

 

国は、保育士配置の最低基準として、保育士1人に対して、0歳児は3人、1・2歳児は6人、4・5歳児は30人などと定めています。

 

実際には、これでは子どもの安全が守られないため、園として上回る保育士を雇用して配置しています。

 

そのため、1人あたりの人件費が下がり、手厚い保育をしている園ほど賃金水準が低くなる構造になっています。

 

これらを見直して、保育園に通う子どもの数が今のままでも保育士を増やせるようにする、子どもの人数が少し減っても保育士を減らさずに配置できるようにする。

 

そうなれば、子どもの成長・発達の保障、保護者への細やかな支援ができ、持ち帰りなどの温床になっている保育士の事務仕事も時間内に保障できるようになるはずです。

 

その場合、保育士を手厚く配置できることで何ができているか、行政だけでなく保護者や社会にむけて報告していく責任を果たしていく必要があります。

 

少子化によって、保育園も保育士も減らすという流れではなく、もう1つの道があると考えます。

 

また、保育園の給食をつくっている栄養士や調理員なども、ギリギリの体制になっている園が大半だと思います。

 

特に栄養士は休暇が取りづらいという声を聞きます。

 

アレルギー児や外国にルーツのある子どもへの対応、子どものクッキング体験など、給食室の職員も一定のゆとりを持つことで、今以上の支援ができるようになるのではないでしょうか。

 

子どもが少なくなるなかで、何を大切にしていくか、子どもにとって社会の入り口となっている保育園への施策をどうしていくのか、私たちに問われています。

 

2022.04.16

就職したばかりだけど、職場がおかしいので退職したいという人へ

4月も半分が過ぎました。

 

3月に学校を卒業して、4月から新しい職場でがんばり始めた人も多いですね。

 

ただ、入職してみたら、休憩が取れない、不払い残業がある、パワハラがあるなどの問題に直面する場合もあります。

 

不安で誰に相談していいかわからない、仮に相談できる人がいても、相談された側もどうしていいかわからないという状況も…。

 

退職したい場合、どうしたらいいのでしょうか。

 

期間の定めのない雇用(無期雇用)による労働者側の退職は、民法という法律で、原則として2週間前に通知すればいいことになっています。

 

宮城労働局の資料でも示されています
https://jsite.mhlw.go.jp/miyagi-roudoukyoku/library/miyagi-roudoukyoku/window/img/kiso_04.pdf
ただし、冒頭に示したように、休憩が取れない、不払い残業があるなどの場合は、違ってきます。

 

雇用契約書などの労働契約と実際の労働条件が異なる場合は、契約違反ですので、労働基準法15条により即時解除が可能となります。2週間前などの要件は必要ありません。

 

☆彡☆彡☆彡
労働基準法(労働条件の明示)
第十五条 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。
2 前項の規定によつて明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができる。
3 前項の場合、就業のために住居を変更した労働者が、契約解除の日から十四日以内に帰郷する場合においては、使用者は、必要な旅費を負担しなければならない。
☆彡☆彡☆彡

 

労働基準法の15条3項によれば、就職のために引っ越して、契約解除をしてから2週間以内に帰京する場合は、かかった旅費を請求すれば、法人の負担が義務となります。

 

そもそも、休憩が取れない、不払い残業があるなどは契約違反でもありますが、法律違反ですよね。

 

また、休憩は取れるし、不払い残業はないけど、パワハラがあるので退職したいというケースもありますね。

 

平均的な感覚から見てこれはおかしいと思える暴言などのパワハラがある場合は、使用者(事業所)として安全配慮義務(労働契約法第5条)を果たしていないと主張ができ、これも労働契約の即時解除が可能性が高いと言えます。

 

☆彡☆彡☆彡
労働契約法(労働者の安全への配慮)
第5条
使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。
☆彡☆彡☆彡

 

でも、新卒で就職した場合は、退職の経験がないわけですから、退職の手続きをどうしたらいいか、わかりませんよね。

 

「退職届」というタイトルで、上記の理由をもって退職する旨を記載し、職場・法人の責任者に提出すれば、それで十分です。受け取れない・受け取らないということは許されません。職場に行けない場合は、郵便局で配達証明の手続きをとって郵送すれば、相手に届いたことが証明できますので、送った・届いてないなどになりません。

 

「退職願」を出す人もいますが、願いは相手の許可がいるという解釈ができるので、「退職届」にしましょう。

 

今年3月に始まったマクドナルドのテレビCMで、部下(木村拓哉)が退職願を上司(段田安則)に渡そうとしているのに、上司はごまかして受け取らず、食事に誘うという場面があります。あれが「退職届」であれば、受け取らないことは許されません。

 

短期での退職は、のちの経歴に響くのではないかという心配をする人もいます。契約内容や法律を守らない職場で無理して続けるよりも、がんばれる土壌のある職場を探すほうがいいのではと思います。

 

 

2017.04.01

ドラマ『逃げ恥』と『ダンダリン』のセリフが保育園の職員に何を問いかけているか~「やりがい搾取」を許さずに自分たちの手でよりよいものに変えていくという選択肢とは

昨年10月から放送されたドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』。DVDが3月下旬に発売されたことで、ふたたび話題となっている。
 
このドラマは、「恋ダンス」だけでなく社会を風刺する展開で人気となったが、私は特に第10話での「やりがい搾取」の反響に注目した。
 
商店主たちの集まりに参加することになった主人公・森山みくりは、活性化にむけたイベントを提案すると、店主たちはそのアイディアに賛同しつつ無償の手伝いを要求する。
 
みくりは、彼らを引きつけた上で、こう力説した。
「いいですか、みなさん。人の善意につけこんで、労働力をタダで使おうとする。それは搾取です。例えば、友達だから、勉強になるから、これもあなたもためだからなどと言って正当な賃金を払わない。やりがい搾取を見過ごしてはいけません。断固として反対します」
やりがい搾取とは、

「金銭による報酬の代わりに“やりがい”という報酬を強く意識させられることで、賃金抑制が常態化したり、無償の長時間労働が奨励されたりする働きすぎの組織風土に取り込まれ、自覚のないまま労働を搾取されている状態」
https://jinjibu.jp/keyword/detl/816/
をいう。
 
このような働かせられ方の広がりに対し、ドラマは警鐘を鳴らし、ツイッターなどでも反響が大きく広がった。
 
「やりがい」「成長」といった言葉をえさにして、賃金の抑制や長時間労働を強いる。いわゆる「ブラック企業」だけでなく、いま保育士不足が社会問題になっている保育園も同様の傾向がある。業界としてこのような状態に置かれていると言っていい。
 
最低の基準として国が示している職員数と保障している人件費財源が少ないため、賃金は低く、休憩・休暇がとりづらい。持ち帰り残業なども横行している。構造として、保育園の職員に「やりがい搾取」を強いているのは、政治だということも言える。
 
この春、姫路市の「こども園」をめぐるニュースが連日報道されているが、15分前出勤をしないと罰金、残業代はナシ、退職をさせないなど、裏契約・違法労働も明らかになり、労働基準監督署も調査に入った。
 
ここまでひどくはないとしても、政治による「やりがい搾取」とあわせて、経営者が日常的に支配・監視しやすい環境のもとで、閉鎖的で違法なワンマン運営がさらに園の職員たちを追いつめているケースも少なくない。ワンマン運営とまでは言えなくても、労働法令を守ることができていないことに問題意識を持たない経営者もいる。
 
保育園の職員に対して、森山みくりが上記のセリフをこのように少し変えて問いかけたとしたら、どうだろうか。
 
「いいですか、みなさん。人の善意につけこんで、労働力をタダで使おうとする。それは搾取です。例えば、子どもたちのためだから、みんなやってるから、これもあなたもためだからなどと言って正当な賃金を払わない。やりがい搾取を見過ごしてはいけません。断固として反対します」
 
2013年10月から放送された日本テレビ『ダンダリン 労働基準監督官』は、各回で日本の象徴的な労働問題を取り上げ、竹内結子さん演じる労働基準監督官・段田凛が問題の本質と法的根拠を示し、解決していった。
 
第8話では、実質的に経営者が強制している研修について、自由参加とは言えず、業務・労働として賃金を支払う義務があることを明らかにした(脚本で参考にしたのは居酒屋「和民」のケースと思われる)。
問題を解決したうえで、監督官・段田凛は、こう言った。
「会社が嫌なら辞めればいいじゃないか、よく簡単にそういうことを言う人がいます。あるいは、我慢するか会社を辞めるか、会社員にはその二通りの選択肢しかないとおっしゃる方もいます。でもそれは間違いです。本当は、3つ目の選択肢があるんです。それは、言うべきことは言い、自分たちの会社を自分たちの手でよりよいものに変えていくという選択肢です」。
続けて、
 「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない」「この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない」
という労働基準法第1条も引用された。
 
ドラマの展開はここまでだったが、その3つ目の選択肢を実際にとっていくのに必要なのは、労働組合に集団的に入ることだ。経営者と対等な立場で協議できる権利をもとに交渉し、職場の改善を迫る。憲法や労働基準法、労働組合法などのルールと、組織が力になる。
 
さらに、経営者に責任を果たさせながら、保育園をめぐる構造としての「やりがい搾取」を許さない立場で、経営者とともに、保護者とともに、社会に理解を得ながら、保育園で働く職員の処遇改善を政治に対していっしょに求めていく。
 
「言うべきことは言い、自分たちの手でよりよいものに変えていく」という選択肢をとっていくことによって、保育士不足の改善にとどまらず、保育者たちを専門職として社会と政治が位置づけ直し、ふさわしい待遇にしていくことができないだろうか。
 
子どもが初めて長時間にわたって過ごす場所で向き合う専門職。プロとしてスキルを磨き合い、集団的にその力を発揮できる体制をつくっていくことが必要だ。保育園で働くみなさんには、労働組合への相談と加入をすすめたい。
 
≪相談先として≫
全国福祉保育労働組合

2017.03.19

保育士の賃金引き上げと増員を

 多くの保育園で卒園式が終わった。その保育園を支える保育士は、賃金が全産業平均に比べて月額で約10万円低く、休憩や休暇も取りづらいことが知られるようになったが、もっとも忙しい時期だ。
 
 子どもといっしょに給食を食べ、休憩中も午睡の安全チェックを続ける傍らで連絡ノートを書き、事務仕事や行事などの準備は持ち帰り仕事などの不払い残業になっているのではないか。退職する職員の多さに、労働実態を心配する保護者も少なくないはずだ。
 政府は来年度から保育園の職員の賃金を来年度から2%改善し、保育士数の3分の1程度の中堅保育士を副主任と位置づけて月4万円を加算するという。そもそも賃金水準が低いなかで、主任や非正規職員とのバランスもあるなか、実際の配分などに矛盾を生まないだろうか。

 忙しすぎる状況を改善し、働き続けられるようにするには増員が欠かせないが、対策として実施されない見通しだ。「働き方改革」と言うが、国の制度にもとづく保育園など福祉職場で実践できなければ、国の説得力はない。

 新年度が目前に迫るなか、求人誌や求人サイトには保育士の募集が目立つ。独自の施策を打つ自治体も増えているが、格差も広がっている。安倍首相は6月に新たな待機児童対策を発表するというが、保育士など保育園を支える職員の大幅な賃金の改善と増員を打ち出すべきではないか。

2015.03.29

保育士不足の背景に丁寧な取材で迫る 

卒園・入園シーズンは、退職・入職シーズンでもあります。

静岡県内の保育士、園長、研究者などに取材を重ね、制度上の問題を解説し背景に迫る記事。

「キャリアを積むよりも、人が入れ替わる方が事実上歓迎されてしまう構造を変えなければならない。保育士が働き続けられる環境整備に向けて、国と県、市町がいかに政策的なバックアップをしていくか」と結びます。

「上」「中」「下」と続き、「上」はYahoo!ニュースで『保育士不足「夢がない」現実』というタイトルでトップ記事にも。

認可保育所が足りずに働きつづけられない状況に異議申し立てをしなければならないほどの「保育園一揆」と、待遇が低く働きつづけられない保育現場の深刻さ。保育園を増設しようにも、保育士が集まらないという矛盾。何が問題で何が必要なのか、考えあいたい春です。

《静岡新聞こちら女性編集室》連載
育む社会へ 保育士不足の背景(上) 待遇の現実(3月26日)
http://www.at-s.com/news/detail/1174180122.html

育む社会へ 保育士不足の背景(中) 制度と実態(3月27日)
http://www.at-s.com/news/detail/1174180489.html

育む社会へ 保育士不足の背景(下) 好循環どう構築(3月28日)
http://www.at-s.com/news/detail/1174180841.html

2014.03.20

政府の諮問会議が准保育士制度の導入を検討

3月19日、政府の経済財政諮問会議と産業競争力会議の第1回合同会議が「女性の活躍促進」をテーマに開かれた。配偶者控除の縮小の方向などが翌日の今日、、マスコミで報じられた。

3月14日の産業競争力会議の雇用・人材分科会の主査の資料として、准保育士資格にふれた文書が出され、 翌15日の日経で『「准保育士」導入を検討 政府、子育て経験女性を担い手に』 http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS1402Y_U4A310C1EE8000/ と記事になった。ツイッター上でも驚きや怒りなど反響が広がった。

3月19日の第1回合同会議にもこの主査の資料「成長戦略としての女性の活躍推進について」が提出された。

◇資料「成長戦略としての女性の活躍推進について」(2014/3/19) http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2014/0319/shiryo_04.pdf

保育士関連で言えば、「准保育士資格(民間認証)を設け、育児経験ある主婦層の就業機会を増やし保育所の質の向上を図る」が入っている。

また、「親族の介護等も含め家庭の事情から、働きたくても働けない人に対して働く機会を与えるためにも、家事支援サービス事業を支援する政策は不可欠である。また、将来的な人材不足に備え外国人の活用も視野に入れる必要がある。そのため、人材育成を含め、サービスの品質を担保する仕組みをつくり、信頼性の高い市場を構築していく。例えば、介護、育児・家事支援などの分野で一定の資格や技能をもつ外国人に在留資格を与えられるようにすべきである。なお、外国人活用については、先ずは国家戦略特区で、管理体制を整えた上で、外国人による育児・家事支援サービス提供事業を試験的に許可して事業を開始させ、どの程度の需要があるか等を見極めてから拡大の必要性を検討する」とあり、家事援助サービスでの外国人の活用を打ち出している。

待遇が厳しいために人材が足りない分野の介護や保育(在宅支援を含む)に対し、担い手の専門性を切り下げていく流れ...。待遇を上げて人材を集め、定着してもらうための政策は薄い。

人が人を支えあえない社会にあって、人が人を支える仕事に光をあてないで、「絆」だとか「基本は自助」などと言う政治。

介護や保育の道へ進む若者たちが心の準備をする時期。また、その道をめざして進学する10代も春を迎えて。 冷たい政治の風、なんとかしたい。

2014.02.16

福祉の仕事をして結婚して子どもをつくって大学受験のお金も出せる給与体系に?

舛添さん、最初の定例会見(2月14日)で事実誤認もあるようです。また、保育士や介護士の待遇改善について、かなり大きなことを言っていて、期待させて大丈夫かと心配になりますが。

保育新制度の財源は10%に上がる消費税から7000億円、そのほかから3000億円確保して、施設の拡大と保育士の職員配置や待遇改善で質の向上にという話が、1兆1000億円かかりそうで、消費税増税分以外の財源確保も難しいとのことで、質の改善は先送りも検討という報道(『政府、保育への公費投入圧縮検討』2月14日NIKKEI http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS1403I_U4A210C1PP8000/ など)も2月13日頃から出ています。それでも、舛添さんは、保育士の...処遇について「消費税3%上がる分がかなりそこにいって改善できる」と。

「私が、保育士とか介護士の改善、大臣のときに始めたときは、そういう税源がなくて、ファンドをつくってやった」という話が、高齢者介護と障害者福祉の職員への月1.5万円の処遇改善交付金(予算決定は麻生政権下、支給は2009年10月~2012年3月)だとしたら、保育士に対しては大臣当時やってない(2013年度から同様の事業はスタート)んだから、この言い方は誤解を招きますよね。

「一生涯保育士の仕事をする、介護士の仕事をして結婚して子供をつくって、子供の大学受験のお金も出るぐらいの給与体系しっかりする。そういうことをきちんとやるところには、国も含めて援助するという方向になっているんで」とまで言い切って大丈夫かなと。

待遇の改善そのものは歓迎で期待したいところですが、徹底した規制緩和路線ですね。規制緩和と待遇改善としての使途制限が両立できるのかも、懸念しています。

☆☆☆☆☆
『舛添知事定例記者会見』(2014/2/14)
※関連部分抜粋 後半と質疑部分で待機児問題など
http://www.metro.tokyo.jp/GOVERNOR/KAIKEN/TEXT/2014/140214.htm

 待機児童、まず、認可保育園が国の立場ですけれども、認証保育園、これは今までどおり進めていくということです。だから、完璧に認可を満たしていなくても、いつも私が言うように、10人保育士いないといけないというのは、6割以上ですから、8人もいれば、切羽詰まっているんで、そこからやっていきますよと。で、保育料が高いのは、13時間も預かっているところ、そうじゃない、短い時間で、それは高くなるし。で、アンケート調査をやると、値段が高いということが問題じゃなくて、もっと便利にしてくれということですから、そういうことを、認証保育所規制緩和が1つ。

 それで、私はもう自分も保育で困りましたから、株式会社であれ、個人であれ、誰でもいいからやってくれと、そうしないと、子供を預けられないといったら、女性が、ここにも女性の記者さんおられますけど、仕事やめざるを得なくなっちゃう。それは絶対に避けないといけないというふうに思ってますんで、今の認証保育所、それからですね、もう1つは、多摩ニュータウンとか、光が丘のようなものを高層化して今再生を図っている。そのときに高層化すればスペースがあきますから、1階なんかをショッピングモールだけにするんじゃなくて、特養とか、保育所を入れると、これも改修。

 それから、今日、国と話をしてきました、早速。そしてですね、これまで都の保有地の活用と。ところが、ちょっと調べてみると、やっぱり、いいところを、近くて便利なところはもう既に借りられちゃってて、若干条件の悪いところしか残ってません。そこで、国と、きょう、早速、せっかく大臣をやってたんで協議して、これができることになりました。国の保有地を活用できることに、国から今オーケーとってきました。つまりですね、皆さん東京住んでたらわかると思いますけど、役人の官舎があるんですよ。関東財務局、時々、空き地で関東財務局が保有してますって、札が立ってますでしょう。今、ほら、官舎をどんどん潰しているから、ほんとに国家公務員の宿舎ってめちゃくちゃいいところにある。最高の立地のところに。ですから、これは、はるかに都有地よりいい、立派なロケーションのいいところにあるので、これを使わせてくれ、使っていいということを、国から、今日、私はオーケー出ましたんで、これは大きな味方になります。

 ただ、そのときに、細かい点で、それから、もう1つ、その周りの地代よりもはるかに安い地代で国が認めるということももらってきたというか、話してきました。ただ、あと、そこは、それは、都や区のために使うんだから、ちょっとぐらい、賃料の一部ぐらいあなたたちも出せよという、そういう要望はありますよ。だけど、私が都有地の活用といったときに、あんな不便なところという話が、これで一部解消すると、それが方向です。

 それから、保育士の問題も、2つ問題あって、保育士足りません。おっしゃるとおり。これは消費税が入ります。4月から。これを使って、処遇改善を国もやろうとしてるんで、これで、消費税3%上がる分がかなりそこにいって改善できる。私が、保育士とか介護士の改善、大臣のときに始めたときは、そういう税源がなくて、ファンドをつくってやったんです。これが、財源をしっかりする。

 もう1つはですね、一番問題は介護士と保育士について、なぜみんな途中でやめるかって、キャリアパスがしっかりしていない。課長になって、部長になって、局長になってる、こういうキャリアパスがしっかりしないと、みんなさっさとやめちゃうんです。だから、一生涯保育士の仕事をする、介護士の仕事をして結婚して子供をつくって、子供の大学受験のお金も出るぐらいの給与体系しっかりする。で、そういうことをきちんとやるところには、国も含めて援助するという方向になっているんで、まず、一歩なんですけれども、そういうことで、きょう、私は、国と協議してきて最大の成果は、国有地の活用を許してもらったということです。すごいいい場所にあります。

2014.01.03

読書をしながら言葉を磨いて、保育者の待遇改善をアピールしていく

2013年は、1月から保護者による保育園の増設を求める動きがクローズアップされ、メディアと行政を動かし、一定の緊急対策につながりました。

中盤から後半は、保育士不足をめぐる報道が相次ぎ、社会的にも保育士の待遇改善の必要性が理解されるようになってきました。

2014年は、待遇が改善されるのかどうか、せめぎあう年になると私は考えています。

ただ、課題も多くあるはずです。

最近、学校の教員の先生の話を聴く機会がありました。子どもたちや職員同士の会話が盛り込まれている上、物語になってるんですね。たった数分の話でも。他に聴いたことのある教員の話を振り返っても、やはり一定のレベルがあります。

もちろん口下手な教員もいるのでしょうが、1日に1時間近い授業をいくつも持って、子どもや保護者、職員と向き合っている経験と努力の積み重ねだと実感しました。

一方、保育者はどうでしょう。教員ほどうまくないのは当然かもしれませんが、話の途中で迷路にハマってしまったり、日々素晴らしい変化の体験をしているはずなのに伝わってこなかったり…。

もったいないですね。

福祉関係の仕事をしている中で、保育園の保護者の方と話す機会もこれまでにありましたが、「先生の連絡ノートの書き方が…」「お話がわかりにくい」という声が出されたことも。

また、園長経験者とこの手の話題(保育者の作文や会話の力の課題)になった時に「あまりきつく言うと、今の子は辞めたり、無視したりするから、厳しく言えない」と言われたこともあります。

読み書きが苦手な人が教師になることはほとんどなく、保育者なら結構あるようにも感じます。

それはやむを得ないにしても、克服する努力がされていないのではないでしょうか。

たとえば、読書をしているでしょうか。

学校の先生が「読書をしてない」と言えば、児童・生徒・保護者は「えっ?」と驚き、信用しなくなるでしょう。

保育者ならそれが許されているとすれば、イコール「子どものことを好きでやってくれているから」という程度にとどまっている社会的評価の到達点を示しているのです。

私立保育園の保育士であれば、今年度から手当などの形で月数千円の処遇改善がされたはずです。「時間がない」「お金がない」「苦手で興味がない」などと言わず、せめてその一部を月1冊の読書に充ててはどうでしょう。

最近、「自分の言葉で語る」ことを強調する人が増えています。でも、自分以外の人が丁寧につづったものを得ようと、自らの興味と選択で読書をしていない人が、自分の言葉をどうやって紡げるのでしょう。

ここ数日、私に最も響いたのは塩崎義明さんという学校の先生がつづった下記の文章です。

届けよう『言葉』を!~『言葉』との出会いを大切に~
http://shiochanman.com/essay/nenga14.html

これを読んで、SNSの軽さ(もちろん利点もありますが)と読書の重要性を感じました。

保育者が読書を含む文化的な生活をするなかで、自らの言葉を磨きあい、待遇の改善をまわりの人に社会に政治にアピールしていく。そのことなしには実現しない。

確信をもって、私もあらためて読書をすすめていこうと決意しています。

2013.04.18

保育の規制改革をあらためて問う

いま、政府の規制改革会議は、

保育の面積基準と保育士の配置基準の緩和と、企業参入の大展開へと動いています。

議事概要などを見る限り、参入にあたってどんな規制をかけるか、子どもにとってどんな保障をしていくかは、論議されていません。

あらためて、2011年の秋に放送された最低基準をめぐる動画

と、

この春のテレビ動画

を観ていただければ。

4月17日には、保育事故でお子さんを亡くしたご夫婦や、保育所入所不承諾に対して異議申し立てなどをした保護者の5団体が、規制改革に対して質の担保を求めて共同して声をあげたばかりです。

2月の杉並に端を発した保育園一揆、保護者が声をあげるなか、現場の保育園の職員がどう考え、アクションしていくのかが問われています。

この2か月、ずっとそこに問題意識をもって、ツイッターでは発信し続けてきました。

2013.02.08

道場六三郎監修の給食メニュー

給食事業も展開するシダックスは、社員食堂や特養ホームなど全国約800の店舗・施設で、「シダックス料理人企画」~道場六三郎監修 オリジナルメニュー「鍋風 豚肉と根菜の煮物~特製塩麹チーズソース~」~の提供を始めたそうです。

◇シダックスグループの給食受託店舗・施設で道場六三郎監修の本格和食料理を提供
(サンケイビズ2013/2/8)
http://www.sankeibiz.jp/business/news/130208/prl1302080909006-n1.htm

昨年11月から、四川料理の陳建一、イタリア料理の落合務シェフとの3氏の企画。

料理の鉄人ですね。

シダックスは保育園の給食も一部に参入しているようです。
http://www.shidax.co.jp/service/01_03.html

テレビでも有名な「料理の鉄人」3氏。

企業の事業・企画としては、あり得る内容で。

このような流れが、保育園にもすすんでいくことがいいことなのか。

私は疑問です。

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